土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2006年5月31日(水)
良いものの抜き取り選別で少数精鋭?

 今日で5月も終わりです。今朝の水温は15℃、プラ舟はこの頃決まって17℃で、最低水温が比較的安定してきました。
 稚魚の給餌は早朝の1回のみ、ブラインシュリンプを少な目に与える日々が続いています。

 今朝の選別は、G
の中から良いものだけを抜き取る選別で60尾を残し、夕方にはE-1を、こちらも良いもののみを拾う選別で55尾を残して、全ての鉢をすっきりさせました。
 本来は100尾程度にすべきサイズですので、丸鉢の中でどれだけ泳ぐかが課題となります。そのため、少ない給餌で、競って食べ、空腹で泳ぎ回る時間が十分にとれるようにしているつもりですが、どうなる事でしょうか?
 今年は、朝1回の給餌に適した管理が確立できればと思っています。

 また、プラ丸鉢は非常に水が傷むスピードが速く、2日で白く濁るほどなので、Cの鉢は換水のみを行いました。どうやら、換水の遅れもあって、ガスが出て少し減ったようで、35尾になっていました。

●モルタル丸鉢の稚魚配置
G60尾 E-1:55尾 E-2:60尾 A-1:45尾 A-2:55尾
I:会分譲魚:50尾 @40尾 D40尾 J:O氏分譲魚:35尾 B50尾

●プラ丸鉢の稚魚配置
C:35尾 F:50尾
2006年5月30日(火)
今朝は13℃

 今日の朝は、再び水温が下がって、丸鉢は13℃しかありませんでした。それでも仕方なくブラインシュリンプを与えて出勤です。

 今朝
はJの分譲魚を35尾に選別し、夕方E-2を一気に60尾まで選別して減らしました。また、Gの鉢も水の傷みが限界でしたが、時間切れで明日の朝までお預けです。

●モルタル丸鉢の稚魚配置
G未選別(約300尾) E-1:未選別(約200尾) E-2:60尾 A-1:45尾 A-2:55尾
I:会分譲魚:50尾 @40尾 D40尾 J:O氏分譲魚:35尾 B50尾
2006年5月29日(月)
今日は4鉢を選別と換水

 今朝の丸鉢の水温は16℃。プラ舟は17℃でした。晴れ時々曇の天気で、あまり水温は上がりませんでしたが、夕方確認してみると、久しぶりの陽射しに稚魚も少し動きが良くなっているようです。

 今朝はそろそろイトミミズを与え始めても良いサイズになってきたのですが、未だ入手できておらず、ミジンコも底をついて来たので、ブラインシュリンプを与える事となりました。少な目に与える事が良い動きに繋がっているようです。

 また、今朝はDの鉢とBの鉢を
、夕方にはA-1とC、それぞれ全換水して、合わせて軽く選別をして、少し数を減らしています。この時期の選別は、左右の非対称と尾の角度、尾芯のつまみや体のゆがみを見ていますが、泳ぎを見ればバランスの狂っているものは容易に見分けられるようです。

●モルタル丸鉢の稚魚配置
G未選別(約300尾) E-1:未選別(約200尾) E-2:未選別(約200尾) A-1:45尾 A-2:55尾
I:会分譲魚:50尾 @40尾 D40尾 J:O氏分譲魚:50尾 B50尾

●プラ丸鉢の稚魚配置
C:40尾 F:50尾
2006年5月28日(日)
雨の間の親の換水

 今朝も小雨が降ったり止んだり、水温は15℃でしたが、連日の雨続きで換水が遅れていたため、親の舟には白い小さな泡が端に浮くほど水の傷んだ舟もあり、今日はがまんできず全換水を行いました。

 稚魚の鉢も
Eが少し大きくなってきたので、初選別のつもりで掬い上げましたが、少し早かったようで、そのまま場所を変えて返し、換水だけにしておきました。

 また、会の分譲魚Iをきつめに選別して、50尾まで減らしています。

●モルタル丸鉢の稚魚配置
G未選別(約300尾) E-1:未選別(約200尾) E-2:未選別(約200尾) A-1:55尾 A-2:55尾
I:会分譲魚:50尾 @40尾 D50尾 J:O氏分譲魚:50尾 B60尾
2006年5月27日(土)
選別の一日

