土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2012年5月31日(木)
後ろの広い稚魚
 @:50尾(5/10孵化)

 今日で5月も終わりとなりますが、前回産卵したKが3日半で孵化したので、どうにか5月中に孵化した稚魚で丸鉢は全て埋まることになりそうです。

 今朝の水温は波板を掛けない丸鉢で15℃と、そろそろ夜間の保温も必要なくなってきたので、明日からは自然任せの夜を過ごさせる予定です。

 さて、
今朝の選別では、100尾の@中から半数をハネて50尾としています。
 この鉢は尾が広く開きすぎて泳ぎにくいものも多い鉢でしたが、その反面後ろが広く大きいものも多く、泳ぎにくいものを中心にハネていくと、残したものは後ろが大きく、尾肩がしっかりした親骨の先には既に反転の兆しも見られる良い尾を見せています。

2012年5月30日(水)
続々と丸鉢へ
夏仕様の丸鉢の配置へ C:60尾(5/14孵化)
 D:60尾(5/14孵化)  E:50尾(5/14孵化)

 今日から越冬用のプラ舟を片付け丸鉢と交換して、当歳魚の丸鉢飼育を本格的に始めました。

 丸鉢の夏仕様配置への移行は、昨年に比べて2週間遅れとなりましたが、朝の丸鉢の水温は15℃を下回ることもなくなってきたので、安心して移すことができそうです。

 この丸鉢に移動させるため、この2日間は急ピッチで選別を進め、昨日の朝にBを220尾から60尾をハネて160尾として、2鉢に分けて1鉢80尾ずつにしています。

 また夕方には、Cも160尾から40尾をハネて120尾とし、2鉢に分けて1鉢60ずつにしています。両親の性質を受け継いで、やや親骨が硬い感じです。

 今朝は、Dを100尾から60尾に、また、Eを100尾から50尾にしています。

 夕方には、Fのパール鱗の遺伝子を持つ可能性がある稚魚を、1,000尾の中から、80尾を抜き出して、あとは流しておきました。

 また、孵化後10日目のHを初選別して、400尾から100尾に減らしています。

 丸鉢の水温は昼間には28℃まで上がっているので、終日板をかけて日陰を作っていますが、既に稚魚が丸鉢の縁に沿って回り始める姿も確認できました。

 稚魚の給餌については、時間の都合で朝夕の2回のみ、ブラインシュリンプとタマミジンコを併用しています。

●モルタル丸鉢●
A:50尾
(5/10孵化)
@:100尾
(5/10孵化)
B:80尾
(5/14孵化)
B:80尾
(5/14孵化)
C:60尾
(5/14孵化)
C:60尾
(5/14孵化)
E:50尾
(5/14孵化)
D:60尾
(5/14孵化)
   ●プラ丸鉢●
G:300尾
(5/20孵化)
F80尾
(5/17孵化)
C:100尾
(分譲用)
  H:100尾
(5/20孵化)

 なお、夜間には丸鉢の上に波板を載せて保温を行い、不意の低温に備えています。

 モルタル丸鉢よりプラ丸鉢の方が朝の水温が2℃程度高いので、サイズの小さなものはプラ丸鉢にしています。

 残りあと4個のモルタル丸鉢は40Lプラ舟を片付けるときに代わりに設置する予定です。

 今回の選別で、今年の稚魚の半分以上を選別したこととなり、忙しさの峠をようやく超えた感じです。

 ここまでの選別の感触は非常によく、稚魚の段階で丸手で尾の大きなものがほとんどで、後ろの大きな尾肩のしっかりした形質がはっきりと出ていて、うちの魚としての形質がかなり固まってきた感じです。

 丸鉢は、今後のピーク時には今年も16個をフル活用することになるかと思います。

 なお、丸鉢の配置替えによって、40Lプラ舟に余裕が生じたので、Iは40Lプラ舟で20℃加温の状態に戻し、Jも同様に40Lプラ舟2個に移して密度を下げておきました。

