西日本土佐錦魚保存会「2015年研究会活動記録」

西日本土佐錦魚保存会の研究会活動の状況を簡単に紹介します。
(写真は、クリックすると拡大します)

会員のための活動ですので、実際にはここに公表出来ない技術や情報などもあり、掲載内容は活動の一部です

(記事は研究会開催後に順次追加する予定です)。

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当歳魚品評会・分譲会 : 広島市東区民文化センターにて (2015年9月6日10:00〜16:00)
雨や混雑等で遅れて開始 出品魚77尾は雨を避け軒下 会員20名が参加 審査員6名が1次審査と採点
入賞魚を撮影する会員 分譲会も盛況 分譲魚は開始直ぐに半減
 準備を開始する予定の9時過ぎには時折激しい雨も降る中、駐車場の混雑などで全員の集合は1時間以上遅れましたが、20名の会員の参加により、「当歳魚品評会・分譲会」が行われました。
 品評会出品者は16名で合計77尾が出品され、同時開催した一般分譲会もこれほどの天気にもかかわらず遠方からも参加されていて袋詰めには行列ができる状態でした。
 今回は、初めての試みとして出品魚を大小の2部門に分けて審査することとしていましたが、出品魚の割合を考慮して、入賞魚については、あまり数が出なかった大の部は5位まで、数多く出品された小の部は15位までとしました。
当歳魚 大の部
第1位:Tada氏出品魚 第2位:Kuzume氏出品魚 第3位:Hosoki氏出品魚
 審査は小雨の中で行い、6名の委員が1次審査でピックアップした入賞魚について、各部門で1尾ずつを審査表によって採点し、順位を決定しました。
第4位:Tateishi氏出品魚 第5位:Hosoki氏出品魚
当歳魚 小の部
第1位:Umayahara氏出品魚 第2位:Saijo出品魚 第3位:Saijo出品魚
第4位:Umayahara氏出品魚 第5位:Arisue氏出品魚 第6位:Shimada氏出品魚 第7位:Oda氏出品魚
第8位:Iima氏出品魚 第9位:Arisue氏出品魚 第10位:Yamamoto氏出品魚 第11位:Oda氏出品魚
第12位:Arisue氏出品魚 第13位:Tada氏出品魚 第14位:Oda氏出品魚 第15位:Umayahara氏出品魚
 出品魚の中には、左の写真のように体色が非常に黒い珍しい魚の出品があり、よく聞いてみると兄弟5尾が同様に黒い状態とのことでした。
 目を注意深く観察してみると、両目共に瞳の部分が異様に小さな「点目」であり、遺伝的な弱視のようでした。目に入る光量が少ないため、常に暗い状態にいると感じて保護色機能が発現し、黒っぽい体色をしているようです。
 
点目で黒が濃い土佐錦魚

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飼育見学会 : 香川県さぬき市の会員:多田さんの飼育場にて (2015年7月26日10:30〜16:00)
見学した多田さん 自宅横の飼育場所全景
自作の飼育ハウスの中
丸鉢の当歳魚を見学
庭から続く通路にも丸鉢が 4月1日生まれの当歳魚 プラ舟の二歳雄魚 未褪色の二歳雄魚
 快晴の夏らしい強い日差しの中で、会員12名で飼育見学会を行いました。会の行事としての見学会は5年ぶりで、今回は香川県の多田さんの所で行いました。
 丸鉢30個とプラ舟が主体で、自宅横の畑にビニールハウスを建て、その周囲での飼育です。海岸からも近く温暖な気候もあり、当歳魚の成長は早く、豊富に採れるミジンコを主体とした初期飼料の給餌もあって、太みも十分な良魚が揃って泳いでいました。
飼育は井戸水(初めは透明) 1日置き水の貯水槽(濁り水) 今朝換水した丸鉢(白濁水) 昨日換水した丸鉢(再び澄む)
  ハウスの外の丸鉢は毎日全換水しているとのことでしたが、朝換水した丸鉢は白濁していて魚影の確認も困難な一方で、ハウス内の丸鉢は二日に一回の全換水ながら、昨日換水した鉢は透明に近く澄んでいて、会員の興味は飼育水を中心に集中しました。
 飼育水は井戸水を用いており、汲み上げた時点では透明のものが、半日も汲み置いておくと濁って、1日後には油膜も張った濁り水となるとのことでした。調べてみると鉄分は無いとのことでしたが、ある種の温泉のように、汲み上げて酸化すると次第に澱が生じて濁ってくる感じに見えました。
 普通ならとても飼育には適さない水に見えますが、汲み置き水にしてこの濁った状態で用いると、1週間丸鉢のコケを取らなくても鰓捲れもほとんどなく、健康に大きくなるとのことでした。
餌はアユ餌(1号から5号) 水の変化に話題が集中 昼食後に淡路島を望む 夕方まで皆で飼育談義
 餌は、孵化直後のブラインシュリンプを全く用いずに、採集したミジンコのみで初期育成を行い、これが採れなくなるとアユ餌に切り替え、サイズによって1号から5号に順次大きくしていくとのことでした。
 ハウス中央の置き水用のFRP槽も自作したとのことで、参加した会員は自分と異なる飼育管理の方法を見つけては質問を繰り返す感じで、それぞれ大いに参考となった様子でした。
 昼食にはお勧めの讃岐うどんを堪能し、近くの大串半島の展望台で瀬戸内海の絶景を眺めた後、再び多田さんの飼育管理のお話しをもとに皆で意見交換を行う形で、非常に充実した研究会となりました。

