土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2015年7月29日(水)
金魚の祈り「アートアクアリウム広島」
最初の展示「広島・金魚の祈り」提灯 コメット等による「禅アクアリウム」 全長8m水槽「水中四季絵巻」
 品種別展示「金魚コレクション」  壁から飛び出す水槽で上見も可  万華鏡の付いた「カレイドリウム」
ベネツィアガラスの金魚鉢 「金魚品評」の土佐錦魚 土佐錦魚は3歳魚が4尾
そこかしこに土佐錦魚のマークが うちの会のロゴと似たデザイン… 1尾ずつの展示「ボンボリウム」
 メイン展示の巨大金魚鉢群「大奥」 ひな壇水槽群「華魚繚乱」 お土産の柳井の金魚提灯型の最中

 職場の近くで開催されている「被爆70年祈念事業アートアクアリウム展〜広島・金魚の祈り〜」を見学してきました。

 以前から話題になっていたイベントですが、中国地方では初めて広島で開催されるとのことで、7月25日(土)から9月6日(日)まで、広島市中区基町のNTTクレドホ−ル11階で行われています。

 金魚、水槽、光、映像をアートとして見せる展示で、珍しい金魚も多数展示されるとのこともあって、どのようなものが見れるか楽しみにしていましたが、意外な所に感心させられる内容でした。

 広島ホームテレビや中国新聞が主催となって開催する被爆70年祈念イベントとして、テレビなどでもCMも流されていますし、学校でもパンフレットが配布されるなど、大々的に宣伝されていて、色々な方からも情報をいただいたイベントでしたが、入場料1,000円の価値はあった印象です。

 最初の水槽は、アルビノコメット等の横長の金魚を横長の水槽で展示する「禅アクアリウム」で、導入からアルビノを用いていて期待させるスタートでしたが、次の8m巨大水槽と映像をコラボした「水中四季絵巻」では、錦鯉を用いているのが残念で、さらに次も鰭長錦鯉の展示が続きましたが、品種別に金魚を展示した「金魚コレクション」では、珍しい品種や大型の魚も揃って見応えがあり、ようやく一安心といった感じでした。

 「金魚コレクション」では、らんちゅうなどの上見で鑑賞する品種の展示は、壁から突き出た水槽を上見でも見れる低い位置に設定してあり、配慮も行き届いていましたが、「カレイドリウム」と題した水槽では、水槽の前壁から透明な三角柱が内側に突き出していて金魚が泳ぎにくそうに群れていましたが、知らない人にはそれが万華鏡であるとはわからない様子で、素通りしていたのが残念でした。

 ベネツィアガラスの著名なデザイナーが、土佐錦魚の尾からイメージを得て作成したという紅白の金魚鉢は斬新でしたが、品評会をイメージして上見で鑑賞するための丸い水槽「金魚品評」では、下から水を噴き上げて壁面を伝って水をオーバーフローさせる展示方法は、水面を波打たせずに横見も可能なクオリティーでしたが、残念ながら水草(マツモ)を水面に浮かべているため、肝心の金魚の上見の妨げとなっていたのが大きなマイナスでした。

 土佐錦魚は、「金魚品評」の中心付近の水槽に3歳と思われる4尾が展示されているのみでしたが、うち1尾は未褪色で、このサイズの未褪色の金魚を展示するのは、一般の方へのPRとして、なかなか良いセンスだと感じました。

 皺があったり顔、体型、返しが悪いのは養魚場ものなので仕方ないとは思いますが、「金魚品評」と名付けて展示するのであれば、見応えのある本物の土佐錦魚を展示して欲しいものです。

 展示説明によると、金魚は全て生産地や市場、問屋から選び、展示後は戻されるそうなので、土佐錦魚に関してのみとなりますが、広島で開催するのであれば、声をかけてもらえれば協力できたのに…と少し残念に思いました。

 ただ、これだけの大量の金魚をフンや死魚を見せずに展示し続ける技術はさすがで、アーティスト兼プロデューサーの木村英智氏が、長年の観賞魚業界に身を置いた知識や経験、人脈等を駆使していることが伺われます。

 また、土佐錦魚関連の話題としては、会場装飾でメインに用いられ、色々な所で目にした金魚のデザインが土佐錦魚であったのには少し驚かされました。
 円に沿う形で土佐錦魚を描いたのは偶然ではなく、理想の土佐錦魚の姿を知識として知った上でのデザインと思いたいのですが、私が描いたうちの会のロゴとよく似ているような気も…。