 (無加温)   40Lプラ舟■ (20℃加温)
J:800個
(5/24孵化)
J:800個
(5/24孵化)
I:800個
(5/24孵化)
     40Lプラ舟■ (20℃加温)
  K:500個 K:500個

 その他には、明日孵化が見込まれるKの卵は、2個の洗面器に産ませておいたので、こちらも2舟に分けて孵化させることとします。

 一方、二歳魚や三歳魚の配置も当然変わってくるのですが、二歳魚は80Lプラ舟に4尾ずつ。三歳魚は2尾ずつを基本に調整しています。

2012年5月28日(月)
集中する産卵
K:1,000個

 今朝は生暖かいような湿度の高い朝で、80Lプラ舟の水温も19℃で、5尾の雌が次々と卵をこぼす状態でした。

 このうちには、今年3回目の産卵となるものが2尾あったのと、採卵にかかる時間とスペースの都合で、これまでに一度も産卵していなかった写真の素赤の雌魚のみを採卵しています。

 この雌魚は去年の
Q(5/25孵化)から得た魚で、丸尾で針の強い尾を見せていて、皺がある雄魚と是非かけておきたいと思っていた魚です。

 腹が柔らかくなって丸々と太り、いかにも産卵直前の様子を見せながら、3週間近くも産卵がありませんでしたが、ようやく待ちに待った産卵となりました。

 量も多く、割と簡単に”するするっと”多量の黄色の濃い卵を出したので、2個の洗面器を用いて、合計で1,000個程度を採卵しています。

●モルタル丸鉢● 
    A:50尾
(5/10孵化)
@:100尾
(5/10孵化)
●プラ丸鉢●   
I:800個
(5/24孵化)
 
 J:1,600個
(5/24孵化)
 
40Lプラ舟■ 
   (無加温)    (20℃加温)    (無加温)
B:220尾
(5/14孵化)
  K:1,000個
  H:400尾
(5/20孵化)
  40Lプラ舟■ (20℃加温)
E:100尾
(5/14孵化)
  D:100尾
(5/14孵化)
  C:160尾
(5/14孵化)
 ■40Lプラ舟■ (無加温)  
G:300尾
(5/20孵化)
   F1,000尾
(5/17孵化)
   

 雄魚は今年大活躍の2歳魚で、今年産卵した6尾の雌のうち、5尾と掛け合わせたこととなります。

 精子の状態もまずまずで、薄く広がるタイプのものを人工授精の度に出す感じで、受精率も高そうでした。

 この時期なので、3日半で孵化する予定で、5月末日にぎりぎり食い込んで、どうにか5月生まれ(孵化)となりそうな感じです。

 この魚の孵化槽を確保するため、今朝はAの選別を行って、80から50尾とし、この稚魚も丸鉢に移しての飼育をスタートさせました。

 このAの稚魚については、尾筒の太い丸手タイプが目立ち、@ほどの親骨の角度が広くなく、かなり良い印象でした。

2012年5月27日(日)
トサキン保存会西日本支部研究会
 分譲稚魚21セットが並ぶ 支部長の分譲魚Aの兄弟魚達

 今日は一日中好天に恵まれた研究会日和の中、会員22名が集まり、トサキン保存会西日本支部の研究会を行いました。

 研究会では、稚魚の分譲も行って、支部長の選別済み稚魚(20〜50尾で1セット)が、21セット分譲されました。

 写真右のものは、研究会終了後に支部長の飼育場を見学して撮影したものですが、分譲に出した稚魚Aと同じ鉢にあって、手元に残しているものです。

 わずか5尾をすくっての撮影でしたが、写真の通り揃い良く泳ぎも上手な魚達で、丸鉢の中で既に回り始めていた魚達です。

 研究会の詳細については、後日改めて掲載の予定です。

2012年5月26日(土)
丸鉢へ
@:100尾(5/10孵化) 今日から@を丸鉢へ移動

 明日は「トサキン保存会西日本支部」の研究会で一日家を空けるので、これに備えて今日は朝から夕方まで選別にかかりっきりとなりました。

 写真の@は、先週の選別から6日目で2回目の選別となりました。1回目の選別で数を絞ってスペース的にも余裕ができた状態で、タマミジンコを豊富に食べた効果もあってか成長も早く、尾筒の太い稚魚に育っています。

