土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2015年8月30日(日)
来週は「一般分譲会・当歳魚品評会」
T-Hの1尾 D(4/16孵化)の1尾  

 既に8月もあと1日で終わりとなり、来週9月6日(日)の西日本土佐錦魚保存会の「一般分譲会・当歳魚品評会」まで、あと1週間となりました。(開催の詳細は掲示板をご覧ください)

 今回の当歳魚品評会は、会員の要望を取り入れて、「大の部」と「小の部」の2部門に分けて審査することとし、審査表に基づく得点制で採点することとしています。

 長所を加点し、欠点を減点する方式での点数化ですが、当歳魚は特に激戦が予想されるので、来週が楽しみです。

 うちの当歳魚達も、1鉢3尾〜5尾となっていて、既に品評会魚のいない鉢もかなり出てきていますが、特徴のある魚は種魚として残したいので、できるだけ交配別に1鉢1尾以上残す形で整理していく予定です。

 今日の写真の2尾はどちらも褪色中ですが、左は品評会魚として出せそうですが、右は尾芯に癖が出て早々に脱落した魚です。
 ただ、右の魚は太みが素晴らしく、濃い赤を見せる虎禿で、今後も母親似のくっきりとした模様となる見通しなので、大切に残す予定の魚です。

 なお、先月の研究会の行事の「飼育見学会」の記事を、遅くなりましたが「研究会活動記録」のページに記載したので、ご覧ください。

2015年8月16日(日)
驚きの巨大当歳魚・・・タマミジンコ培養槽での土佐錦魚飼育「最終レポート」
二歳サイズに成長したS(5/19孵化) 水を抜いた220Lミジンコ培養槽

 春から一度も換水していなかった220Lプラ舟のタマミジンコの培養槽ですが、先日の雨の前には油膜が張って、さすがに限界の様子だったので、思い切って水を抜いてみたところ、水底で横たわる大きな魚影に愕然となりました。

 慌てて拾い上げ、洗面器に移してみると、左の写真のように手の平からはみ出んばかりのサイズに育った立派な当歳魚でした。

 
先月7月11日(土)と先々月6月27日(土)の日記で紹介した「タマミジンコ培養槽での土佐錦魚飼育実験」に続いて、最終報告となりますが、5月末にS(5/19孵化)の稚魚を3尾を入れたものの最期の生き残りが、予想通りと言うか予想を超えてと言うべきか、ともかく生き残っていたようです。

 この魚は、5/19の孵化後、10日程度を40Lプラ舟で過ごした後に、2か月半のタマミジンコ培養槽生活を送ったこととなりますが、サイズは10cmに迫っており、4月生まれの丸鉢の当歳魚と比べても体長は2倍もある感じで、状態も健康そのものの様子、顔もそれほど非道状態ではなく、体の太みも十分で、特に金座が際立って大きくなっているのが分かります。

 片腹で、尾芯に絡みがあるので品評会魚ではありませんが、安定した姿勢と金座はかなり魅力的な種魚の資質として目に写ります。

 前回、前々回のレポートでも触れましたが、完全な青水環境で、朝夕は酸欠でタマミジンコが毎日水面で群れる状態が続く中、朝夕には更にドライイーストの懸濁液が注入され白濁し、エアーレーションや濾過機はもちろん無い状態で、なぜ鰓が捲れないのでしょうか?

 また、丸鉢飼育を一度も経験していない状態ながら、返しがきちんと出来ており、親骨や尾芯の角度も適正に育っているのはなぜでしょうか?

 土佐錦魚の飼育のセオリーとされてきた「丸鉢飼育」、「更水での毎日の換水」、「控えめの給餌」、「酸欠で鰓捲れ」、「青水で尾にガスが入る」など、様々な常識を覆す今回の結果に、改めて色々と考えてみる必要がありそうです。

 土佐錦魚飼育はただでさえ難しく、品評会を目指した理想の姿を実現するには更に高いハードルがいくつもありますが、個人の飼育環境や管理方法は千差万別なので、誰かの飼育方法を鵜のみにして導入すると失敗したり、成果が出なかったりしやすいのは確かなようです。

 声高に言われる内容を信じることなく、その飼育や管理の方法がどのように影響するのかを理論的に考え、自分に何が必要かを取捨選択して取り入れることが、これからの土佐錦魚飼育には一層大切だと思います。

2015年8月15日(土)
進む褪色
L:5尾(5/3孵化)  L(5/3孵化)の1尾   R(5/19孵化の1尾

 12日(水)に久しぶりの雨が降って以来、ここ4日間は夜間が涼しく、クーラー無しで寝られるようになっています。

 今年はなぜか当歳魚の褪色が遅れていましたが、ここに来て各鉢で褪色が始まってきて、早い鉢では全ての当歳魚が褪色を終えた鉢も出てきました。

 褪色が早いものは、後ろの幅が狭い傾向が強く、模様も単調になりがちで、相対的に良魚が少ないのが難点ですが、色変わりが進むと鉢も賑やかになり、どのような模様になるかと楽しみも増してきます。