 今日は小雨の合間を縫って、選別を行いました。水温は昨日同様、早朝14℃、日中17℃でした。
 
 写真は、うちの稚魚の中で最も大きい5/1孵化の稚魚@で、もうすぐ4週目です。これを昨日の選別もれを少しハネて、40尾/鉢としました。

 その他にも、5/5前後に孵化した3週目の稚魚を、50〜55尾/鉢に選別しておきました。

 また、5/15前後に孵化した2番仔の稚魚の中から、成長の早いFを、1回目の選別で良いものを抜き取る方法で、一気に50尾まで減らして、プラ丸鉢に移動させました。

 LとKの稚魚は、昨日夕方から孵化が始まり、今朝には全て孵化していました。飼育施設の限界から、この稚魚達は、しばらく40Lのプラ舟で、飼育するしかなさそうです。

●モルタル丸鉢の稚魚配置
G未選別(約300尾) I:会分譲魚(100尾) E-1:未選別(約200尾) A-1:55尾 A-2:55尾
E-2:未選別(約200尾) @40尾 D50尾 J:O氏分譲魚:50尾 B60尾

●プラ丸鉢の稚魚配置
C:50尾 F:50尾

●40Lプラ舟の稚魚配置
L針仔(約500尾) K針仔(約600尾)
2006年5月26日(金)
稚魚の行き場が・・・無い。

 今朝はプラ舟は17℃でしたが、丸鉢は14℃と低めで、曇天と小雨で一日中水温は上がらず、稚魚はあまり泳いでいない様子で、夕方でも丸鉢は17℃でした。
 今朝は1鉢だけ選別と換水を行い、@
を20尾ハネて45尾としています。

 5/23に採卵したKLは、3日半と短い期間で、夕方には孵化が始まっていました。少し早すぎるのが心配なところです。すでに移せる丸鉢も無く困っていますが、出来るだけ多くの掛け合わせで、それぞれの結果を比較したいと欲張っているので、この2つは何とかしたいところです。

 また、ついでに一応採っていたおまけAおまけBは、百円ショップの透明な小型のボールに産ませていたためか、卵が全て死んでいました。
 昨年もこの容器に産ませた卵は同様に白濁して死滅していたので、何か有害な物質でも出ているのかもしれません。 なお、「おまけ@」の孵化直前となっていた卵は、このペアでの卵を望まれていた近くの会員の方に引き取ってもらって、プラ丸鉢を一つ空けて、少しばかり気が楽になりました。

2006年5月25日(木)
流した稚魚

 今朝の丸鉢は12℃まで下がり、プラ舟でも14℃でした。

 寒い朝が続くと稚魚も成長が鈍りますが、今日も2鉢換水しつつ選別しようと、洗面器に稚魚を掬い上げてみると、Hの鉢は左の写真のように沈んで曲がっている稚魚が異常に多く、正常に自由遊泳しているものが50尾程度で、フナ尾も目立つことから、全てを流す事としました。

 また、右の写真は、Eの鉢ですが、洗面器に上げてみると思いのほか多く、さすがにこれを1鉢では飼う事は出来ないので、こちらも1/3を無作為に処分して、残った400尾を半分にして、Hの入っていた鉢に分けて200尾ずつ入れました。

2006年5月24日(水)
ミジンコの増殖は・・・

 今朝の丸鉢は14℃、プラ舟は18℃でした。明日はさらに-1℃となる予報も出ていて、稚魚の限界は13℃とも言われますので、早朝の給餌が一層困難になりそうです。

 稚魚の餌は、先日採集してきたミジンコですが、少しでも長持ちさせようと思って、140Lのプラ舟に入れています。
 この水は換水時の古水ですが、ハイポネックスを入れて青水化を少しでもはかって、餌となる植物プランクトンを増やす様にしてみましたが、写真の通り1日後には完全に透明になっており、この容量に適した数になるまでは、安定しそうにありませんが・・・。
 ミジンコの増殖には、鶏糞を使ったりする方法もありますが、今回はこの方法でやってみようと思います。

G未選別(約300尾) I:会分譲魚(100尾) E:未選別(約500尾) A-1:70尾 A-2:60尾
H未選別(約200尾) @65尾 D60尾 J:O氏分譲魚:50尾 B80尾

