土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2008年2月24日(日)
座談会

 今日は「トサキン保存会西日本支部」の今年最初の行事となる「座談会」が、支部長宅で会員12名が集まって行なわれました。
 また、光栄な事に大阪からの取材もあり、今年度のスタートは華やかなものとなりました。

 座談会ではまず、今から14年も前になる1994年以降のトサキン保存会の品評会入賞魚や当時の高知の品評会のビデオ映像をもとに、土佐錦魚の優れた形質とその変遷について解説がありました。
 当時の貴重な動画映像を見ることが出来、個人的にも非常に収穫の大きいものがありました。

 続いて、丸鉢に乗せる板の効果と使い方の注意や、丸鉢の形態の意義についての解説の他、より良い丸鉢とその作り方の実演など、盛りだくさんの内容でした。

 その後、時折小雪もちらつく天気で、気温は4℃と非常に寒い一日でしたが、今回もいつもの研究会と同様に金魚小屋に上がり、実際の冬越しの様子を見学しました。
 青水の舟や透明でコケの生えた舟など状態は様々ですが、どの舟でも痩せたり調子を崩したりすることも無く、足し水や換水を一度もすることなく、良い状態を保っていました。


 最後に冬ごもりから明ける際の注意点やその方法について解説があり会は幕を下ろしましたが、、11時から始まった会は夕方6時まで熱心に続き、途中では会員からの疑問や質問にも答えながらの、久しぶりの金魚談義にいよいよ春の訪れが待ち遠しく感じる楽しい会となりました。

2008年2月23日(土)
床直しで3/4換水
@換水前の状態 A付いているコケを一部残して調整
B古水を1/4戻して水温合わせ C水底で魚の影が見える濃さに
D撮影用に更水に移した明け三歳魚 E2/11にも紹介した雌魚

 今朝は風が強いながら、水温が10℃と高かったので、暖かかった午前中に床直しを行ないました。

 青水の状態は、@のように相変わらずの濃い状態でしたが、水を抜いてみるとプラ舟にはびっしりとコケが付いていました。
 コケを全て取ると青水が進みすぎるので、Aのようにコケを少し残しておきました。
 これから少しずつ水を薄めて春を迎えるためには、コケにも少しずつ働いてもらうつもりです。


 今回の換水では元の青水を1/4程度戻しています。Bの洗面器の水は古水で、これに舟の水を少しずつ加えながら30分程度の水合わせを行いました。
 Cは水合わせが終わった頃で、洗面器の青水が舟と同じように薄くなっったところで、洗面器ごと舟に戻して終了です。

 換水後には、これまで2ヶ月半もの間、しっかりと魚を見ていなかったのでついに誘惑に負け、あまり良いことではありませんが一舟だけ更水に上げてDの明け三歳3尾を撮影してみました。
 Eは2/11にも青水の中で撮影した魚ですが、ここまで良い魚になっていることに驚きでした。

 強風は午後も続きましたが、今度は一転して吹雪となり、気温も下がってきました。
 換水した舟には、そのまま波板をかけて冬囲いを継続していたので、特にあわてる事もありませんでしたが、この風は関東では春一番になったそうです。

 寒暖を繰り返しながら、少しずつシーズン再開で、明日はいよいよ「トサキン保存会西日本支部」も今年最初の行事、座談会を行ないます。

2008年2月22日(金)
松井佳一博士の金魚大鑑

 寒い日が続いていますが、今日は少し暖かく、水温は13℃まで上がっていました。
 来週からはまた寒くなるようですが、さすがにそろそろ一部換水をしてみようと感じさせる暖かさでした。

 さて、写真は先日入手した「金魚大鑑」で、緑書房から昭和47年に出版されていたものです。
 監修は松井佳一博士で、氏の金魚に関する執筆はこれまでに9冊を数えますが、これに続く集大成と評価の高い一冊で、先日もオークションには状態の悪い本ながら2万円を超える価格で落札されていたほどですが、十分にその価値を感じさせる内容でした。(ちなみにこの本は幸運にも3千円で入手しました)

 約60ページの写真と、本文が約100ページの構成です。写真ページは当時の品種や飼育設備を主体に紹介されています。
 本文には松井博士による「歴史」、「種類解説」、「遺伝」、「品評会」などの解説をはじめ、山崎節堂氏や宇野仁松氏によって「飼育や観賞、鑑識」についても色々と執筆がある他、その道の権威者が「形態」や「生理と生態」、「栄養と飼料」、「ランチュウ、地金、和蘭獅子頭、東錦、和金、琉金の見方」などがボリュームで書かれています。

 35年前の古い本となりますが、最近出版される本には無い専門的な事柄が多く記載されており、金魚の本格的な試験研究は昭和時代で止まってしまっていることを改めて感じてしまいました。


