土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2012年7月29日(日)
暑い日が続き
 D(5/14孵化)の1尾:7/26撮影  D(5/14孵化)の1尾:7/7撮影

 ここ数日の暑さは尋常ではなく、9日続いて雨が無く、気温は毎日少しずつ上がり、常にこの夏の最高を記録しているような感じです。

 今日の午後は気温も34℃、水温もこれと同じで、特にプラ舟の水の傷みが激しく、毎日の換水を続けても、2日おきにコケを落とさなければ、水が濁るほどになっています。

 丸鉢の毎日の換水は当然続いていますが、毎回しっかりとコケを落としています。

 また、丸鉢の当歳魚は尾数が少しでも多いと鰓捲れが出るので、サイズに合わせてどんどん減らしている感じで、全ての鉢で7尾以下となっています。

●モルタル丸鉢●
A:5尾
(5/10孵化)
@:5尾
(5/10孵化)
D:5尾
(5/14孵化)
B:5尾
(5/14孵化)
G:6尾
(5/20孵化)
E:6尾
(5/14孵化)
J:7尾
(5/24孵化)
I:7尾
(5/24孵化)
   
L:4尾
(6/6孵化)
  K:6尾
(5/31孵化)
   
N:6尾
(6/11孵化)
  M:5尾
(6/6孵化)
 
   ●プラ丸鉢●
C:5尾
(5/14孵化)
B:5尾
(5/14孵化)
B:5尾
(5/14孵化)
  O5尾
(6/13孵化)

 今日の写真はDのうちの1尾で、2週間前と比べると返しや後ろが大きくなっていて、その伸びが実感できます。

 全般的な傾向として、当歳魚は成長とともに腹が出る際に、尾筒が徐々に短く感じられるようになりますが、この魚は「最初は長手に感じた魚でも秋には丸手に変化する」典型的なタイプと言えそうです。

 今の時期の姿としては、このくらいの形が理想的だと言えそうです。 

2012年7月22日(日)
3歳魚の伸び
 
2012年7月20日撮影  2012年5月6日撮影

 今日も暑い一日で、朝28℃の水温もすぐに上がり、日中の丸鉢は33℃まで上がっていました。

 今日の写真は3歳雄魚で、今年の産卵でも多用している魚です。

 産卵時期を終えて、最近では何れの魚もそれぞれサイズアップしてきていますが、この魚も写真で2か月半前のものと比べると、尾は一回り大きくなり特に返しが際立ってきています。

 尾芯が飛んでいるため、品評会魚ではありませんが、後ろが広く大きい特徴はこの魚を用いて得た今年の当歳魚にも引き継がれている感じです。

●モルタル丸鉢●
A:5尾
(5/10孵化)
@:5尾
(5/10孵化)
D:6尾
(5/14孵化)
B:6尾
(5/14孵化)
G:6尾
(5/20孵化)
E:6尾
(5/14孵化)
J:8尾
(5/24孵化)
I:8尾
(5/24孵化)
   
L:7尾
(6/6孵化)
  K:8尾
(5/31孵化)
   
N:8尾
(6/11孵化)
  M:8尾
(6/6孵化)
 
   ●プラ丸鉢●
C:5尾
(5/14孵化)
B:5尾
(5/14孵化)
B:5尾
(5/14孵化)
  O5尾
(6/13孵化)

 また、丸鉢の当歳魚は、毎日の換水時に目についたハネを除き少ずつ数を減らして、1鉢には5〜8尾となり、表のような数となっています。

2012年7月17日(火)
梅雨明けと欠点
 @(5/10孵化)のうちの1尾

 今日から中国地方は梅雨明けとのこと。連日、日中の水温は30℃を軽く超え、暑い日が続いている中で選別も少しずつ進み、丸鉢は5尾になっているものもあります。

 ただし、それぞれの成長に伴って、欠点も目立ってきています。

 写真の1尾も期待していた魚ですが、尾芯が消えかかって桜尾がきつくなり、尾芯も若干すくいはじめてきました。

 尾筒が短いのが少し気になりますが、それでも各所の長所が目立つ「丸手で尾の大きな魚」なので、来年の種用に残す魚となる見込みです。

 他の丸鉢も大体同じような状況で、期待していた魚に欠点が続出している感じですが、良い資質を持つ魚は安易に処分せず、種としての利用も考慮して、ハネ専用の40Lプラ舟4個で飼育は続ける形としています。

