土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2006年4月30日(日)
今日も産卵・・・

 今朝は波板の効果に加えて夜間の曇天で、昨日よりさらに水温は高く17℃でした。おかげで雄は少しその気になってきたようで、3尾が激しく追尾をはじめていました。ちなみに水温は昼すぎに25℃まで上がり、夕方でも20℃ありました。
 
 昨日、一昨日に産卵した雌も、まだ腹に卵を残していて、時々卵をこぼしていたので、同じペアで2腹追加で採りました。孵化日が揃わないので、あまり採りたくなかったのですが、産卵数も少ないものもあったので、一応採っておきました。
 その他に、2腹採れましたが、置き場所が無いので、今回はO氏の手本通りに排水口ネットを利用して産ませました。これらは、今のところ隔離していますが、量も少ないので、孵化時からは混合して育てるしかなさそうです。

 写真は全て二歳で、上の1列に並んでいる4尾が全て雌ですが、雄も含めて少し太らせすぎたようです。先程、「産卵数が少ないのは腹に脂肪が付き過ぎた為」とO氏から助言も頂いたので、これからは少し餌を控えめにして、次回2番仔の産卵に備えたいと思います。

 また、水底に卵をかなりこぼしている舟もあったので、水の傷みを心配して、今日は全部の舟を換水しておきました。今日からは、再び基本的には雌雄を再び別にし、雄の舟には1尾のみ採る予定の無い雌を入れて、発情の促進と、産卵時期をはかる目安としています。

 あと2尾はどうにか採っておきたい腹があるのですが、これは次回の大潮に照準を合わせる事として、これで、産卵は一区切りとします。

2006年4月29日(土)
産卵ラッシュ・・・

 今朝は昨夜の波板のおかげで、水温は15℃もあり、予想通り採卵する事が出来ました。今日は産卵が集中して、朝5腹、夕方1腹採りましたが、そのうち2腹分は不要な魚からでしたので、飼育スペースの問題もあってすぐに流しました。

 卵はそれぞれ300〜600個程度のようで、昨日同様少な目ですが、うちの規模では十分な量です。
 昨日のものもあわせて、写真のように40Lの舟2個が一杯になってしまいました。
 ちなみに、遮光は杉板を6枚乗せているので、日光の射しこみはほとんど無いはずですが、右側の昨日の舟ではメチレンブルーの色が薄くなってきているようです。

 今回の掛け合わせは、写真の通りで、いずれの写真もペアで写っている左側が雄、右側が雌です。上の列2枚の三歳の褪色前の雄は同じ魚で、昨年この雄を用いて採った仔の成績が良かったため、今回は朝夕の2回、無理をして用いました。
 無理をした理由はもう一つあって、本来は他の雄も用いたかったのですが、昨日の全換水の環境変化が少し急であったのか、昨日より水温が高いにも関わらず、雄の追尾行動が今日は緩慢で、使える雄が不足していたので仕方なく・・・といった状況でした。

 今日の産卵で、今年採りたいと思っている腹はあと1〜2腹となりましたが、一度に重なるのも管理が大変ですので、できればもう少し遅れて欲しいところです。

2006年4月28日(金)
今年初の産卵

 今朝は今年の初採卵を1腹試験的に行いました。今日から3日間が大潮ですので、計画通りのタイミングとなりました。二歳魚どうしで採ったのですが、それにしても数は少なく、卵数は200300個程度のようです。

 さて、ここ数日間、日中は1819℃まで水温が上がるのですが、夜間は10℃足らずまで下がって、当然産卵はなしという温度変化の推移を繰り返していましたが、一方で、雄は鰓蓋まで追星が進んで追尾を行うようになり、雌の腹の出も非常に良くなっており、腹部もかなり柔らかく十分に成熟が進んできた状態でした。

 そこで、一昨日から試験的に仕掛けてみる事にしました。雌雄を混泳させ、日没以降の夜間には波板をかけて保温効果を高めてみると、早朝の水温は波板なしの舟より23℃高く、昨日は12℃、今日は14℃で、ともに追尾して腹側部を突付く行動が見られました。
 また、餌を控えると産卵行動が促進されるので、朝のみの少量の給餌としておきました。

 今朝は昨日より追尾が激しく、雌が舟の角に追い込まれる状態で、雌の動きも緩慢となっていたので、腹を軽く押さえてみると案の定、卵をこぼしたので人工授精で採卵の運びとなりました。
 今回の産卵は、水温も十分に上がっておらず、試験的に無理に産ませたようなものですが、一応は雌雄のかけ合わせも考慮して、欠点を補い合うように組んでみました。

 写真は今回の両親で、左が雄、右が雌です。欠点を補えるように都合良く解釈しているポイントは、顔の良(雄)悪(雌)、渡りの長(雄)短(雌)、後ろの大(雌)小(雄)、尾の長(雄)短(雌)、尾芯の皺の有(雄)無(雌)、親骨の柔(雄)硬(雌)などです。どうなるでしょうか?