 尾も大きく、親骨も弓型にしなった尾肩のある尾が多く、先週も感じた資質が順調に伸びてきているようです。

 親骨の張りが強いタイプなので、早めに丸鉢で泳がせた方が良いため、天候も比較的安定してきたので、今日から丸鉢に移動させることとしました。

 また、Dの稚魚の1回目の選別を行って、1,200尾から400尾に減らしています。

●モルタル丸鉢● 
     @:100尾
(5/10孵化)
●プラ丸鉢●   
I:800個
(5/24孵化)
 
 J:1,600個
(5/24孵化)
 
40Lプラ舟■ 
 (20℃加温)     (無加温)
B:220尾
(5/14孵化)
  A80尾
(5/10孵化)
  H:400尾
(5/20孵化)
  40Lプラ舟■ (20℃加温)
E:100尾
(5/14孵化)
  D:100尾
(5/14孵化)
  C:160尾
(5/14孵化)
 ■40Lプラ舟■ (無加温)  
G:300尾
(5/20孵化)
   F1,000尾
(5/17孵化)
   

 このDは、予想以上に出来が良く、大きく開きの良い尾で、数も多く残せたので、明日の研究会で頼まれていた方への分譲に300尾をまわして、100尾を手元に残すこととしました。

 また、洗面器を浮かべた中で飼育していた稚魚についても、限界の状態だったので、それぞれ広い容器に移しています。

 

2012年5月25日(金)
孵化と選別
40Lプラ舟■
 (20℃加温)     (無加温)
B:220尾
(5/14孵化)
  A80尾
(5/10孵化)
  @:150尾
(5/10孵化)
  40Lプラ舟■ (20℃加温)
E:100尾
(5/14孵化)
I:800個
(5/24孵化)
(浮かべた洗面器内)
  D:1,200尾
(5/14孵化)
  C:160尾
(5/14孵化)
 ■40Lプラ舟■ (無加温)  
G:300尾
(5/20孵化)
H:400尾
(5/20孵化)
(浮かべた洗面器内)
   F1,000尾
(5/17孵化)
   J:1000個
(5/24孵化)
(浮かべた洗面器内)

(80Lプラ舟

 昨日の夕方、IJの卵が3日半での孵化となりました。
 20℃加温のIより、親魚を飼育している80Lのプラ舟に洗面器のまま浮かべてあるJの方が少し早めの孵化となっています。

 また、今朝はEの稚魚を初めて選別し、280尾から100尾に減らしています。
 この稚魚は、フナ尾は全く見られず、尾の小さいものも極めて少なかったのですが、左右の尾の親骨の角度が異なっていて、泳ぎが不安定なものが多い状態でした。
 稚魚の総数が少ないため、最終的にどれくらい残るのか若干不安になる感じでした。

 また、1回目の選別を終えて数を減らしている稚魚は、日一日とサイズアップが進み、しっかりとしてきています。

 明日は限界を超えての過密状態となっているDの選別を行う予定です。

2012年5月23日(水)
選別続き
40Lプラ舟■
 (20℃加温)     (無加温)
B:220尾
(5/14孵化)
  A80尾
(5/10孵化)
  @:150尾
(5/10孵化)
  40Lプラ舟■ (20℃加温)
E:280尾
(5/14孵化)
I:800個
(浮かべた洗面器内)
  D:1,200尾
(5/14孵化)
  C:160尾
(5/14孵化)
 ■40Lプラ舟■ (無加温)  
G:300尾
(5/20孵化)
H:400尾
(5/20孵化)
(浮かべた洗面器内)
   F1,000尾
(5/17孵化)
   J:1000個
(浮かべた洗面器内)
(80Lプラ舟