 今朝と夕方は各1鉢ずつ、約15分ずつで選別を行いました。
 今回は、A-2:100尾→60尾、B:100尾→80尾に選別しています。

2006年5月23日(火)
産卵が・・・
 今朝は小雨の中、水温は18℃でした。週末からの大潮に向かって潮も良くなって来るので、よく見てみると、産みたそうにしている魚が多くあり、腹を押してみると、3歳の雌は3尾全てが卵をこぼしており、その他にも2歳が3尾卵をこぼす大変な朝となりました。
 これ以上産ませたくないので、雌雄は何れの舟も隔離していますが、雄の方も全ての舟で、最近は常に追いかけあっている状態です。
 雄はいくつか取り上げて腹を押してみると、どれも十分に精子を出す発情状態でした。

 既に丸鉢は全て埋まり、予備のプラ丸鉢にも稚魚が入っている状態で、これ以上は産卵はスペースと管理の都合で不可能なのですが、以下のK、Lのペアで一応採ってみました。
 なお、ついでにおまけで、いくつか採ってみました。おまけ@は、以前採ったAの同一ペアでの2番仔です。おまけAはどちらも丸手ですが、押さえの良い親骨の魚と板前の魚の組み合わせ、おまけBは更紗どうしのペアになってしまいますが、体形や尾型が異なるのでどうかと思ってあわせました。
 ちなみに雌は、おまけAは1番仔ですが、Lとおまけ@とおまけBは2番仔、Kは3番仔です。
 設備の限界から、これらのおまけの稚魚は、育てきるまでには大きく出来ないと思いますが・・・。とりあえず、ヒーターは無しでプラ丸鉢で孵化させています。 

 以下の3尾の雌の他にも3尾が産みましたが、2軍以下の予備の魚ですので、卵はこぼすまま放っておきました。夕方には腹を押しても卵は出ない状態になっていたので、同居している魚と一緒に食べたのだと思います。

 夕方は、このためもあって、水がひどく傷んできたので、全ての舟を全換水しておきました。

 今年は本当にいくらでも卵が取れる年となりましたが、もう一尾採りたい4歳の更紗の雌だけが未だに兆しが無いのが残念です。
K:受精卵(約1000個) L:受精卵(約1000個) おまけ@:受精卵(約1000個) おまけA:受精卵(約200個) おまけB:受精卵(約200個)

2006年5月22日(月)
昨日の研究会について、まとめました。
G未選別(約300尾) I:会分譲魚(100尾) E:未選別(約500尾) A-1:70尾 A-2:100尾
H未選別(約200尾) @65尾 D60尾 J:O氏分譲魚:50尾 B100尾

 今日は、朝から水温もそこそこで15〜16℃でしたが、日中は28℃まで上がりました。昨日の研究会で分譲して頂いた稚魚には、同じく研究会で採集したタマミジンコを与えて、1日で1回り大きくなったように感じるほどの成長でした。

 分譲稚魚は、今朝早速選別を行い、会で分譲して頂いたものは1鉢100尾に、O氏からの分譲魚は1鉢50尾にして、スタートとしました。これにあわせて、今のところ、行き場を失ったCの70尾をプラ丸鉢に移し、Fの稚魚は40L舟のままとしています。

 昨日の研究会については、「トサキン保存会西日本支部」のページの「研究会活動報告」のページに、詳細を掲載しましたので、ご覧下さい。

2006年5月21日(日)
研究会は無事終了です。

 今日はトサキン保存会西日本支部の第2回研究会ですので、日曜でしたが、いつも通り朝5時過ぎに起きました。水温は丸鉢で13〜14℃、プラ舟で17℃と、少し肌寒い朝でした。

 稚魚にブラインシュリンプを与えたりと、一連の世話をして、今日持ち帰る分譲稚魚を入れる鉢の準備や、光栄な事に、ある方に求められて、うちから初めて稚魚を分譲する事になったAの稚魚を輸送用に準備したりで、あわただしく出かけました。

 研究会の詳細については、後日まとめて掲載予定ですが、夕方5時半を過ぎても色々と話しは尽きず、非常に充実した1日となりました。


 右の写真は、持ち帰った分譲魚の兄弟達を会場で撮影したものです。

2006年5月20日(土)
やっと5月下旬らしい天気

 今朝は20℃の水温で、昼には28℃まで上がりました。今日は合計4時間あまりの選別の日となりました。
 右の写真は@の鉢の稚魚で、最も早く産卵して5/1に孵化したものです。孵化後に天候があまり良くなかったため、少し小ぶりですが、厳しい選別で半数をハネたので、すぐに大きさは追いつくと思います。

