土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2009年4月29日(水)
選別とプラ丸鉢

 左の写真は@の稚魚で、今朝初めての選別と換水を行いました。
 選別が少し早い感じもありましたが、ハネはほとんど見当たらず、フナ尾数匹と成長遅れや尾の小さすぎるものを簡単に100尾ハネる程度となりました。

 加温している40Lプラ舟には@を約500尾を残し、Aの250尾の稚魚はプラ丸鉢に分けて飼うことにしました。
 

 ここ数日は極端に寒い朝が続いており、昨日も丸鉢の朝の水温が6℃まで下がっていたため少し迷いましたが、無加温のプラ鉢への移動でも、出来るだけの保温に努めることで、後は明々後日から回復する予定の天候任せでも乗り切れるとの判断です。

 今回の保温方法は、モルタル丸鉢より一回り小さいプラ丸鉢を、すっぽりとモルタル丸鉢に入れ(下には水は張らない状態)、夜間は60cm径のFRP洗面器をふたに用いる形にしてみました。

 また、Bの卵はやや孵化が遅れて、産卵から5日目となる今日の朝、孵化が終了しました。数は800尾程度のような感じです。

2009年4月27日(月)
寒波

 今朝はさらに冷え込んで、波板があったプラ舟でも水温は10℃、(何も入れてはいませんが)丸鉢ではなんと5℃まで冷え込んでいました。

 写真は@の稚魚で、孵化後1週間目となりました。うちではまだ2腹の採卵なので、(スペース的にも)ヒーターで20℃に加温して管理できる範囲だったので、今回の寒波は何の不都合もありませんでしたが、丸鉢で無加温で飼っている場合には致命的な冷え込みとなっていたと思います。

 稚魚は、拡大した写真のように、尾が付いてきて判別できるサイズになってきています。
 明後日の休日に、ちょうど選別になる感じで、底にもゴミがたまってきて換水したい所だったので、良いタイミングとなりそうです。

2009年4月26日(日)
寒さ再び

 昨日から特に厳しい冷え込みで、波板の下のプラ舟でも朝の水温は13℃、波板が無いところでは10℃となっていました。
 また、今日も日中は16℃までしか上がらず、寒いほどの一日となりました。

 @Aの稚魚は、合わせて750尾程度もいるので、40Lプラ舟が狭くなってきていますが、まだ数日は冷え込みが続きそうなので、丸鉢への移動ももう少し後になりそうです。

 Bの卵も順調に発生が進み、こちらは28日孵化となる予定です。

 今日の写真の二歳雄魚は、第一回全国土佐錦魚品評大会の当歳魚の部で4位になった魚の兄弟魚で、尾の大きさもさることながら、返しが非常に大きくなってきて、非常に迫力のある魚で、今後を楽しみにしている魚です。
 尾に皺が入るので品評会魚ではありませんが、今年の産卵には活躍させる予定です。、

2009年4月25日(土)
「Tosakin wikipedia」・・・。研究会活動報告の記事を追加

 今朝の水温は15℃、夕方まで一日中小雨が降り続き、肌寒い日となりました。自由遊泳に入った稚魚は20℃設定でヒーターが入っているので、この寒さは無関係で、今日からは特にブラインシュリンプをしっかりと食べ始め、概ね尾が開き始めています。

 例年この時期は、このサイトへのアクセスが伸びてくる時期で、今年も先週の研究会前から、急にアクセスが増加しています。先日このサイトのトップページへのアクセス数の5位に見かけないアドレスがあったので、確認してみると、オンライン百科事典として有名な「Wikipedia」の英語版からのリンクが張られていました。
 日本語版「Wikipedia」の「トサキン」は3行しか記述が無いのに比べて、英語版「Wikipedia」の「Tosakin」は簡潔でありながらポイントを押さえて1ページにまとめられています。