 まだまだ、天候は不安定ですので、しばらくは手がかかりますが、うちは飼育数が少ないので、ヒーターで45日で孵化させる事にします。
 うちでは、写真のような40Lのプラ舟で孵化させています。水生菌の防止にメチレンブルーを少し入れて、ヒーターで20℃に加温しますが、水中に沈む琺瑯の洗面器に直接卵を産ませる事で、洗面器自体の熱伝道性の良さと、水面付近の軽いエアレーションによる対流で、どの卵も温度条件が均一になり、孵化を一斉に揃える事が出来るため、いつもこの方法で孵化させています。
 なお、メチレンブルーは、日光で分解するため、舟には保温効果も考慮して、以前紹介したツインパネルでふたをし、その上には琺瑯の洗面器を伏せて重石としています。


 今日は夕方の水温も20℃で、やっと春らしい感じになって来ました。舟の水の傷みはこの2日で非常に進み、耐えられない状況でしたので、夕方全ての舟を全換水しました。
 新しい水の刺激で、明日も産卵があるかもしれません。

2006年4月25日(火)
もうすぐ大潮です。

 今朝も8℃と水温は下がり、広島では今年は中々上がってきません。次の金・土・日曜日は、大潮になるので、もう少し温度が上がれば確実に産卵が見込まれる所ではないかと思っています。
 幸いにも木曜日は曇雨天でありながら、以降4日間は日中20℃前後まで気温も上がる予想となっていて、おそらく採れる見込みです。

 今日の写真は、種魚として期待している二歳の雌魚で、ガクトの仔です。ここ数日で腹もふっくらとしてきました。
 まだ返しも弱く腹もそれほど出ていませんが、最近急に尾が大きくなってきていて、金座の大きさも際立っったものがあります。
 「やや長手気味の中手の魚」といったところだと思いますが、これからまだまだ良くなってきそうな予感を持たせてくれる魚で、尾芯わきのしわなど、少し癖もありますが、体の長い魚は産卵数が多いため、種親としては大切にしたい魚ではないかと思っています。
 良い仔を多く産んで欲しいものです。

2006年4月24日(月)
雄は準備OKのようですが・・・

 今朝も10℃まで下がった水温が、夕方には18℃まで上がっていました。おかげで雄魚はさらに発情が進んできたようで、夕方には雄同士で、追尾を盛んに繰り返していました。

 試しに雄の腹を軽く手で押してみると、写真の通り簡単に多量の精子が出て、こちらは十分に準備が整ってきたようです。
 一方、雌の腹は、かなり柔らかいものも出てきましたが、卵が出る程ではなく、やはり雄の方が発情の進展が早いようです。

 さて、昨日と今日とで、HPの記事を追加しました。内容は今の時期に合わせて「雌雄の見分け方」です。
 昨日の日記の写真を掲載してみて思ったのですが、自分の目で見たものでも、再び写真にして見比べてみると、一層印象に残って、より確実なものとなるようです。今回の記事作成も良い勉強になりました。 

2006年4月23日(日)
週末婚・・・

 今朝も水温は12と中途半端な温度で、当然産卵はまだ先のようでした。しかし、日中はそれなりに温度も上がり、18.5℃までになっていました。

 その陽気で、三歳が2尾、二歳が5〜6尾追尾をしていました。少しは発情の兆しを感じられる日となりましたが、雌はまだ準備が整わないようで、腹を押しても卵を出すまでには至っていません。少し時間に余裕がある時には、産卵が待ち遠しく思われます。

 うちでは雌雄の確認は追星で十分に判断できますが、不安になれば生殖孔と排泄孔を見ています。写真は二歳で、左が雄で右が雌です。見比べると歴然の差です。

 今年は仕事の都合もあり、土日の朝に産卵を合わせて行う必要があるので、
週末婚のようですが、夕方再び雌雄を別の舟に分けて、一部の水の傷みを考えて2舟を全換水しておきました。

 次回は金曜の夜に再び合わせる計画にしています。

2006年4月21日(金)
微妙に安定しない天候

 今朝の水温は12℃、比較的冷え込みは無かったのですが、これから数日間は朝の水温が10℃前後、日中も15℃までの予報で、なかなか春本番の産卵シーズンにはなりそうもありません。