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二歳魚研究会・一般分譲会 : 広島県東広島市のお好み焼き「ちどり」隣りにて (2015年6月28日10:30〜16:00)
完成した看板と会場 審査長が解説し全員で審査
上位10尾を審査表で採点
各魚の採点結果も掲示
採点結果の確認 2歳分譲魚は30尾が並ぶ 分譲魚を真剣に吟味 稚魚も10袋が並ぶ
 時折強い日差しの差し込む好天の中で、会員18名が集まり、ウレタン塗装を終えて完成した看板を掲げて「二歳魚研究会」と「一般分譲会」を行いました。
 二歳魚研究会では、初めての試みとして評価項目に細分化した採点表に記入する形での審査しています。審査は全員で行って、各魚の点数と項目評価を個別に張り出して長所や欠点を表示してみました。
 一般分譲会は、あまり広告も行っていないにもかかわらず、ネットの情報を見て県外からも何組か訪れられていました。
第1位:Oda氏出品魚 第2位:Yamamoto氏出品魚 第3位:Arisue氏出品魚 第4位:Saijo出品魚
第5位:Saijo出品魚 第6位:Hosoki氏出品魚 第7位:Oda氏出品魚 第8位:Tada氏出品魚

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稚魚分譲会 : 広島県東広島市のお好み焼き「ちどり」隣りにて (2015年5月24日11:00〜15:30)
看板の文字も新たに 稚魚は予約制での分譲 分譲魚を見定める会員 二歳分譲魚
 朝かな穏やかな曇り空も次第に晴れていく過ごしやすい気候の中、会員22名が集まり、今回もさらに新規入会者1名を加えて、稚魚分譲会を行いました。分譲された稚魚は孵化後10日前後の針仔(300尾程度)から2cm程度(30尾前後)まで色々と揃っており、会員5名により合計22鉢分の稚魚が出品されました。その他にも4尾の2歳魚が分譲されています。
 看板も新たな名称に合わせて書きかえて、白木の生地も真新しい状態で、初のお披露目となりました。この看板を見て、通りすがりの一般の方から「土佐錦魚を売ってほしい」との声もありました。

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総会・二歳親魚分譲会 : 広島県東広島市のお好み焼き「ちどり」隣りにて (2015年4月5日10:30〜16:00)
分譲魚約50尾が並ぶ 分譲魚を熱心に見入る会員 希望者が重なればくじ引き 分譲魚の解説用資料
 新規入会者も含めて21名の会員が集まり、総会と二歳親魚分譲会を行いました。心配された雨も開始時間には止んで、一日過ごしやすい曇天の中での開催となりました。今年から会場は東広島市に移し、今回が初めての開催となりましたが、高い屋根の下で洗面器を広げることが出来る会場で、人通りも多い道路沿いということもあり一般見学者も多く立ち寄って賑やかな研究会となりました。
 分譲会は、遠方からの会員の到着を待って11時半からと少し遅れて開始し、今回は種魚の確保を目的に会員のみで行っています。二歳魚が50尾程度も出品され、それぞれの会員は雌雄を確認しつつ、気に入った形質の魚を入手していました。
 なお、分譲魚には交配の参考とするため、出品者が両親の写真などを用いて解説を行う形としています。
会員Aさんのたたき池 Aさんは丸鉢用に2階を増設 貯水池でのミジンコ採集 採集したミジンコ(ダフニア)
 会場はお好み焼き「ちどり」の隣りであるため、昼食はお好み焼きを皆で食べ、その店内で今回は「効率的なサイズアップと給餌方法」をテーマに情報交換を行いました。
 なお、希望者は別動隊となり、車で10分程度の貯水池でミジンコを採集したり、同じく近所の別会員の飼育場を見学したりもしていました。

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