 ちなみに、この英語版「Wikipedia」の「Tosakin」解説の一番下にあるリンク先には、「West Japan Tosakin Preservation Society」(日本語にすると「トサキン保存会西日本支部」)として、「土佐錦魚を創る」が唯一記載されています。
 ここからうちのサイトに飛んできた方がかなりいたのがアクセス数のランキングに影響したようです。

 「Google」や「Yahoo!」などの検索エンジンで「Tosakin Wikipedia」で検索すると出てきますが、当然英語なので、検索したページで各サイトのタイトル横の「このページを翻訳する」を試してみると、変な日本語ながら土佐錦魚の知識があれば概ね理解できる内容に翻訳されるので、興味がある方はご覧ください。

 また、今日は時間があったので、「トサキン保存会西日本支部」の「研究会活動報告」のページに先日の「二歳親魚分譲会」の記事を追加しておきました。

2009年4月24日(金)
大潮に合わせた産卵誘導
B四歳雄×二歳雌:約600

 ここ数日は、夜間がかなり冷え込むとの予報が出ていましたが、今日から3日間はせっかく大潮にあたるので、週末の休日に合わせ産卵を誘導してみようと思い、一昨日から昨日と、昨日から今日にかけての夜間は、プラ舟の上に波板を置き水温が下がらないようにしておきました。(今夜も同様に、波板をかけています)

 日中の水温は、昨日も一昨日も20℃以上に上がっていたため、今朝も水温はそれほど下がらず、波板の下のプラ舟は昨日同様15℃もありました。
 特に今朝は冷え込みが厳しかったので、波板が無ければ10℃を下まわり、当然産卵も無かったはずですが、まずは1腹の採卵が出来ました。

 今回採卵したBのペアは、雄魚は四歳、雌魚は二歳での掛け合わせとしておきました。


 また、今年最初に採卵した@Aの卵は、4日後の20日にはほぼ孵化が終わり、22日には自由遊泳出来るようになったので、ブラインシュリンプとタマミジンコを一部併用で与えています。

2009年4月23日(木)
黒いトサキン

 写真は、先日の研究会で撮影したO氏の黒いトサキンです。普通は褪色前の金魚は褐色ですが、この魚は黒出目金や黒ランチュウのような漆黒の体色を持つ突然変異個体だと考えられます。
 昨年の品評会に参考出品として一般公開された後、「金魚三昧」の紙面でも取り上げられ、今回の研究会でも色々と質問があったので、私なりにこの魚について解説をしてみたいと思います。

 普通鱗の金魚では、稚魚期の体色はいわゆる「フナ色」の明るい茶褐色で、表皮には「黒色のメラニン色素」と「黄色や赤色のカロチノイド系色素」が両方ある状態なのですが、人間の見た目にはこれらの色素が混ざり茶褐色のフナ色に見えます。

 その後に、一般的な金魚では黒色色素が消滅して黄色や赤色色素のみが残る「褪色現象」が起こって色変わりします(黄色や赤色色素も失われたところは白くなります)が、黒出目金などの黒色の魚では、@:「遺伝的な作用によって、褪色の起こる前に、逆に黒色色素が増加する」ため、見た目には「真っ黒い魚に変化する」こととなります。(ちなみに、こうなると魚体は真っ黒なので分かりませんが、褪色が起こっていない状態なので、黄色や赤の色素は存在し続けています)

 また、黒出目金や黒ランチュウのような真っ黒い魚では、死ぬまで黒いと思われがちですが、前述の黒色色素増加の遺伝的変異に加えて、A:「褪色が遅い形質へ選抜固定が進んでいる」だけなので、「数年飼っているうちに本来の褪色が始まって、普通の金魚同様に赤く色変りが起きる」ことはよくある話です。
 (ちなみに、この現象を商業的に品種として上手く応用したのが白黒模様で人気のパンダ蝶尾です。黒色色素が増加する変異に、褪色がゆっくりで時間がかかる形質、独特の褪色が進むパターン、褪色後に白色に変わる形質、この全てが上手く併せ持つよう選抜を重ねて、あのパンダ模様が作られました。しかし、黒から白へと褪色する途中段階がパンダ模様であるため、どうしても長くは維持できず、褪色が終わると最終的には白い魚になってしまいます。)