 また、他の舟も同様に、何れも厳しい選別で下の写真の通り、選別後にはそれぞれ半数以下としています。今回の選別は何れも孵化後3週間足らずですが、鉢(親)によって稚魚の形質に明らかな違いがありました。

 総じて、Bは尾が大きく揃いが良く、Dは長手で尾肩が流し気味、@は尾筒が太く、尾肩が弓なり、Cは特徴なし、Aは良いものと悪いものと色々と形質がばらつくように感じました。
 このサイズでもすでに親の形質を既に表し始めているようで、親の選択の重要性を改めて痛感しました。


 それから、どうも先日来の雨で、Hの稚魚が流されて減っているようです。

 さて、明日はトサキン保存会西日本支部の第2回研究会です。稚魚の分譲に加えて、掛け合わせの際の留意点や、産卵を促すポイント、稚魚の選別やなどの説明など盛り沢山です。
 支部長の話では、ミジンコが多く採れているそうですので、参加者には稚魚用にミジンコの分譲もあるかもしれません。うちでもミジンコを増やしたいと常々考えていたので、種ミジンコを持ち帰れるよう、今日換水した丸鉢の古水を入れた140Lのプラ舟を準備しておきました。

G:未選別(約500尾) F:未選別(約500尾) E:未選別(約800尾) A-1:70尾 A-2:100尾
H:未選別(約200尾) @:65尾 D:60尾 C:70尾 B:100尾
2006年5月19日(金)
じめじめの一日

 霧雨の朝、水温は17℃でした。これ位の水温が継続してあると助かるのですが・・・。
 さて、今日は変な天気で、日中は薄曇で20℃まで上がっていましたが、夕方から再び降り始め、夜には豪雨となりました。自由遊泳に入ったばかりの丸鉢だけは、稚魚が流されるので、あわてて波板をかけましたが、他は雨が入り放題です。


 最近は雨が降り続く中、給餌も続けてきたので舟の水もかなり傷んできたものがありました。今日は夕方に、ついでに全ての舟を全換水しておきました。
 特に水の傷んだ2舟には、鱗がかゆいのか、自ら壁などに体を擦り付けて、鱗を剥いでいるものがありました。稚魚ばかりではなく親にも目を配っておかなければと、気を引き締めた一日です。

2006年5月18日(木)
梅雨のような天気が続きます

 昨日に続いて今朝も雨、水温は3日続いて15℃でした。日中は昨日は17℃、今日は20℃までは何とか上がりましたが、全く梅雨に入ったような天気です。

 稚魚にはブラインシュリンプを朝1回のみ与えていますが、雨天でも構わず与えているので、なんとかここまでのサイズになって来ました。
 本来はこの辺りで100程度に減らしたいところですが、僅かな管理時間を雨に邪魔されて、なかなか選別が出来ない状態です。
 稚魚も成長して、相対的に入り数が多くなって水の傷みも進んできたので、今日は特に傷みの激しい2鉢を夕方に全換水しておきました。

 写真は5/13に紹介したAの鉢で、孵化後16日目になります。洗面器に掬うとぐるぐると泳ぎ始めるまでに成長しています。まだ1回しか選別をしていないので、今日掬い上げた際に選別をしたいところでしたが、数尾をハネた所で時間切れとなりました。
 丸鉢はすべて埋まっているので広げる事も出来ず、この鉢にはまだ200尾程度が入っています・・・。

2006年5月16日(火)
丸鉢の保温

 今朝は雨で、水温は15℃。昨夜も写真のように、波板をかけてその上にプラ丸鉢や大きなFRP洗面器を伏せて乗せ、保温しました。
 今日は丸鉢に新たに稚魚を移動させたりもして、10鉢中9鉢が稚魚で埋まってしまいました。
 夕方には17℃の水温でしたが、早朝には底で小刻みにしか動きが無かった稚魚も、やっと普通の泳ぎが見られるようになってきましたので一安心です。