 さらに、欲を言えば、展示全体が日本の美を意識した金魚の展示でありながら、1尾ずつ大型の金魚を展示している「ボンボリウム」では、全てが輸入物のショートテール琉金だったので、ここはぜひ国産金魚でお願いしたいところでした。

 最後の大型展示は、全展示スペースの半分くらいを占めるメイン展示の「大奥」と、これに続くひな壇状の「華魚繚乱」で、これが圧巻でした。

 会場はフラッシュ撮影と動画撮影が禁止でしたが、カメラ撮影は可能だったので、足元も見え辛いほどの暗さではありましたが、それが醸し出す雰囲気も独特の世界観を引き立てていて、どの展示にもすぐそばまで寄って鑑賞や撮影する人達で賑わっていました。

 会場の出口の外には、カフェがあり、金魚関連の小物なども販売されていたので、金魚提灯で有名な山口県の柳井市の菓子メーカーが作った上下紅白の金魚提灯型の最中「金魚最中」を購入し、帰って美味しくいただきました。 

2015年7月27日(月)
昨日の飼育見学
見学する会員 丸鉢の当歳魚

 昨日の西日本土佐錦魚保存会の研究会は、今年に入って4回目の集まりですが、いつもの東広島会場から離れて、香川県の会員Tさんのお宅で行う形となりました。

 当日は心配された台風の影響も皆無で、晴天に恵まれた気持ちの良い見学日和の中、会員12名が参加して行われ、参加した会員からは大変ためになったと大好評の研究会となりました。

 Tさんの飼育は個性的で、飼育には汲み置けば1日で白濁して油膜の張る温泉水のような井戸水を用いており、コケの管理や稚魚の給餌など、一般的な飼育方法とは違う方法を色々と実践しています。

 その飼育方法の影響や効果を始め、管理や飼育上の工夫など、参加した会員からの質問も多く出て、自分の飼育環境や管理方法と比較して、それぞれが良いヒントを多く得て帰った感じでした。

 海岸沿いの暖かな気候や、産卵時期は近所の溜め池で豊富に採れるミジンコを用いた初期育成などの影響もあり、大きく育った当歳魚も良い資質を見せていました。

 また、詳細については、後日改めて掲載の予定です。

2015年7月25日(土)
明日は研究会
L:6尾(5/3孵化 L:6尾(5/3孵化 M:6尾(5/9孵化

 台風の接近も少し気になりますが、明日の西日本土佐錦魚保存会の研究会は実施の見込みです。

 今回は香川県の会員宅の見学会で、
丸鉢30個規模の飼育状況を皆で訪問し、情報交換を行う形となります。

 今の所、連絡があった12名での実施となる見込みで、互いの飼育の実態は色々と参考となることが多いので、大変楽しみにしています。

● 丸鉢 ● 
 A5尾
(4/4孵化)
@5尾
(4/1孵化)  
C5尾
(4/7孵化)
 
B5尾
(4/5孵化)
  
F:5尾
(4/17孵化
D:5尾
(4/16孵化
)  
T-H:5尾
(−/−孵化
J:6尾
(4/30孵化
L:6尾
(5/3孵化
) 
K:6尾
(5/2孵化
) 
M:7尾
(5/9孵化
L:6尾
(5/3孵化
) 
O:7尾
(5/10孵化
) 
N:8尾
(5/9孵化)
 Q:6尾
(5/11孵化
P:8尾
(5/11孵化
) 
23:10尾
(5/27孵化)
R:10尾
(5/19孵化
27:12尾
(6/3孵化)
25:10尾
(5/27孵化)
 29:12尾
(6/3孵化)
25:10尾
(5/27孵化)

 さて、うちの現在の当歳魚の状況ですが、大きなものは1鉢5尾、小さいもので1鉢12尾となっています。

 今年は全体的に色変わりが遅く、褪色を終えているのは3尾のみ、褪色中が5尾となっています。

 現在丸鉢は22個での飼育となっていますが、気に入った当歳魚の入っている鉢は半数程度となっています。

 写真の当歳魚は、今の所、品評会魚になれそうな魚達で、それなりに期待している魚達ですが、毎年のことながら、なかなか良い魚ばかりにはならず、日々品評会魚から脱落する魚も続出しているので、今年も何尾が残るか怪しい感じです。

 また、最近は2日に1度の全換水としていますが、換水の度に鰓捲れを見つけている状況で、この対応にも時間を取られているのがつらいところです。

 