 次に、この黒色形質の遺伝的固定についてですが、松井佳一博士の試験結果からも、黒色は遺伝的に普通色に対して劣性なので、片親にこの黒いトサキンを使っても、子の世代(雑種第一代:F1)では黒い魚は全く出てこないこととなります。ただし、このF1には表面上は黒くなる形質が隠れているものもあるので、これらの兄弟掛けや黒いトサキンを再度親子掛けで戻し交配することで、孫の世代(雑種第二代:F2)では隠れていた形質が表面に出て、黒いトサキンが少し出てくることとなります。
 (ちなみに松井博士の実験では、F1は全て普通色になり、F1の兄弟掛けでF2を得た場合の黒色魚と普通色の割合は1:16、このF2に最初の黒い魚を戻し交配すると1:4になったそうです。このことから、体色の黒化については複数の遺伝子が関与していて、黒色の発現には劣性である遺伝子が複数関与していて、これらの劣性遺伝子がともに同型で揃った時に起こる現象と推察されています。

 仮に1つの遺伝子のみが黒色の発現に関与していると仮定して、メンデルの法則によって考えてみると、普通色の遺伝子「A」を持つ純系の魚では2個(一対)の遺伝子を持っているので遺伝子型は「AA」となり、黒色の遺伝子はその対立遺伝子の「a」が劣性ホモとなる状態なので遺伝子型では「aa」と表現されます。これらを掛け合わせ、雑種第一代(F1)を得ると、両親からそれぞれ1個ずつもらうので遺伝子型は何れも「Aa」となります。このF1の見た目(表現型)は優性の遺伝子「A」に支配されるので普通色です。
 次に、このF1同士を兄弟掛け(Aa×Aa)すると、雑種第二代(F2)で得られる遺伝子型は、「AA(普通色)」、「Aa(普通色)」、「aa(黒色)」の3通りが1:2:1の割合で生じることとなります。
 また、F1で得た魚にその親の黒い魚を戻し交配した場合(Aa×aa)には、「Aa(普通色)」と「aa(黒色)」が1:1で出てくることになります。

 「松井博士の試験結果」と「1つの遺伝子のみが黒色の発現に関与すると仮定した場合」では、上記のとおり結果が異なっています。松井博士の試験では黒から赤に褪色した魚を遺伝的に元々普通色であったと誤ってカウントした可能性もあるので、そこに誤差が生じたと考えるか、博士の仮説のとおり複数の遺伝子が関与しているかは判断しかねますが、どちらにしても黒色の魚の出現は2年目になり、兄弟掛けや親子掛けを行うえば3年目以降の黒色の発現率をかなり高めることも可能となります。
 上記のことから、土佐錦魚の様々な形質の中では、黒色の固定は(他の形質に比較すると)かなり現実味を帯びた、手の届きそうな目標と言えると思います。


 写真の魚に話を戻しますが、よく見るとこの魚も本来の褪色が始まってきたようで、腹部や尾の条間がオレンジ色に変わってきています。
 「黒出目金や黒ランチュウと同様な遺伝的変異であれば、この魚もいつまでも漆黒ではなく本来の褪色がいつかは始まるだろう」と予想していましたが、思ったよりも早く始まりました。
 個人的には、真っ黒の体色と褪色(色変り)後の素赤や更紗への変化の両方が楽しめる魅力的な品種としては、褪色が二歳時に起こる形質は歓迎すべきことだと感じます。
 なお、この魚は、普通は白目になる瞳(黒目)の周囲も黒く、腹まで真っ黒な魚だったので、今回の褪色によってどのように色が変わって行くのか、非常に楽しみなところです。