 夜間が雨天時の保温(波板やプラ丸鉢)の有無は、水温にほとんど影響は無いのですが、晴天時には2〜3℃違いが見られます。
 
 広島では明日朝も14℃の気温となる予報が出ていますが、稚魚は少しずつ低温に対する抵抗力も強まっているようですので、そろそろ大丈夫のようです。

 これからは暖かくなる一方である事を願わずにはおれませんが、明日の朝さえ過ぎれば温度も上がって、良い状態になりそうです。

2006年5月15日(月)
冷たい朝

 今朝も冷えて、昨日同様に水温は12℃でした。稚魚の動きは悪く餌を与えたくない状態でしたが、仕方なく早朝6時前にブラインシュリンプを与えて出勤です。

 昼はそれなりに水温は上がったようですが、それでも17℃まででした。そんな状態でも、稚魚は毎日ほんの少しずつ大きくなっているようです。 

 親の舟では、食欲は衰えておらず、朝の低温時にも普通に食べるため、汚れも進んでいるので、今日は全換えしておきました。

2006年5月14日(日)
寒い朝が続きます。 いよいよ第2回研究会まであと1週間です。  

 今朝も寒い朝で、丸鉢の水温は12℃で、餌の分量を考えてしまうほど、動きの悪い稚魚に困ってしまいます。
 かといって明日は早朝にブラインシュリンプを与えて出勤するしかないので、今朝も早くからブラインシュリンプをセットせねばならず、孵化用の装置も数と容量に余裕が無いことから、無理やりに早朝の給餌となっています。
 一部は分離後のシュリンプを別の容器に移して、午後与えるつもりで用意していましたが、なぜか今年は丸鉢のブラインシュリンプの生存時間が非常に長く、半日経っても元気に泳いでいるので、追加の給餌は無しで間に合っています。

 稚魚の食いが悪い事もその原因なのですが・・・。そんな中、少しずつですが、稚魚は大きくなっています。

 さて、トサキン保存会西日本支部の第2回研究会が、来週の日曜日:21日に行われます。今回は12時からに開始時間が変更になりますので、会員の方は注意してお越し下さい。(昼食は会の方で準備しておきます)
 また、稚魚の選別方法や、掛け合わせの際の注意点などの解説もありますので、参加者は是非ビデオカメラやデジカメなどで、撮影される事をお勧めします。
 私自身も、昨年の人工授精の実演をビデオに撮っていますが、これが後で非常に役に立っています。人間の記憶力はあてにならないもので、私も昨日の日記のように、画像で覚えておくようにしなければ、どの鉢に何を入れているのかも、時々わからなくなってしまう程です。
 日頃から、できるだけメモや画像で記録を残すようにしたいものです。

2006年5月13日(土)
丸鉢の配置と第1回選別の結果

 今朝は雨。水温は15℃で、波板の有無による水温差は無く、予報が的中の温度でした。昼過ぎには霧雨になったため、稚魚の選別を進めています。

 現在の丸鉢に入っている稚魚(卵)の配置は、以下の通りです。○印の数字は人工授精の順にふっているので、ばらついた配置となっています。
 写真の左が雄親、右が雌親です。左上の3鉢(G、F、E)はまだ空きですが、ここに入る予定の稚魚は、夕方現在、20℃に加温しているプラ舟で孵化寸前になっています


 A、B、Cの稚魚は、一昨日の写真の稚魚程度のサイズになっています。なお、ヒーターで孵化させて広々飼っている@、Dは若干大きくなっています。
 今回の第一回の選別では、@、A、Dは2割がハネ、Bは6割がハネ、Cは歩留まりが最も悪そうだったので、良いものを拾う選別に初挑戦して、結果的に8割がハネとなっています。
 温度を20℃で一定にして孵化させた@、A、Dが最も成績が良を実証できた形で、逆に最初から丸鉢の自然温度で孵化させたCは、やはり最も成績が悪いようです。

G:卵(孵化見込600尾) F:卵(孵化見込600尾) E:卵(孵化見込1000尾) A-1:200尾 A-2:200尾
H:卵(孵化見込500尾) @:120尾 D:100尾 C:120尾 B:200尾
2006年5月12日(金)
急な低温