 それでも、魚の方は次第に産卵に備えて体形が変わってきていて、とくに雌はこの数日で急に腹に丸みを帯びてきました。上の写真はともに二歳の雌魚ですが、10日前の写真とは明らかに違った腹出しで、卵を持っているのだと思われます。

 昨日と今日は1日1回朝のみの給餌で、夕方の写真がこの腹ですので、普通に餌をやれば、まだ太りそうです。
 産卵前の給餌過多は、発情を抑制し、産卵にも悪影響を与えますので、注意していますが、雨が降ったり曇ったりで、すっきりしない天候の中、うちでは特に無理な換水が続いている事もあり、大事な産卵前に調子を崩す魚が無いように、病気にも気を配っておきたい所です。

 下の写真は現在の舟の様子ですが、今日の夕方、試しに雌雄を一部混泳させてみる事にしました。
 ペアにしたい組み合わせで若干異なりますが、雌雄2:3や2:2で入れています。産卵行動が見られるようなら人工授精で採る事となりますが、しばらく観察していても追尾もしないようですので、まだ少し時間がかかりそうです。

2006年4月20日(木)
換水の間隔は・・・

 昨日は暖かい日で、朝の水温は14℃でしたが、今朝は少し冷えて10℃でした。明日はまだ冷えるそうですが、うちではもう少し安定して上がってこなければ産卵は難しそうなので、未だに雌雄は別々に飼っています。

 先週から、1舟に二歳は4尾、3歳は2〜3尾として、広々と飼って、換水の間隔を伸ばそうとしています。入れる数を半分に減らしたからといって、換水回数も半分になるとは思っていませんでしたが、普通であればこの時期3〜4日間隔の換水が、5〜6日間隔には出来ている感じです。
 
 今日は、1舟だけ特に水が傷んだ舟があり、体を壁面や底面に擦り付けて、鱗をはがしているものが出ていたので、ついでに全ての舟を全換水しました。ちなみに前回の換水から5日目です。

 雌魚は特に腹の丸みを増しており、月末までには十分に産みそうな感じになってきました。もっと早く水温が上がって安定すれば、もう採れそうな感じもしますが、もし産ませるとしても、ヒーターを入れてしばらく飼う方がまだ無難な気候の状態だと思います。

 今は潮が悪いので、このまま行けばやはり月末の大潮あたりだと思いますが、それまでに水温が安定してくるようであれば、試しに雌雄を合わせてみるかもしれません。もし今採っても、おそらく少数だと思いますが・・・。

2006年4月18日(火)
研究会活動報告のページを新設

 今朝の水温は7℃でしたが、日中は18℃まで上がっていました。夕方の給餌時にも動きは非常に良く、そろそろペアを考えて同居させる準備をしたい所ですが、産卵は月末位となりそうですので、今後の水温の変化を見て決めようと思います。

 今日は、一昨日の研究会の紹介を行うページを新設しました。今後、会を重ねるごとに記事を追加するつもりです。

2006年4月16日(日)
分譲研究会

 今日は、「トサキン保存会西日本支部」の記念すべき第1回の行事でした。前日までの激しい雨が当日の朝には、うそのように晴れて、晴れやかな門出となりました。

 また、当日の新規入会者も2名あって、総勢25名の会員でのスタートとなりました。うち10名は県外の方で、遠くは関東からの参加もあり、初めてお会いする方も多い中、皆さんの熱心さと情熱に会場は和やかな談笑が絶えず、非常に良い雰囲気の会となりました。

 分譲魚は、40尾の二歳魚と10尾の三歳魚が並び、その約8割が希望する会員に分譲されました。
 産卵を前に、導入したい特徴を持つ種魚を確保するのが趣旨の分譲ですが、価格は市価の1/3〜1/5、中には普通なら10倍払っても入手できないようなものまであり、参加者には非常に好評でした。


 合わせて、支部長の飼育状況の見学を行いましたが、やはり目を惹くのは4歳となったガクトです。
 迫力の存在感で、写真では見え難いのですが、追星が激しく出現しており、全く衰える気配すら見せていません。
 いつもながら、写真に撮りやすい非常に安定した泳ぎで、「極める」魚です。うちの魚では写真の方が実物より良く写っていますが、ガクトはどうやって撮っても実物の方が良く、静止画の写真では満足できない魚だと改めて感じました。