 土佐錦魚関連では、カラー写真で矢野・野中、近森氏等の育成された高知産の「親魚」、「二歳魚」、「当歳魚」の3尾と他「親魚1尾」が紹介されている他に、白黒写真ながら高知の飼育家の飼育状況が2枚記載されていて、非常に貴重な内容と感じました。

2008年2月14日(木)
今年の最低気温

 広島では今朝、この冬の最低気温を記録したそうです。丸鉢は氷が厚く張って、割れないか不安になるほどでした。
 写真のように表面が波打つように凍っていましたが、氷の厚さは数センチといったところでしょうか。

 プラ舟の覆いの波板もバリバリに凍りつき、水温は1℃まで下がっていました。
まだ4〜5日間は、最低気温が0℃以下の寒い朝が続く予報が出ています。

 あと10日後には、トサキン保存会西日本支部の今年初めの行事となる懇談会が迫っています。
 どのような話題が出るか今から楽しみです。

2008年2月13日(水)
冬真っ只中

 昨夜からの雪で、今朝のプラ舟や丸鉢は降り積もった雪の下、昼も気温は6℃までしか上がらず、冬真っ只中の感じです。

 暖かすぎた昨年の冬に比べると、平年並みの今年の寒さは、非常に厳しいように感じますが、この寒さを水の底の土佐錦魚も十分に感じてくれていることと思います。

 十分な寒さに合わせることで、雌雄の発情が揃って掛け合わせも自由になることが言われていますが、これは正にその通りだと感じています。

 昨年は暖冬で産卵が遅れ、掛け合わせに少し納得がいきませんでしたが、今年は計画通りになってくれればと思っています。

2008年2月11日(月)
近いようで遠い春、安定した水の中での越冬

 最近の朝は良く冷えていますが、天気が良いと昼は少し暖かく感じるようになっています。
 今日の広島は昼過ぎには12℃まで気温が上がり、3月上旬並みの気候とのことでしたが、波板をかけっぱなしにしているおかげで水温は7℃までしか上がらず、今日のような朝晩の気温変化が大きい日でも、一日の水温変化を小さく押さえているようです。


 今日は天気も良かったので、長い期間放任し続けている屋上のプラ舟の様子を見てみました。
 写真が波板を外してみた状態で、冬眠中もずっとエアーレーションを軽くかけたままなので、もう少し水が減っているかと思っていましたが、意外と減っておらず、色も十分な青さを保ったままでした。

 冬眠の妨げになるので、あまり良いことではありませんが、波板をはぐったついでに青水の底に手を入れてみました。

 冬眠中で底に沈んだままじっとしている魚を探り、何尾かを水面付近まで上げてみると、どれも問題なく冬眠している様子が確認できました。

 右上の写真2枚は、そのうちの一尾の写真です。
 白い洗面器をバックに写してみましたが、はっきりと撮れなかったため、黒い洗面器で再度写したもので、2枚とも同じ魚です。

 この魚は明け三歳の雌魚で、昨年の12月中旬から約二ヶ月の絶食中ですが、特に痩せた様子も無く状態も良さそうです。
 他の魚達も同様な状態で、このまま春まで無事冬眠を続けてくれそうな感じでした。

 明日以降は再びかなり寒くなる予報も出ています。うちでは無理に早く起こさず、このまま深い冬眠状態を続けて自然に産卵に繋げることとしています。

2008年2月7日(木)
小雪の下

 今朝は小雪が舞う天候で、寒い朝が続いています。道路には薄っすらと雪も積もり、丸鉢の上には氷が張って雪ものこる状態でした。

 プラ舟は波板の下なので、表面が凍る事さえほとんどありませんが、丸鉢の明け二歳達は、この厳しい環境に毎年耐えて平気に春を迎えるところを見ると、土佐錦魚の強さを感じます。


 丸鉢には2軍扱いの明け二歳が1鉢に2尾ずつ、計12尾が越冬中ですが、こちらの青水は雨も入り放題の全くの放任ですが、色はやや黄色っぽい感じで、寒い日には透明っぽさが少し増し、日が照ると青水に戻って行くことを繰り返して、自然に維持しています。

2008年2月6日(水)
DVD追加注文

 日記の方は、すっかりと滞ってしまっていて、気が付けばもう2月となっていますが、広島では平年並みの冬らしい寒い日が続いています。

 うちでは、相変わらずそのまま放任してある状態での越冬で特に世話も無く、時折確認するだけの日々となっています。

 会報の発送も終えて、ようやく一息ついたところでしたが、昨日は「金魚一道」さんから追加注文のあったDVDを送ったりと、土佐錦魚の世話は無くとも結構やることはなくならないものです。

 この時期のシーズンオフは、例年通り資料を集めては情報収集をしていますが、今年もいくつか書を求めて読み進めています。
 時間が取れれば、少しずつ紹介していくつもりです。

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