2009年4月19日(日)
分譲会大盛況!
分譲魚出品直後の様子

 今日は晴天に恵まれ、10時に開始した研究会では暑いような陽射しの中、会員をはじめ数多くの方が参加して熱気あふれる集まりで、土佐錦魚シーズンの開始を告げるにふさわしい研究会となりました。

 明け二歳を中心に、それぞれ1尾ずつが入った洗面器に分譲魚60尾が用意されましたが、千円〜2万円という破格の安値ながら、種魚として十分な特徴を見せる魚が揃い、参加者も各自に必要な形質の魚を選び出すのに苦労されていた感じです。

 会員以外の一般参加者募集については、数日前に日記や掲示板などで簡単にお知らせした程度でしたが、実際には期待以上の反響で、近畿や四国などから16名も集まっていただきました。
 これに会員15名を加えると合計で30名を超える参加者で、非常に賑やかな集まりとなりました。

分譲終了後の人工授精の実演

 分譲魚の方は、一般販売開始直後に、まさしく「あっ」という間にほぼ無くなって、最終的には2尾が残ったのみでほぼ完売状態となり、人気の高さに非常に驚かされました。
 ただ、せっかく遠方からも多くの方に来ていただきながら、午後1時の分譲開始後は、早い者勝ちで我先にと求められ、少し遅れて来られた方には、数少ない中から選ばざるを得ない状況となってしまったことが悔やまれます。
 良い魚が入手できなかった方に、あらためてお詫びいたします。大変申し訳ありませんでした。

 さて、その分譲会の後ですが、人工授精の実演、実際の飼育環境と管理方法の見学、ミジンコの採集などと、今回も盛り沢山な内容となりました。

 詳細については、後日掲載予定です。
 

2009年4月18日(土)
明日の分譲会に備えて

 日記と掲示板での「土佐錦魚分譲会一般参加のご案内」が直前になってしまい、参加予定の方々には申し訳ありませんでしたが、昨日会場の問い合わせをいただいていた方には、全て(深夜になってしまいましたが・・・)ご案内のメールを返信いたしましたのでご確認ください。

 今日は天気も良く、明日も晴天に恵まれそうで非常に楽しみに思いつつ、今朝も分譲魚の選定を行って、二歳魚は写真の4尾を出すこととしました。
 これらは何れも雄魚で、それぞれ欠点もありますが、大きな安定した尾を持っているので、持ち帰られた方にはぜひ種魚として使っていただきたい思いです。

両親C 両親B
両親L 両親F全国大会当歳4位の兄弟

 今回の二歳魚は、何れもトップページの魚の血を引く魚達で、孫や曾孫にあたります。
 左の写真の位置と同様に、右に各魚のアップを配置して掲載しています。

 両親Cは、(ちょうど尾を開いた瞬間の写真で、ほとんど分かりませんが・・・)尾芯に巻き込み癖があるものの、尾が大きく雄らしい体型の魚です。

 両親Bは、(これも写真では分かりにくいのですが・・・)口を伸ばすとねじれがありますが、尾が非常に安定していて、丸手の体型でよく泳ぐひょうきん者です。

 
両親L両親Fは、父親が同じ腹違いの兄弟です。特に後者は全国大会で4位となった魚と同腹の兄弟になります。

 また、今日は久しぶりに時間もあったので、「掛け合わせ事例と系図」のページに、昨年の交配の中から、いくつかの結果を選定して掲載しておきました。
 毎年、この作業を繰り返していると、少ずつ自分の環境と好みにあった掛け合わせのヒントのパーツが、次第に揃って来る感じがして楽しくなります。

2009年4月17日(金)
追加採卵と分譲魚選択
三歳雄魚

 今朝の水温は14℃でしたが、念のため昨日産卵した三歳雌魚の腹部を押して確認してみると、案の定卵をこぼしたので、昨日採卵数が少なかったAの同じペアで、追加の採卵を行っておきました。
 昨日の残りがわずかにあった程度だったので、今日の採卵数は100個程度でしたが、昨日のものと合わせると、どうにかなりそうな数まで、なんとか確保できた感じです。