2006年4月15日(土)
明日は研究会

 今日は一日中雨。水温も朝は10℃、昼を過ぎても12℃までしか上がらず、魚達の動きもあまりよくありません。

 明日はいよいよ「二歳魚親魚分譲会」なので、昨日から明日の朝までは、雨も続いている事も考慮して、全ての魚を丸2日間、餌を切っています。

 今日は明日の準備も兼ねて、プラ舟の換水を行って、分譲魚の最終決定を行いました。
 あらためて「丸手と長手の雌雄を合わせる基本」を踏まえ、うちに居るタイプの交配を考慮して、必要なものを厳選して最小限の数を残す事としました。

 昨夜、支部長のO氏から電話でアドバイスを頂き、「泳ぎで将来性を判断する」事の重要性を教えて頂きました。そのおかげで、自分なりに納得して、分譲魚を選び出す事が出来て、非常に心が軽くなっています。

 右の写真は、追加で分譲に出す事を決めた魚です。
 今回分譲に出す魚達は、先日から紹介しているものも含めて、決して良いものばかりという訳ではなく、自分の勉強のために「出来れば残して将来の変化を確かめておくべき魚」だと思っていた魚です。
 しかし、今年は転勤もあって、管理時間が非常に短くなるので、その対策に、80Lのプラ舟に2歳は4尾、3歳は2〜3尾の極少数として、換水の間隔を出来るだけ伸ばして乗り切る事にしたので、残す魚が限られてくるため、仕方なく・・・と言った所です。

 ちなみに、残す魚達の構成は、3歳が雌の舟と雄の舟が各1舟ずつ、2歳は雌1舟と雄2舟、残り1舟を予備に空ける事としています。

 今回の分譲魚の選定では、自分自身の魚とは言え、あらためてじっくり観察する事となり、非常に良い勉強となりました。
 「二歳以降も十分に楽しめ、将来性のある魚」を残せるようになるには、多くの魚を見て十分な経験を積む事が必要だと改めて感じられましたが、あと半年位先には今の時点での自分の見る目のレベルが判定できるでしょうから、それもまた楽しみです。

2006年4月12日(水)
研究会用の分譲魚選びは・・・

 今朝は水温も高く15℃もありました。例年、最低水温が13〜15℃で落ち着いて、これ以上下がる事がなくなって1週間位すると産卵が始まってきますので、あと、最低でも10日位は必要なようです。

 さて、今日は日曜日の分譲会に持ってゆく二歳を6尾選んでみました。
 写真撮影が夕方遅くとなったので、終わり頃のものはかなり見づらいものなってしまいました。

 飼育規模が限られたスペース(80Lの舟が6個)ですので、私にとっては出来れば今後の成長を見届けたかったものばかりですが、残すわけにもいかないので仕方がありません。

 とは言え、それぞれの欠点がなるべく写ってない写真を選んだので、こうやって並べてみると、非常に良い魚に見えます。
 しかし、実際は大きな欠点だらけですので、当日参加される会員の方には期待外れとなると思いますので、そちらの方が心配です。

 そのため、日記に載せるのには正直迷いましたが、「写真がいかに真実を写さず、一瞬の幻を捉えるものか」を見に来て頂ければと思います。

 遠方の方からメールで、私の魚を譲って欲しいとの問い合わせを時々頂くのですが、うちには酸素も無いので、本当に申し訳なく思いながらも、いつもお断りしています。

 今回の研究会(分譲会)では、日頃からお世話になっている会員の方に、飼育規模の都合で泣く泣く不要となる魚を引き取って頂けるので、こういう機会はとてもありがたく、組織としての活動の良さをこんなところでも感じています。

 先程、支部長からメールを頂き、当日の予定を詳しくお聞きしましたが、予想以上に非常に有意義な一日となりそうです。今からどうも落ち着きません。

2006年4月10日(月)
今日は1日雨。・・・で、餌切り

 朝から降り続いた雨は夜になっても止まず、明日も引き続いて雨の予報です。
 今日は餌を与える事は無く、昨日の夕方の全換水後から、おそらく明日の夕方までは餌を切る事になりそうです。

 今日の写真は一昨日に撮影した三歳魚です。左の小窓の赤い魚は雌魚で、顔の尖りが際立っている魚です。若干太さに欠けますが、腹型の良い魚で、昨年は全く産卵が無かったため、今年の種親としての活躍に期待しています。

 右はトップページを大きく飾っている雄魚で、一昨日の追星の写真も同じ魚です。鰭が大きく長い魚で、背鰭や胸鰭の大きさは写真の通りです。返しも同様に鰓蓋まで反転しており、これらの良い特徴が次世代に引き継げるよう、こちらも今年も産卵での活躍を期待しています。