 今朝は非常に冷えて、丸鉢は10℃まで下がっていました。予報では15℃でしたので何とかなると思っていましたが、朝確認した時には冷や汗ものでした。

 丸鉢の稚魚は何とか耐えている様子でしたが、まだ鱗も生えておらず、孵化後1週間を過ぎたばかりですので、危険な状況でした。
 幸い何とか乗り切ったようで、夕方には17℃まで水温も上がり、うす暗い中でよくは見えませんでしたが、普通に泳いでいるようでした。
 ただ、プラ丸鉢へ入れて放任する予定の「一応採っただけ」の混合卵は、白濁しており、低温で死滅したようでした。

 広島では明日の朝も15℃の予報が出ているので、今日は厳重に波板をトンネル上に覆って明日を迎えます。
 このような低い気温が1週間も続く予報
ですので、心配が続きます。

2006年5月11日(木)
初選別

 今朝も比較的暖かく水温は17℃、日中は27℃まで上がっていました。親の舟はかなり傷みが見られるので、夕方全ての舟を全換水しました。

 今朝も産卵ラッシュでした。雄は全ての雄が十分に使える状態で、雌も一番採りたい4歳の1尾を除いて、他は全て腹を押せば卵を出す状態で、いくらでも採れる感じでしたが、すでに十分に狙った掛け合わせで採れており、数も多すぎるほどあるので、みな卵を搾って捨てました。

 ただ、余裕があれば結果を見てみたかったものを、3腹分だけは人工授精しておきました。
 これは、一応採ってみただけですので、全ての卵を混ぜてプラ丸鉢に入れて放任する事にしています。これらは、そのうち消える事になりそうです。

 さて、稚魚の方ですが、初めに孵化したものが、孵化後10日目になるので、初選別を行いました。
 今回はフナ尾を中心に、尾が小さ過ぎるもの、左右非対称なもの、親骨の角度が狭すぎて所謂すぼ尾になっているものをハネました。写真は選別後に残したものです。
 ヒーターで20℃にしていた舟で孵化させて、その後もそのまま育てたものと、初めから丸鉢で孵化させたものでは1回り大きさが違い、自然の温度任せのものは、フナ尾をハネる事しか出来ませんでした。

 ただ、どちらも非常に成績が良く、ハネたものは全体の1割程度に留まりました。選別後は丸鉢1鉢に約500尾にしてスタートです。

 これで、6鉢が稚魚で埋まり、卵があと4腹分孵化を待っている状態で、丸鉢も早々に全て埋まりそうです。

2006年5月10日(水)
2番仔の採卵

 今朝は雨、しかし水温は20℃もありました。潮は中潮ですが、大潮を明後日に控えており、この所の20℃前後の暖かい朝の水温が産卵を促しているのでは・・・?と思って、雌の腹を押してみると、案の定、容易に卵をこぼすので、雨の中での採卵となりました。

 雌雄を別々に飼っていますが、今回は雌雄の発情がピッタリで、ともに十分な精子と卵を得る事ができました。
 先日から雄は、雄同士でプラ舟の角に激しく追い込みあう事を繰り返し、雌も今朝はしきりに壁面を突く様子が見られていて、やはり、このようなタイミングで採りたいものです。

 今回の組み合わせは、写真の通りですが、待望のガクトの仔3尾で、採る事ができました。
 前回同様、写真の左側が雄、右が雌です。また、小窓の素赤の雌が三歳ですが、他は全て二歳です。

 ちなみにガクトの仔は、左端の二尾の雄と右上の雌です。

 卵の数も今回は十分で、最も少ない腹で800余り、多いものは3,000位あるようです。一昨日と昨日に、それぞれヒーターで20℃にしている40Lの孵化用プラ舟から丸鉢に稚魚を移したばかりですが、再び孵化用の舟が埋まって、右下のペア1腹分は丸鉢で孵化させる事としました。

 明後日から少し朝の気温が下がる予報ですので、少し心配ですが、うちの規模ではこの辺りが限界のようです。採りたかった魚はあと1尾を残すのみとなりましたが、他の魚達が全て順調に採れたので、今年はこれで採卵は終わりとするかもしれません。

2006年5月9日(火)
ブラインシュリンプエッグ

 今朝の水温は21℃もあり、広島では6月下旬の陽気との事でした。日中も上がって、夕方には23℃と、春を通り越しているような気候です。
 この暖かさで、水の傷みも激しく、明日には換水が必要な感じです。