2012年7月14日(土)
二歳魚の伸び
二歳雌魚(昨年のJ 二歳雌魚(昨年のQ
二歳雄魚(昨年のF  二歳雄魚(昨年のH 

 今朝も激しい雨で、一時止むこともありましたが、日中も弱いながらも降り続き、梅雨らしい天気が続いています。

 今日は、朝と夕方に、雨の合間をぬって換水を行い、どうにか全ての魚の水を換えています。

 梅雨のシーズンでも、丸鉢は毎日の換水、プラ舟は2日に一回の換水を続けているので、特に調子を崩すものはなく、例年通りの成長をしている感じです。

 特に最近は2歳魚のサイズアップと伸びが目に付きます。

 写真は上段の2尾が雌魚、下段の2尾が雄魚です。

 親骨の押さえや返しの大きさなど、それぞれ特徴があり、若干の欠点もありますが、どれも後ろが大きくなり、体の太みも増して、魅力的な魚となってきました。


 雌魚2尾は今年の産卵には用いていないので、特にサイズアップが早い感じで、他の2歳魚より一回り大きくなっています。

 また、2尾の雄魚はどちらも褪色中です。右の褪色終了間際の方は、頭に小窓を見せそうな感じで、もう少し色が抜けて更紗になりそうな兆しを見せています。

●モルタル丸鉢●
A:6尾
(5/10孵化)
@:6尾
(5/10孵化)
D:7尾
(5/14孵化)
B:7尾
(5/14孵化)
G:10尾
(5/20孵化)
E:8尾
(5/14孵化)
J:10尾
(5/24孵化)
I:10尾
(5/24孵化)
   
L:7尾
(6/6孵化)
  K:10尾
(5/31孵化)
   
N:10尾
(6/11孵化)
  M:11尾
(6/6孵化)
 
   ●プラ丸鉢●
C:6尾
(5/14孵化)
B:6尾
(5/14孵化)
F3尾
(5/17孵化)
  O10尾
(6/13孵化)

 一方、当歳魚については、今日はの換水時に若干選別をして、配置換えを行っています。

2012年7月12日(木)
雨とタマミジンコ
水面で渦を巻くタマミジンコ

 梅雨はなかなか明ける気配を見せていません。今日は特に蒸し暑く、湿度の高い一日となりましたが、梅雨時期の湿度の高い朝は、タマミジンコの採集が非常に楽になります。

 写真は早朝のもので、水面で渦を巻くタマミジンコです。

 梅雨時期は水温が上がらず、食欲も落ちてきますが、タマミジンコは非常に嗜好性が高く、土佐錦魚にとっては美味しいらしく、食い付きはすごいものがあります。

 また、多少食べ残しがあっても水を傷めることもないので、梅雨時期には使いやすい餌と言えます。

2012年7月8日(日)
親の形質と稚魚の形質
  雄親
  【掛け合わせと稚魚の形質】

縦列は雄親、横行は雌親
  二歳魚(昨年のF):7/8撮影 三歳魚(一昨年のA):5/6撮影
雌親  
二歳魚(昨年のN)4/30撮影   @(5/10孵化)のうちの1尾  A(5/10孵化)のうちの1尾
三歳魚(一昨年の@)4/30撮影  B(5/14孵化)のうちの1尾  C(5/14孵化)のうちの1尾
二歳魚(昨年のM)4/14撮影  E(5/14孵化)のうちの1尾 G(5/20孵化)のうちの1尾
 今日は久しぶりに日差しの強い一日で、朝23℃の水温も午後には30℃となっていました。

 稚魚も、そろそろ土佐錦魚の当歳魚と呼べる姿をしたものも現れ始めていますが、概ねサイズは小さめで、イトミミズ飼育のような太りは期待できない中ですが、それぞれの掛け合せの結果がかなり見えてきた感じです。

 今年の産卵は、限られた同じ雌雄を用いて、それぞれと掛け合せを行っているので、雌雄の形質がどのように遺伝しているのかの傾向を知ることができそうです。

 今日の写真は、2尾の雄を3尾の雌とかけた結果で、得られた稚魚を一覧表にしたものです。

 6尾の稚魚について見てみると、二歳雄魚の子は顔が良く太い体となっており、三歳更紗の子は顔が悪く腹出しが劣る寸胴となっています。

 稚魚は形質を見て意図的に抜き出した1尾ではなく、その鉢で一番目につく良い魚を抜き出したもので、その他の稚魚も概ね同じ傾向の形質を見せているので、遺伝の傾向はこれで判断しても、間違いはないように感じてます。

 雄親として今年多用したこの黒い二歳魚については、現時点ではうちの二歳魚のベスト1で、この体の太さで雄魚、尾も十分すぎるほど大きく、親骨の押さえが非常に良い魚で、早くも来年の産卵にも活躍させたい魚です。
 ちなみに褪色が始まっていて、鰭先の一部分が透明になってきています。
2012年7月7日(土)
太さとサイズ
 D(5/14孵化)のうちの1尾  I(5/24孵化)のうちの1尾  J(5/24孵化)のうちの1尾