 今朝はBが選別できるサイズになってきたので、孵化後8日目で1,100尾から880尾をハネて、220尾にしています。

 また、夕方にはCも選別して、800尾から160尾に減らしています。

 これまでは、40Lプラ舟に、1,000尾以上の針仔が入っているものが、いくつもある状態で、ブラインシュリンプの孵化が追い付かず全く足らない状態で、稚魚のサイズにも大小のバラつきが生じています。

 また、慢性的に餌不足の状態なので、空腹時は特に稚魚同士で尾を突きあっている姿が目立つのが課題です。

 そのため、できるだけ早く尾数を減らしたいところですが、なかなかその時間も取れず、気が焦る一方でしたが、今日は少し頑張って選別を行ったので、ようやく一息つけた感じになりました。

 今日の選別での稚魚の出来の評価については、どちらもいつものうちの魚の平均どころ、といった感想です。

 どちらも20℃加温のヒーターでここまで飼育しているので、前回選別した孵化後は無加温の稚魚に比べて、はるかにフナ尾や尾が開き切っていないものが少なく、ほとんどは尾の左右の親骨の角度違いでハネています。

2012年5月21日(月)
産卵ラッシュ
I:800個 J:1000個

 今朝は曇り空で暖かな朝となり、波板の下のプラ舟の水温は20℃となっていました。大潮も重なっている中、昨日はタマミジンコや選別時のハネの稚魚を給餌した他、都合6回も給餌したことも影響しているのか、4尾(2歳が2尾、3歳も2尾)が産卵する状態となりました。

 平日の朝で時間的な制約と孵化容器の制約の両方があったので、今朝は写真の2尾のみをそれぞれ1通りの掛け合せで採っただけとして、他は産むに任せて放置しておきました。(夕方には換水しています)

 Iの素赤の2歳雌魚は、5/7に1回目の産卵があったのですが、その折には既にほぼ全ての卵をこぼした後だったので、今回が初の採卵となっています。

 最近は前回の採卵時よりもかなり早起きになっているので、時間的にもかなり早い時間からの採卵となり、早朝の5時半から人工授精を行っています。

40Lプラ舟■
 (20℃加温)     (無加温)
B:1,100尾
(5/14孵化)
  A80尾
(5/10孵化)
  @:150尾
(5/10孵化)
  40Lプラ舟■ (20℃加温)
E:280尾
(5/14孵化)
I:800個
(浮かべた洗面器内)
  D:1,200尾
(5/14孵化)
  C:800尾
(5/14孵化)
 ■40Lプラ舟■ (無加温)  
G:300尾
(5/20孵化)
H:400尾
(5/20孵化)
(浮かべた洗面器内)
   F1,000尾
(5/17孵化)
   J:1000個
(浮かべた洗面器内)
(80Lプラ舟

 2歳雌魚の卵は、するすると多量に出て、掛け合わせた雄の精子も薄く広がる感じで良い状態でした。

 掛け合せは、ともに顔が良く、尾の大きなものを考慮して合わせて、ごく短時間での人工授精で800個を採っています。

 Jは、今年初めて用いる2歳雄魚のために、取りあえず採ったような感じですが、こちらの雌はさらに楽に大量の卵を出す中、掛け合わせた2歳雄魚も濃い状態の精子で軽く3回絞っただけで、1000個の卵を確保しています。


 ちなみにこの雄は昨年のHから唯一手元に残している魚で、親骨が柔らかく、返しの浅い「浅前」で、顔が悪く、尾芯も飛んでいる状態ですが、父親が全国大会で昨年二歳の部で優勝した魚なので、とりあえず残している魚です。

2012年5月20日(日)
初選別
@:150尾(5/10孵化) 洗面器の中E:280尾(5/14孵化)

 今年もまた忙しい選別の日々が始まり、@Aの稚魚を減らしています。

 @の稚魚の選別は、休日で十分に時間があったので、朝の2時間かけて、ハネを選り出す形での選別を行っています。

 選別では、1,200尾から1,050尾をハネて、150までに減らしました。
 @の稚魚は孵化後10日となりますが、産卵が続いたため、ヒーターの加温は孵化後は行っておらず、また、昨日はブラインシュリンプの孵化にアクシデントがあって丸一日餌も食べていない状態で、成長はやや遅れ気味ですが、どうにか選別できるほど尾が開いています。