2015年7月11日(土)
続報、タマミジンコ培養槽のその後
 
7/11撮影:S(5/19孵化)の2尾
上は、さらに培養槽で半月経過

下は、丸鉢に移動して半月経過
  6/27撮影左の2尾の半月前の姿
孵化11日目から4週間ミジンコ培養槽飼育

 今日の日記は、先月6月27日(土)の日記で紹介した「タマミジンコ培養槽での土佐錦魚飼育」の実験経過の続報です。

 タマミジンコの220Lプラ舟の培養槽に、孵化後11日目のS(5/19孵化)を3尾入れ、4週間放任飼育した後の状態について、生き残っていた2尾の姿は右の写真の通りで、丸鉢での通常飼育に比べて一回り以上サイズが大きくなり、顔も良く、尾筒がしっかりし、金座も大きくなっていました。(詳細は6/27の日記を参照)

 なお、このうちの1尾を丸鉢飼育に転換し、残りの1尾はそのままタマミジンコの培養槽に留め置いて、さらに追加実験を進めていましたが、あれから2週間となったので、2尾を掬い上げて、同じ洗面器に入れて再び撮影してみました。(左の写真)

 結果は一目瞭然で、タマミジンコの培養槽においては、さらに太みを増し、サイズも丸鉢飼育に転換したものに比べて一回り以上大きくなっていました。また、尾の後ろもさらに大きくなっています。ただし、顔付きはかなり悪くなっていて、限界ラインぎりぎりの所まで悪化した感じです。

 一方で、丸鉢に移動させアユ餌給餌となった方は、サイズは少し大きくなってはいますが、体型にほぼ変化は見られず、顔付きが若干良くなり、尾も成長しているのが分かります。

 最近では、晴天時に濃い青水状態のタマミジンコ培養槽は、35℃を超える水温にもなっていますが、この中にいる土佐錦魚には、なぜか尾にガスも入らず、通常飼育よりも良いとさえ思える成長を見せてくれました。

 今回の実験の結論としては、少なくとも7月上旬までは、孵化後10日程度の稚魚を青水化したタマミジンコの培養プラ舟に入れ、1か月から1か月半の間を放任で成長させることが可能で、形質的にもサイズ的にも共に優れた稚魚が得られることが示唆されました。

2015年7月4日(土)
当歳魚の状況
@6尾(4/1孵化)   A6尾(4/4孵化) B6尾(4/5孵化) 
C6尾(4/7孵化) O:10尾(5/10孵化)  T-H:6尾(−/−孵化

 梅雨らしい曇天や時折の雨が続いていますが、今年も7月に入り、当歳魚もそれぞれの特徴が出てきていて、日々の換水で洗面器に上げては一喜一憂する毎日となっています。

● 丸鉢 ● 
 A6尾
(4/4孵化)
@6尾
(4/1孵化)  
C6尾
(4/7孵化)
 
B6尾
(4/5孵化)
  
F:7尾
(4/17孵化
D:7尾
(4/16孵化
)  
T-H:6尾
(−/−孵化
J:10尾
(4/30孵化
L:10尾
(5/3孵化
) 
K:10尾
(5/2孵化
) 
M:10尾
(5/9孵化
L:10尾
(5/3孵化
) 
O:12尾
(5/10孵化
) 
N:11尾
(5/9孵化)
 Q:11尾
(5/11孵化
P:11尾
(5/11孵化
) 
23:20尾
(5/27孵化)
R:15尾
(5/19孵化
29:20尾
(6/3孵化)
25:20尾
(5/27孵化)
 27:15尾
(6/3孵化)
28:20尾
(6/3孵化)

 丸鉢の水温は朝20℃、日中は30℃近くまで上がってきていて、最近では2日に1度の換水を行わなければ、水が持たない状態なので、早朝が雨であっても出来るだけ丸鉢の換水は行うようにしています。

 さて、今日の写真は、早いものでは孵化から3か月を迎えて、1鉢に6尾まで減らしている中から、特徴のあり気に入っている魚を1尾ずつピックアップしたものです。

 今年は家族に昼の給餌を頼んでいるためもあって、全体的に太りが良いように感じます。

 後ろの大きい魚は、尾を下げやすい、皺も入りやすい、尾芯が飛びやすい等、欠点が出やすいので、どうしても数があまり残りませんが、写真の魚に関しては、少なくとも来年までには残せる魚となりそうです。

 

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