 今日は一日曇り空でしたが、一日外出していたため、夕方の給餌は無しとなり、朝一回のみの給餌となりました。

 イトミミズでの飼育であれば、朝夕のみの給餌であっても、サイズアップや腹出し(太み)も簡単にできるのですが、タマミジンコやアユ餌による飼育となると、今日の写真のサイズの稚魚では、特に成長が緩慢で、なかなかサイズアップが難しいように感じています。

 このサイズの稚魚は、これ以降に腹が出てくると印象が一転するので、太さについては心配はしていませんが、できればこの状況は早く脱したいため、使い勝手の良いイトミミズが入手できないのはつらいところです。

2012年7月6日(金)
雨続き・・・、1鉢8尾
夕方の二重の虹と雷 雨の合間の換水

 今日の午後は激しい雨と雷でしたが、夕方にはおさまって、東の空には虹がかかっていました。

 この虹をよく見ると、その外側に薄らともう一つの虹がかかっていたので、撮影をしていると、雷が再び激しくなって、これも写すことができました。

 今週は梅雨らしい天気の雨続きで、換水が非常に難しく、この5日間では2日ほど丸鉢の換水ができない日がありましたが、それ以外は毎日の換水を続けています。

 
換水を重ねていても、鉢の中の尾数が多かったり、水が傷んだり、急に水質が変わることも度々なので、鰓が捲れたりする可能性も高いので、できるだけ早い選別で尾数を減らしています。

●モルタル丸鉢●
A:6尾
(5/10孵化)
@:6尾
(5/10孵化)
B:8尾
(5/14孵化)
B:8尾
(5/14孵化)
D:8尾
(5/14孵化)
C:8尾
(5/14孵化)
G:10尾
(5/20孵化)
E:8尾
(5/14孵化)
   
N:15尾
(6/11孵化)
  K:13尾
(5/31孵化)
   
M:17尾
(6/6孵化)
 
  J:10尾
(5/24孵化)
   ●プラ丸鉢●
L:7尾
(6/6孵化)
I:13尾
(5/24孵化)
F5尾
(5/17孵化)
  O10尾
(6/13孵化)

 換水と合わせて、今週も時々には選別を行って、さらに数を絞っています。

 

2012年7月1日(日)
1鉢10尾
@:8尾(5/10孵化) @(5/10孵化)のうちの1尾

 今日から7月です。もう7月という感じがしますが、稚魚も順調に成長しています。

 早朝は小雨の中で、いつもの通り丸鉢の換水を行った後、選別を進め、2鉢に分けて飼育していたC(5/14孵化)は思い切って数を減らし、1鉢にまとめて9尾としています。この空いた鉢によって、少し配置換えも行っておきました。

 ここまでの選別では、尾芯下げによるハネがほとんどで、うちの稚魚が早くから後ろが大きくなることが原因だと思われますが、その分良いものが残っている感じです。

 写真は@(5/10孵化)で、1鉢に8尾としています。丸手で尾の大きなものがほとんどの鉢で、これから体の太みを増してくると思いますが、右の1尾はこの中で一番期待している魚です。

●モルタル丸鉢●
A:8尾
(5/10孵化)
@:8尾
(5/10孵化)
B:10尾
(5/14孵化)
B:10尾
(5/14孵化)
D:9尾
(5/14孵化)
C:9尾
(5/14孵化)
G:12尾
(5/20孵化)
E:10尾
(5/14孵化)
   
N:19尾
(6/11孵化)
  K:22尾
(5/31孵化)
   
M:20尾
(6/6孵化)
 
  L:20尾
(6/6孵化)
   ●プラ丸鉢●
J:11尾
(5/24孵化)
I:14尾
(5/24孵化)
F8尾
(5/17孵化)
  O25尾
(6/13孵化)

 その他の鉢も同様に数を減らしていますが、昨年の日記と比較してみると、今年の稚魚の数は昨年とほとんど同じ数になっているようです。

 サイズに応じて1鉢の尾数を感覚的に決めて選別をしていますが、過去の日記を見返すと、毎年同じように選別が進んでいることが確認でき、日々の積み重ねの大切さも改めて感じさせます。

 魚のサイズと出来については、今年は若干成長が遅れ気味ながら出来は悪くない感じです。7月に入ってこの尾数で飼育すれば特に問題はなく、今年も例年並みに推移すると思います。

 その後は激しい雨になりながら、午後は一転して強い日差しとなり、プラ舟では水温が30℃まで上がっていました。

 また、先週行われた「トサキン保存会西日本支部」の研究会の様子を、「研究会活動報告」のページに記載しておきました。 

 

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