 孵化後には13℃まで水温が下がった日があったためかフナ尾が多く見られ、尾が小さいものもいつもよりかなり多くありましたが、厳しい選別で残した150尾については、十分に尾が大きな良い資質の稚魚のようです。

 @の稚魚は、上の写真のように、尾の両側の親骨の角度が90°程度に開いているものを残しています。
 この時期であっても、親骨が長く、左右の尾の幅が広く、尾全体が大きいものほど良い魚になります。
 なお、尾芯の部分はこの時期にはまだ形成されないので、深い桜尾の状態に見えますが問題はありません。

40Lプラ舟■
 (20℃加温)     (無加温)
B:1,100尾
(5/14孵化)
  A80尾
(5/10孵化)
  @:150尾
(5/10孵化)
  40Lプラ舟■ (20℃加温)
E:280尾
(5/14孵化)
  D:1,200尾
(5/14孵化)
  C:800尾
(5/14孵化)
 ■40Lプラ舟■ (無加温)    
G:300尾
(5/20孵化)
H:400尾
(5/20孵化)
(洗面器内)
   F1,000尾
(5/17孵化)
   

 Aの稚魚は@の稚魚よりやや小さく、選別はまだ早い感じでしたが、こちらはかなり尾が小さく、あまり開いたものがいない状態だったので、残す魚を拾い出す形での選別としています。

 こちらは、600尾から80尾を選り出して520尾をハネて、@と同程度の割合で残しています。

 ここ数日の朝は16℃とやや低めの水温でしたが、月末にかけても比較的安定した天気が続くようです。

 選別に伴って、それぞれの飼育容器を確保する必要がありますが、加温の都合も考慮して、稚魚用の40Lプラ舟の配置を変えています。

 写真右は洗面器に浮かべてあった
E:280尾(5/14孵化)ですが、洗面器で孵化させた稚魚が、過去も比較的良い結果につながっていることから、今回も期待しているところです。
 今日はこのEをそのまま40Lプラ舟を追加して、移動させています。

 Fの稚魚には孵化後3日目となる今日からブラインシュリンプの給餌を始めています。

 また、今日の夕方に、GHの稚魚が3日半で孵化となっています。後者がやや孵化が遅く孵化率が低いのが気になるところです。

2012年5月17日(木)
二歳魚の二度目の産卵
G200個(3歳雄魚×2歳雌魚) H500個(3歳雄魚×2歳雌魚)

 今朝の水温は波板の下で18℃。昨夜は雨が降った様子もあって、産卵に向けての条件が比較的揃っている中、写真の二歳雌魚2尾が産卵となりました。

 偶然かもしれませんが、昨日久しぶりに多量のタマミジンコを与えたのも、今朝の産卵につながっているようです。

 今朝産卵した2尾は、どちらも今年2回目の産卵で、前回の産卵から1週間〜10日後での産卵となります。

 
Gの素赤の二歳雌魚は、前回も卵数が少なかった魚ですが、今回も同様に、朝30分の時間内に採卵できる数は400が精一杯の状態で、少しずつしか卵を出さない状態で、少し無理をして採卵した感じです。

 夕方に確認したところ、掛け合わせた三歳雄魚の精子の出もあまり良くなかったためか、受精率も低かったようです。

 一方、Hの赤勝ち更紗の二歳雌魚の方は、卵を一度に多く産む魚で、楽に500個が確保できていますが、こちらも掛け合わせた3歳雄魚の精子の出が悪く、か細く糸状に出る様子は上の雄魚とまったく同様で、夕方時点での受精率も低めとなっています。

 Fの卵は昨夜から孵化を始め、今朝の時点で概ね丸4日での孵化となっていますが、一部は夕方孵化するなど、かなり孵化時期のバラつきのある稚魚となっています。

 今朝の産卵で孵化容器が不足したため、急きょ1舟追加していますが、おかげでこのFは今日から無加温となっています。

 洗面器で孵化させたEは未だにその状態から脱却できず、浮かべた洗面器の中で稚魚が自由遊泳を始めた状態ですが、BCDEは今朝からブラインシュリンプの給餌を始め、タマミジンコとの同居を夕方から始めています。