 写真のL(5/3孵化)の鉢は、比較的欠点が少ない魚が多く出たため、2鉢に分けて5尾×2鉢で飼育していますが
、半分以上が褪色を終えたため、褪色済みの魚をまとめて1鉢に集めています。

 褪色済みの当歳魚では、写真中央の更紗が気に入っていますが、特別に長所が目立つ品評会候補のような資質は持ち合わせていない感じながら、まとまりが良く長く楽しめそうな魚です。両方の親骨にはかろうじて赤が残っていますが、これ以上色が抜けないことを祈るばかりです。

 また、写真の右の1尾は、R(5/19孵化)のうちで最も期待している1尾です。こちらも尾の縁の色が抜けているので、そろそろ褪色を始めている様子です。

2015年8月8日(土)
尾の柔らかい当歳魚
完全に止まると左右に広き極める 止まるにつれて親骨がすっと前に 泳ぐ時は親骨をしぼる

 猛暑は収まる気配もなく、今年は夕立も無く寝苦しい日々が続いています。

 丸鉢の当歳魚は鰓捲れが相変わらず続いて発生していることもあって、今日から一桁台の番号の丸鉢は3尾としています。

 今日の写真は、当歳魚として完成してきたC(4/7孵化) のうちの1尾で、尾が非常に柔らかい魚です。この兄弟達は皆尾が柔らかく、雄親の形質を強く引いている感じです。

 写真の当歳魚は、その中でも特に後ろの大きなゆとりのある尾をしています。親骨も柔軟性を持っており、泳ぐ際には金座までしぼって素早く泳ぎ、止まるとふわっと開き、極めた姿勢を長く維持するという所謂「魅せる魚」です。

 各丸鉢では、尾に皺が生じたり、左右の違い等、欠点も次々と出てきていますが、写真の当歳魚は皺もない尾なので、このまま秋まで更に伸びて欲しい魚です。

2015年8月2日(日)
夏真っ盛り
丸鉢は2日続けて40℃超え 板の陰で凌ぐ丸鉢の当歳 2歳以降は20〜30cm幅の板

 8月に入り、丸鉢の水温は連日40℃まで上がっています。当歳魚達にとっては水面付近は特に暑すぎるようで、日中に給餌で近づいても板の下からなかなか出てこない状態です。

 プラ舟の方も35℃付近まで上がっていますが、こちらの魚の方がまだ体力的に耐えられるのか、単純に人に慣れているのか分かりませんが、近づくと板の下から顔を出して水面から口を突き出して餌を求めて寄って来るのが不思議です。

 真夏の日差しは尋常ではなく、水の傷みもすぐに進む状態なので、丸鉢は2日に1回、プラ舟は3日に1回の全換水が続いていますが、これ以上はとても持たない感じです。

 丸鉢の当歳魚は尾数をかなり減らしているので、少しは鰓捲れも治まってきた感じですが、その割にはあまりサイズアップも進んでいないので、魚も暑さで消耗しているような印象です。

2015年8月2日 2015年7月4日

 当歳魚も色々と欠点の出てくる時期なので、なかなか欠点の無い魚を見つけるのが難しい状況ですが、左の@ (4/1孵化)のうちの1尾は、素直にサイズアップが進んで、うちで一番大きな当歳魚となっています。

 この魚は1か月前と比べると、体型はほとんど変わらない状態ですが、体に対する尾の大きさが増していて、尾の後ろの幅や長さに成長が見られます。

 これだけ大きな尾を持っていれば、欠点が出てくる可能性も飛躍的に増すものですが、この魚に関しては今の所大丈夫な様子で、今後の成長が楽しみです。


 当歳魚の丸鉢のうち、サイズの大きい7鉢については、1鉢4尾まで選別が進んでいます。

● 丸鉢 ● 
 A4尾
(4/4孵化)
@4尾
(4/1孵化)  
C4尾
(4/7孵化)
 
B4尾
(4/5孵化)
  
F:4尾
(4/17孵化
D:4尾
(4/16孵化
)  
T-H:4尾
(−/−孵化
J:5尾
(4/30孵化
L:5尾
(5/3孵化)
K:6尾
(5/2孵化)
 
M:6尾
(5/9孵化
L:5尾
(5/3孵化)
 
O:5尾
(5/10孵化
) 
N:6尾
(5/9孵化)
 Q:6尾
(5/11孵化
P:6尾
(5/11孵化
) 
23:7尾
(5/27孵化)
R:7尾
(5/19孵化
27:7尾
(6/3孵化)
25:7尾
(5/27孵化)
 29:7尾
(6/3孵化)
25:7尾
(5/27孵化)

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