 今日の採卵で使った左の三歳雄魚は、昨年の4月の分譲会で明け二歳魚で持ち帰ったもので、右下の四歳素赤の雌とかけ合わせて、去年の当歳魚研究会の4位の魚が得られた魚です。
 反転が魅力の魚ですが、次世代も得られたので分譲に出すこととしました。

三歳雌魚 三歳雌魚 四歳雌魚

 その他に分譲に出す予定の三〜四歳魚も、今日ついでに写真を撮ったので載せておきます。

 今年もうちでは雌魚が非常に多く残っているので、飼育設備に余裕があれば何れも残して今後を見たい魚達ですが、スペースの都合で分譲に出すことにしています。

2009年4月16日(木)
産卵
@二歳雄×三歳雌:約550個 A三歳雄×三歳雌:約120個
 今朝は昨日に続いて曇天の中、比較的暖かい朝となり、午前6時半の水温は昨日同様15℃でした。

 天気予報では、来週気温がかなり下がるとも伝えられており、うちの環境では、まだ産卵時期には若干早いように感じるので、雌雄は別のプラ舟に分けたままで飼育しています。
 ただ、尾数の都合で雌雄が同居しているプラ舟が1舟あり、そこで今朝、雄に追われて卵をこぼす雌があったので採卵しておきました。

 この雌(各写真右側)は三歳になりますが、口先から腹にかけてのラインがシャープで、昨年も産卵に期待していたのですが、結局産卵しなかったので、今年の産卵スタートとしては、まずまずといった感じです。

 掛け合わせた雄は、まず昨年のトサキン保存会西日本支部品評会の当歳優勝魚を使って、精子の出がやや少なかったので保険的な意味もあって数多く絞り@として約550個を採りました。

 次に顔はいまいちながら、袋の反転が素晴らしい三歳素赤で合わせたところ、雄は非常に多くの精子を勢いよく出す一方、雌の方が約120個で卵が無くなって、Aの方は残念ながらごく少量の採卵となってしまいました。 


 人工授精の後は、いつも通りメチレンブルーを少量加えて、ごく軽いエアーをかけ、ヒーターで20℃の加温、板で遮光して孵化を待っている状態です。

 また、今日は全てのプラ舟を、コケも再びかなり落として全換水しています。このところの高温続きで水の傷みが早く、うちでは長くとも3〜4日間隔で換水していますが、昨日からの曇天で貯水タンクの方が常時2℃程度水温が高く、人工授精や換水の折にも使いやすい状態です。

 4月に入っても日記が滞り、大変遅くなり申し訳ありませんでしたが、「土佐錦魚分譲会一般参加」について、昨日の日記に記載していますのでご覧ください。
2009年4月15日(水)
土佐錦魚分譲会一般参加のご案内

 トサキン保存会西日本支部の「二歳親魚分譲会」がいよいよ次の日曜日に迫ってきました。

 今回は新しい試みとして、午後は一般の方を対象にした分譲会を行います。これまでは、会員のみが対象でしたが、今回は会員以外の一般の方を対象に、支部長と会員が育てた魚を分譲魚として販売することとしています。

 詳しくは「掲示板」に記載していますので、興味がある方はそちらをご覧ください。

 ちなみに、うちからは、二歳魚、親魚をそれぞれ3尾程度持って行く予定です。 

「会員以外の方への土佐錦魚分譲会」
日時 2009年4月19日(日)13:30〜16:00
場所 小川支部長宅
 (広島県福山市:詳細はメールでお問い合わせください)
内容 二歳・親魚の分譲魚の販売(飼育状況の見学可)
注意 午前中は会員のみで研究会を行っていますので、
     開始時間に合わせてお越しください。
2009年4月12日(日)
ケンミジンコ