40Lプラ舟■
 (20℃加温)     (無加温)
B:1,100尾
(5/14孵化)
E:280尾
(5/14孵化)

(洗面器内)
  A600尾
(5/10孵化)

  @:1200尾
(5/10孵化)
  40Lプラ舟■ (20℃加温)
G400個
H500個
  D:1,200尾
(5/14孵化)
  C:800尾
(5/14孵化)
  (無加温)         
 F1,000尾
(5/17孵化)
       


 

2012年5月15日(火)
ブラインシュリンプ給餌

 昨日から、10日に孵化した稚魚にブラインシュリンプの給餌を始めています。

 
@(5/10孵化)の稚魚は、A(5/10孵化)より半日孵化が早かったためか、水深の中間付近で浮遊しているものが多く、餌の食べ方も旺盛となっています。

 また、これらの稚魚のプラ舟には、昨日からタマミジンコを同居させています。
 タマミジンコには、食べ残しのブラインシュリンプによる水質悪化に備え、産み落とす仔虫を餌として供給する役を期待しています。

40Lプラ舟■
 (20℃加温)      (無加温)  
B:1,100尾
(5/14孵化)
E:280尾
(5/14孵化)

(洗面器内)
  A600尾
(5/10孵化)

  @:1200尾
(5/10孵化)
  40Lプラ舟■ (20℃加温)
F:1,000個   D:1,200尾
(5/14孵化)
  C:800尾
(5/14孵化)

 また、昨日の朝には5/10に産卵したBCが丸4日で孵化し、夕方にはDEが4日半かかって孵化しています。

 これらは全て20℃設定で加温してはいましたが、プラ舟によって日中の温度上昇の加減など、少し水温変化の様子が異なっていたようです。

2012年5月13日(日)
パール鱗を持つ品種固定へ
F1,000個(3歳雄魚×3歳雌魚) 孵化用の40Lプラ舟6個

 今朝は昨日に続いて波板の下のプラ舟の水温は15℃と少し冷え込みましたが、写真の3歳雌魚(両親:2010年のE同腹の兄弟魚)が産卵しました。

 この雌魚は、孵化後1か月の6月上旬頃から、鱗に真珠層が沈着する突然変異を見せていた魚で、当歳の夏(2010年8月10日の姿)には褪色を始めましたが、成長とともに鱗の変異があまり目立たなくなっている魚です。

 昨年の2歳時には産卵がありませんでしたが、子を採って突然変異形質の固定を試みるために手元に残していた魚なので、掛け合わせ相手の雄魚は、できるだけ近い血筋のものを選んでいます。

 掛け合わせた両親ともに、私のこれまでの雌魚の中でもかなり気に入っている白勝ち更紗と、欠点のない丸手で太みのある雄魚の2尾の血を、別々の交配の形でともに受け継いでいる魚となります。

40Lプラ舟■
 (20℃加温)      (無加温)  
B:1,200個
E:300個
(浮き洗面器内)
  A600尾
(5/10孵化)

  @:1200尾
(5/10孵化)
  40Lプラ舟■ (20℃加温)
F:1,000個   D:1,300個
  C:1,000個

 卵は非常に濃い黄色で状態も良く、掛け合わせた雄魚の精子も良く出ており、まだ数はいくらでも採れそうでしたが、孵化槽のスペース不足と、試験的な交配なので多くを得る必要が無いことから、1,000個でやめています。

 夕方に受精状況を確認してみると、卵は透明がかっており、受精率も9割程度はありそうでした。

 また、今年の産卵で最初に孵化した@:1,200尾(5/10孵化)とA:600尾(5/10孵化)の稚魚の方は、孵化後3日目の今日の午後になって、一部が自由遊泳を始めています。