 先日から、ブラインシュリンプを孵化させて与えていますが、昨年使った1缶の余りを色々な方法で保存してみて、その保存効果を比較した結果が出たので紹介します。

 比較は、遮光の有無と、常温と冷蔵庫の野菜室、密封と不完全な封での試験です。

 一番孵化率が良いのは、予想通り、遮光・低温・密封のものでしたが、密封>遮光>低温の順に、左のものほど孵化率に影響が大きいようです。
 低い温度の効果には少し疑問が残る結果となっていますが、これには、冷蔵庫の野菜室が日々の開け閉めを伴うことから、かえって温度が安定していなかったことも考えられますので、一概には低温効果が少ないとは言えないとは思います・・・。

 また、今回は試験できませんでしたが、乾燥させることでさらに保存効果が高まると言われますので、次回行うときには、右上の写真のような容器(100円ショップで購入)に卵を入れ、シリカゲルの小袋を入れて、蓋にビニールテープを巻いて密封し、アルミホイルなどで包んで冷暗所に置いてみようと思っています。

 ちなみに孵化は、下の写真のように、以前から使っている発泡スチロールの容器に水を満たし、これを28℃に加温して、ペットボトルを逆さに立てかけた状態で、下からエアレーションして使っています。
 右下手前に写っているのは、ブラインシュリンプを漉し採れるほど目の細かい樹脂製の茶漉しです。これで、老廃物の混ざっている塩水を出来るだけ除いてから、給餌しています。

2006年5月8日(月)
暑い日・・・給餌3日目

 今日は蒸し暑い一日でしたが、それもそのはず、早朝17℃あった水温が、昼にはなんと33℃まで上がっていました。

 写真は孵化後5日目のもので、昨日、一昨日と同じ腹の魚です。今日で給餌3日目となりました。一見すると、見た目は昨日とあまり変わらないように感じますが、動きが非常に俊敏になっており、良く見ると尾がはっきりと見えるようになってきました。

 とは言っても、肉眼で尾型を見極めるのは少し困難なのですが・・・。そこで、写真に撮れていた個体を確認してみると、9割以上は三つ尾のようです。
 この腹は産卵数が非常に少なく、100尾あまりが孵化した程度ですが、孵化温度を20℃に加温した成果か、掛け合わせが良かったのか、どちらにしても良い傾向で一安心です。

 ちなみに、この3日間の写真は、稚魚を洗面器に掬い上げて写したのではなく、この兄弟達が卵数が少なかったため、洗面器を浮かべて他の卵と混ざらないようにして育てていたものを、そのまま撮ったものです。
 さすがに水も濁りの兆しが見えてきましたし、水量の少ない過密状態では良い成長は期待できないので、今日の夕方からは丸鉢に移動させる事としました。

2006年5月7日(日)
給餌2日目

 今朝は雨の中、水温も高く18℃でした。明日以降も朝は16〜17℃の予報が出ているので、今日からは丸鉢の波板による保温も無しとします。

 今日は、朝のうち小雨があったのみで、昼前からは曇天が続いたので、昨日換水出来なかった親の舟を全換水して、稚魚には予定通りブラインシュリンプを
再び与えました。
 昨日より明らかに食い付きが良く、写真のように腹部のオレンジ色の染まり具合も、より濃く、多くなっています。

 これから目に見えて成長する時期ですが、明日からは仕事の都合で、朝1回の給餌のみとなりますので、ゆっくり大きくする事になりそうです。

2006年5月6日(土)
初給餌

 今朝も暖かく、波板の無い丸鉢やプラ舟では18℃、昨日紹介した保温方法での丸鉢は20℃ありました。

 昨日の朝セットしていたブラインシュリンプは、28℃に加温して孵化させているので、24時間で孵り、今朝初めての給餌となりました。
 孵化後3日前後での給餌となりましたが、丸鉢で孵化させたものには少し早かったようで、自由遊泳が始まっているにも関わらず、あまり食べていない様子です。
 
 ヒーターで20℃にセットしている舟では順調に食べ始め、透明だった腹が、写真のようにすぐにブラインシュリンプのオレンジ色に染まっていました。
 
肉眼では形を確認することが出来ないブラインシュリンプの幼生も、写真では両手を万歳したように見えるほどに写っていますし、同様に肉眼ではまだ判断できないフナ尾も、どうにか確認できるのは少し驚きです。

