昨日の品評会で分譲魚を購入された方から、「これから寒くなる中、どんなことに注意が必要でしょうか?」とのお問い合わせのメールを頂きました。
分譲魚をお求めになった方、またそれ以外の方でも、他にも同様に不安に思っている方がいらっしゃるかもしれませんので、メールでの返信では無く、こちらでお返事を書かせていただければと思います。
なお、ご経験年数や飼育規模が不明でしたので、初心者向けの内容としています。的外れな回答となっていれば、お手数ですがその旨お知らせいただければ幸いです。
水温も低下してきましたが、これに合わせて日照が短くなってきています。まず気をつけねばならないことは、日々の給餌量ではないかと思います。
低温では活性も低下して体内の代謝も緩慢となって、餌をあまり欲しがらず、また食べても消化が悪い状態となってしまいます。可能であれば、水温が上がってから給餌を行うようにして、早朝や夕方の給餌は控えるように、また、時間の制約上、低温期に与えざるを得ない場合には量を減らしていく必要があると思います。
どちらにしても、日が短くなっていますので、出来れば午後3時くらいまでには餌は無くなる状況にしたいものです。
また、一日の温度変化が激しい時期となります。現在でも広島では早朝は10℃以下に冷え、日中も20℃までしか上がらない状態です。20℃付近は細菌(バクテリア)や糸状菌(カビ)が最も繁殖しやすい温度です。朝の冷え込み時に水温合わせが不十分な換水をしたり、低温の状態での給餌で消化不良を起こしたりしていると、病気を招きやすくなります。
低温になってくると、換水の頻度は低くなりますが、見た目で水の傷みが分かりにくくなっているので、つい換水が遅れがちとなることもしばしばかと思います。遅れがちの換水では、久しぶりの換水時に水質の急変を生じやすいので、傷みを感じなくても定期的で早めの換水が無難かと思います。
その他、越冬用の青水をそろそろ準備して次第に変えて行ったり、当歳魚はイトミミズから人工飼料に変える時期でもあります。飼育環境や管理の変わり目には、特に体調を崩しやすいので、魚の変化を見逃さないようによく注意して観察しておきたいものです。
なお、これらのことは特に土佐錦魚に限ったことでも無く、一般的な金魚の飼育書などにも書かれているような内容なので、あえてここで書いても・・・、とは思いましたが、それらも色々と読んで見るのも自身の飼育を見直す良いきっかけになるかと思います。
ちなみに写真は、昨日の分譲開始直前のものです。早い者勝ちだったので、お目当ての魚の前で、皆さん陣取られていたようですが、それほどの意気込みで来ていただいたことに、出品する方としても出す魚に責任を感じた瞬間でした。
皆さんの所で、それぞれ次世代に繋がる土佐錦魚をもたらしてくれれば、と思います。
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