 明日からはブラインシュリンプの孵化直後の幼生を与えることになるので、昨日から準備をしています。

2012年5月10日(木)
産卵第二波
B1,200個(2歳雄魚×3歳雌魚) C1,000個(3歳雄魚×3歳雌魚)
D1,200個(3歳雄魚×3歳雌魚) E300個(2歳雄魚×2歳雌魚)

 昨日の朝はプラ舟の水温が20℃を超えていましたが、今朝は再び下がって17℃と少し低めの中で、2尾の雌魚が産卵し、一気に充実した産卵数が確保できました。

 今朝産卵したうちの1尾は3歳雌魚(一昨年の@)だったので、2歳魚に比べて卵数も非常に多く、腹を押さえると黄色がかった卵を数珠繋ぎにいくらでも産みそうな感じでした。

 孵化槽のスペースと時間との都合もあったので、今朝はこの雌に3尾の雄をそれぞれ用いた採卵として、掛け合わせたごとに約1,000個ずつを採卵しています。

 
Bの掛け合せでは、雄魚は5/6にも用いた二歳魚で、精子は薄くやや力ない感じで量も少なかったのですが、どうにか採卵した感じです。

 Cは昨年(二歳時に)も同じ掛け合せで交配したペアとなります。(昨年はC
 この雄魚は広がりの良い多量の精子を出したので、本日の採卵では最も短時間での人工授精となりました。

 Dでは、四歳雄魚をかけていますが、実は親子掛けとなる交配で、三歳雌魚の父親をかけ戻した形です。
 これまであまり親子掛けをした経験がなかったので「試しに」という気持ちもありましたが、尾筒が詰まり気味の丸手の雌に対し、やや長手の尾筒の押さえの良い雄を掛けています。
 精子は濃いものが多量に出たので簡単に採卵できました。

 Eは二歳魚同士の交配で、雌魚は今年の二歳雌魚では一番期待している魚です。
 ただ、朝6時には既に多くを産み終えていたのか、やや白っぽい卵も混ざりながら、ごく少量が得られるのみでした。
 そのため、1時間ゆっくり時間をかけて採卵しましたが、結局300個で時間切れとなり、産卵を終了としています。

40Lプラ舟■
 (20℃加温)      (無加温)  
B:1,200個
E:300個
  A600尾
(5/10孵化)

  @:1200尾
(5/10孵化)
   40Lプラ舟■ (20℃加温)    
  D:1,300個
  C:1,000個

 また、今日は前回の産卵から丸4日目であり、@の卵が今朝の時点でちょうど4日間での孵化となっています。

 Aの孵化は少し遅れて本日の夕方となりました。今朝はほぼ孵化していない状態でしたが、夕方には4日半で孵化が終了していました。
 なぜ@より孵化が遅れたのか少々疑問ですが、日中の水温が西日が当たって高温となる@の方が孵化までの積算水温が高かったのではないかと思っています。

2012年5月7日(月)
時間切れで採卵できず
昨年のJ:5/11孵化

 今朝も波板の下の水温は16℃と条件が良く、写真の二歳雌魚が産卵行動をとっていました。

 ただ、採卵を試みても100個足らずの卵を得ただけだったため、採卵は中止し全て流しています。

 時間をかけることができれば数百程度の採卵は可能だったと思いますが、平日の朝で時間も無く、卵も白っぽかったことと、明日にも生みそうな他の2尾も確認できたので、今回は採卵を取りやめておきました。

@の卵:約1200個

 右下の写真は昨日採卵した卵の今朝の様子で、受精卵は透明になっているのが確認できます。
 受精率は9割程度とまずまずでした。

 
採卵は2枚の洗面器に分けて産ませ、軽くエアーレーションをかけて水を動かしている状態です。

 終日板で覆っているので、日中も23℃までしか上がらず、計画通りに進んでいるので3〜4日で孵化するかと思います。

2012年5月6日(日)
ようやく初産卵
@1200個(2歳雄魚×2歳雌魚) A600個(3歳雄魚×2歳雌魚)