 今日は朝1回だけの給餌としましたが、明日からは本格的な給餌として、1日に2〜3回与えられればと思います。

2006年5月5日(金)
丸鉢の保温

 卵を孵化させた丸鉢は、写真のように夜間は波板をトンネル状にかけて、さらにプラ丸鉢を伏せて重ね、少しでも高い保温効果を期待しています。
 おかげで、ヒーターは入れていませんが、昨日の朝は15℃、今朝は18℃と、なんとか水温をキープしています。そのまま放任している丸鉢の水温と比較すると、毎日2〜4℃は高いようです。

 昼の水温も十分に上がっていて、昨日、今日とも23℃で、孵化した稚魚も自由遊泳が始まっています。
 また、雄同士の追尾もあちこちで見られますが、こちらは全て雌雄別に飼育していますので、産卵は次回の大潮までお預けです。


 孵化した稚魚には、ブラインシュリンプを与えたいところでしたが、昨日留守をして準備が出来なかったため、明日から与える事になりそうです。
 立ち上がりに空腹としたので、少し心配ですが、何とかなると思います。

2006年5月3日(水)
ワイヤーブラシ

 今朝は放射冷却現象で、冷え込みが厳しく、保温していたにも関わらず水温は12℃まで下がっていました。
 この低温のため、予定していた孵化も明日に延期となったようです。
 ちなみに保温が無かった舟や丸鉢は10℃だったので、効果はあったようですが、少し心配の温度です。
 一方、ヒーターで20℃に加温している卵は順調に4日目で孵化しています。

 今日の日中は、全く雲の無い晴天で、水温は23℃まで上がりました。
 水も傷みが見えてきたので、全ての舟を全換水しておきました。また、明日には丸鉢にもう一腹分の卵を移せる予定なので、冬の間中水を張って汚れていた丸鉢も、綺麗に擦って換水しておきました。

 写真は、昨シーズンから使っているワイヤーブラシですが、さすがにくたびれて来ました。上が昨年使っていたもので、下が新品です。
 横から見ると、丸鉢の側面に沿って曲線を描いて削れています。10鉢を毎日5ヶ月位擦るとこんな感じになるのかと驚きです。
 最近ではかなり擦り難くなってきたので、今日から更新する事にしました。写真のものは、ステンレス製で比較的柔らかく縮れた歯を数多く持つブラシです。
 毎日のコケ落としは、短時間で、また出来るだけ軽作業としたいため、ブラシの歯数が多く、ある程度柔らかく細いものが使いやすいように思います。

2006年5月2日(火)
産後の肥立ちも上々です

 昨日の夕方に卵を移し入れた丸鉢は、今朝18℃の水温でしたが、日中は遮光を続けていた事もあって、それほど上がらず、夕方には16℃に下がっていました。
 明日は寒さが戻って気温も1桁となる予報ですので、今日も夕方には波板で4方を囲んで、上部にはFRPの大型の洗面器を伏せて、少しでも保温効果があるようにしています。

 この卵は明日の朝と夕方でちょうど4日となりますが、孵化はそれより若干遅れそうな気配です。

 以前は産卵直後に親の調子を崩させたりもしましたが、今年も大丈夫なようです。唯一気になっていたのは、卵を絞った際に脱腸して、約1cm径の毛玉状の白い内臓が出ていた雌ですが、O氏の助言もあって、3日目となる今日の夕方には完全に元通りに治って、一安心です。

2006年5月1日(月)
暑い一日・・・孵化開始

 今日から5月に入りましたが、寒かった4月がうそのように、いきなり春を通り越した気候で、朝から非常に暖かく、波板の保温も無しで水温は16℃もありました。
 日中はさらに上がり、水温も25℃までになっていたようです。

 この暑さは夜まで続いていて、日記を書いている夜10時半でもまだ暑いくらいのおかしな気温です。

 この陽気の中、卵の成長も早まったようで、最初に産卵させたものは、夕方には写真のように、ほとんど孵化していました。3日半の孵化ですので、少し短すぎるのが心配です。

 これだけ暖かいので、明日孵化予定の卵も一部は丸鉢に移して孵化させる事にしましたが、2腹分は保険の意味もあり、40Lプラ舟2個で、それぞれヒーターで20℃のまま、しばらく過ごさせる予定です。

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