 昨日に続いて暖かい日となり、朝15℃の水温も午前中には22℃まで上がりましたが、昼からは雨となったので、予定していた換水は明日の夕方に延期です。

 昨日タマミジンコ用にセットし直した容器には、昨日までは以前採集してきたミジンコ(ダフニア)の給餌残りを入れていましたが、換水前に改めて見てみるとケンミジンコが何匹か見えたので撮影しておきました。

 左の写真は、右上がミジンコ(ダフニア)で、残りの2匹がケンミジンコ(左上:雄、下:雌)です。
 ケンミジンコは、体長1mm程度(右上の物差しは0.5mm刻みの目盛)の小型ながら、直線状の素早い動きで「ピュー、ピュッ、ピュッ」というような泳ぎが特徴ですが、金魚の餌としては適していません。
 他のミジンコとは異なり雑食性で、植物プランクトンの他にもミジンコの仔虫を食べ、ミジンコの体内に入って卵も食べたりすることも知られているので、ミジンコの自家培養を行う際には侵入に気を付ける必要があります。
 ちなみに、ミジンコの培養容器の他では、イトミミズのストックを続けていると、時折その容器の中に発生していることもあります。

 写真の2匹のケンミジンコはともに左下が頭部で左下に向かって泳ぎます。少し見えにくいのですが、頭からは水平に横に張り出した2個の長い触角を持ち、カブトエビに似た細く先が2つに分かれた尾を持っています。
 ミジンコと違って常に雌雄は別に存在し、雌には尾の両側に卵嚢が見られます。
 

2009年3月15日 2009年4月11日

 ここ数日の暖かさで、二歳や親魚には、昨日からようやく追星が見られるものが出てきました。また、昨日からは3歳雄魚に追尾を行うものも出てきて、やっと春を感じさせてくれるようです。

 右下の写真の二歳魚にも数日前から追星が出始めてきて、今日は少し追尾を行うそぶりも見られました。冬眠明けの3月には少しスリムだった体型も、この暖かさで餌をよく食べ、晩秋の頃の姿に戻ってきた感じです。

 なお、4月は色々と忙しく、今回は今日まで撮り貯めていた写真で、3日分の日記を一度に書いています。

2009年4月11日(土)
タマミジンコ発生、純粋培養開始

 今日は各地で7月並みの気温まで上がったとのニュースの通り、朝の水温は13℃でしたが、昼前には20度を超え、午後2時過ぎには25℃まで水温が上がる異常な暑さとなりました。

 この水温の上昇で、餌を欲しがる勢いは凄まじいほどで、1日4回の給餌で、各回にはいつもの1.5倍量程度を与えておきました。

 左の写真は、昨年もタマミジンコが自然発生した45cm径のプラ鉢で、今年も数日間水を抜いて干した後、10日程度での発生となりました。

 この中には、ダフニアやカイミジンコなども少し発生しているので、純粋培養のため10数匹をピックアップして、右の写真のように飼育水の古水を種水にプラ丸鉢にセットし、ごく少量のドライイーストも加えて増殖開始としておきました。

 ここまでの気温の推移を見ていると、今年のうちの産卵は、おそらく昨年と同様に4月下旬から5月上旬が本格的なスタートとなりそうなので、その頃までにタマミジンコの大量増殖の準備も合わせて行う予定です。

2009年4月6日(月)
足踏みしていた桜も開花

 3月中下旬は一気に春になったような気温の上昇でしたが、その後は2月並みに戻ったような低温が10日程度続くおかしな天気、それが昨日からは打って変わった暖かさで、日中も20℃に迫る勢いでした。

 おかげで、足止めだった桜の開花も進み、近所の桜は8分咲きまで先進んで見頃となっていました。

 ようやく日中の水温が15℃まで上がるようになりましたが、朝の水温は5℃程度とまだまだ冷めたく、当然ながら追い星が出ている雄魚もありません。

 朝の厳しい冷え込みが続く状態なので、今年の産卵は、まだまだ先になりそうですが、プラ舟の壁面や底面のコケをかなり落として、飼育環境もより春らしい管理にかえておきました。

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