 昨夜は小雨も降っていたようで湿度の高い暖かな朝、大潮で波板の下のプラ舟は水温20℃、これ以上無いほどの産卵に適した条件の中、一番柔らかな腹をしていた二歳雌魚(昨年のN)でようやく今年初産卵となりました。

 昨日に続いて今日も水温は27℃まで上がっているので、昨日のタマミジンコが急に効いたとは思えませんが、二歳雌魚のすさまじい食欲は産卵に備えての準備のようです。

 この二歳雌魚は、今朝7時半に屋上に上がると、他の魚が皆水面で餌を求めるのに反してプラ舟の角や壁面を突きながら産卵前の特有の行動を示したので、2尾の雄を準に用いて約3時間程度ゆっくりと時間をかけて採卵しました。

 
@の雄は一昨日にも掲載したばかりの魚で、昨年のFから残している太みのある丸手で顔が上品に尖り、尾筒の押さえがよく親骨の柔らかな所がこの掛け合せに最適ではないかとの思いで用いています。

 二歳雄魚ばかり3尾を混泳させたプラ舟に入れていますが十分に発情しており、スプレー状ではありませんが、都合10回以上用いても十分な精子を出しています。

 5月に採卵できそうな雌魚は現在4尾程度なので、今回の採卵は例年と比べると多めの1200個を採卵しています。

 卵は、40Lプラ舟に軽くエアーレーションをかけ、メチレンブルーを5滴入れ、板で覆って影にして、20℃でヒーターをセットしています。

 Aで用いた雄は三歳で、一昨年のAから唯一残している魚で、当歳時(写真は11/3の姿)には当歳魚研究会で優勝、支部大会では6位でしたが、二歳時に尾芯が飛んだため、これまで種魚として手元に残していた魚です。

 雄魚は、親骨が硬く尾筒が短めですが、渡りが広く、大きな尾と返しに優れており、昨年も良い仔を得ているので用いています。

 この雄は十分に追星を出していて、同居の四歳雄魚を追っていましたが、こちらも精子はスプレー状ではないものの、状態は良さそうで、約600個を人工授精で採卵しています。 

2012年5月5日(土)
タマミジンコの給餌を開始
 タマミジンコの屋外増殖を始めてまだ2週間も経っていませんが、ここ数日の好天で朝の水温は15℃程度を維持していて、220Lプラ舟では大量のタマミジンコが確保できるほどに増殖しています。

 雌魚の産卵もまだなので、刺激を与えるために、このタマミジンコを今日は2度給餌しています。

 今年のタマミジンコは、室内で維持していたものを種に増やしていますが、昨年までのものとは系統が異なるのか、親のサイズもやや小型で、大繁殖しても水面に渦を巻かないなど、性質も少し違ってきています。

 また、増殖の速度も早く、青水を浄化する能力が高い感じで、今日の夕方には青水がかなり透明な状態になっていて、長期の維持が難しそうな感じです。

 今日の給餌では、80Lプラ舟(二歳魚3尾)あたり、写真の量を朝と昼過ぎの2回給餌していますが、写真の量(親指の第一関節から先程度の塊)を10回すくってもまだ大量に掬えるほど増えているのが逆に心配です。

 稚魚への給餌のために増やしているタマミジンコですが、ここまで急な増殖が起こると突然の大量死にならないかが不安な状態です。 
2012年5月4日(金)
未褪色の二歳雄魚
昨年のF:5/8孵化  昨年のK:5/11孵化

 今年の二歳雄魚は3尾を残していますが、未褪色のものが3尾で、そのいずれも雄魚です。

 写真の2尾の両親はどちらも当歳時に褪色しているので、この夏に褪色することを期待しています。

 写真左の二歳雄魚は今年の産卵で特に期待している雄魚のうちの一尾で、先週は同居させていた雌魚を追い回して尾をぼろぼろにしていたため、今は雄魚のみのプラ舟に入れています。

 このプラ舟に同居させている未褪色の二歳雄魚は、腹部を押せば精子を出すようになっており、あとは雌魚の産卵を待つばかりのところです。

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