2006年4月9日(日)
二歳雄魚

 今日は、夕方少し時間が取れたので、全換水しておきました。水温は15℃でしたが、タンクの貯め水は18℃あって、水合わせが短時間でできました。

 低温期の冬春は、飼育水よりやや高めの水温で換水するとショックが小さく、高温となる夏から秋にかけては逆にやや低温の方がショックが少ないため、換水が楽になります。

 さて、いよいよ今週末の日曜日には研究会を控えていますが、明日以降もHPの日記の更新ができるかどうか分からないので、時間が取れる今日のうちに、多くの写真を載せておきます。
(昨日の日記に写真の掲載間違いがあったので、それを訂正して、ついでに写真を大幅に追加しておきましたので、そちらもあらためてご覧下さい。)

 今日の写真は、全て二歳の雄魚です。

 例年4月に入ると雄には追星が出揃ってきますが、雌には腹が柔らかくふっくらしてくるものと、産卵の直前まで硬いままの魚がいるので、少し判断に迷います。
 今日は分譲会に向けて、各舟に入れる数を最終的に決定したかったので、再度詳しく雌雄を確認して分譲予定の魚を別にしてみました。

 雌の確認には、排泄孔が円形で太く、やや突き出ているものが雌なので、追星の無いものはそれぞれ腹を返して確認してみました。
 結果は、舟に残して越冬させた二歳では、雄が13尾、雌が6尾の構成比でした。
 うちでは人工授精で採卵しますが、偶然にも雄が雌の倍という理想的な比率になっていました。

 写真は、上の褪色前の5尾が全てガクトの仔から残したものです。皆この春でまた少し良くなっているようです。

 3列目の素赤と4列目の更紗は同腹で、副支部長のI氏の(左のリンク先は昨年11月の3歳時の写真)を母に持つ魚です。

 終わりの褪色前の2尾は、昨年の5月からずっと成育を追って紹介していた4兄弟の魚です。(一番下の写真は、昨日誤って日記に写真を載せていたので訂正します)
 この2尾は、この体形で雄ですので、今後を特に期待しています。
 

2006年4月8日(土)
久しぶりの撮影 -二歳雌魚-

 今日も水温は17℃と暖かい日が続いています。この頃は朝夕の二回の給餌ですが、水の傷みが早く、O氏も言われていますが、本来であれば3〜4日間隔で換えたいような水の状態です。

 今日は時間が取れたので、ゆっくりと全ての魚をチェックしてみましたが、どの舟も雄には追星が出揃った様で、今日の日記の最後の写真の三歳は、胸ビレだけでなく、すでに鰓蓋にも追星が見られています。

 久しぶりに1尾ずつ洗面器に上げて、気になる魚の撮影を行ったので、その中からまとめて雌魚を紹介します。

 右の写真の上2尾は兄弟で、昨年の5月からずっと成育を追って紹介していた魚で、顔の尖りが気に入っている二歳です。

  中の列2尾と下の左の1尾の魚は、土佐錦魚写真館2005の一番初めに紹介している3歳の白勝ち更紗を母に、その下に紹介している褪色前の二歳雄を父に持つ兄弟魚です。
 当歳時には顔の尖りが無く、ぱっとしない魚でしたが、両親が晩成型だったのと同様に、冬越し後に良くなってきたように思えます。

 下の右の魚は昨年O氏から分譲して頂いたガクトの仔の中から残した8尾のうちで唯一の雌です。
 親骨が流し気味で少し長手に見えるので、分譲に出すつもりでしたが、唯一の雌なので残す事としました。

 選別時に無意識に似たような形質を残しているのか、腹によって雌雄の偏りがあるのか、あるいは孵化時の水温などが雌雄を偏らせるなどの説もありますが・・・。うちでも同腹から残した魚の雌雄は偏りが多いように感じます。

 どちらにしても、冬囲いの前には二歳、三歳で雌雄を最低限の数を確保しておけば何とかなると思います。また産卵も毎年何腹か採っていれば特に心配はなさそうです。
 ちなみに、今年の産卵に向けて、うちの魚は雌雄が2:1位の割合となりそうなので、今の所は一安心です。 

2006年4月7日(金)
とても暖かい日々
  〜第一回の研究会(二歳親魚分譲会)まで10日足らずとなりました〜

 4月に入って暖かい日が続き、こちらでは桜が満開になっています。3月の終わりに換水してから1週間が経過し、非常に水が傷んでいたので、昨日の夕方やっと換水したのですが、大正解だったようです。

 今日の西日本は非常に暖かく、水温は夕方でも17℃もあり、非常に活発な泳ぎでした。冬越し以降、特にこの数日間で急に大きくなった気がするほどで、二歳、三歳ともに一回り大きくなったようです。

 雌雄の差もはっきりと出てきて、三歳の雄の追星は鰓蓋まで上がっています。雌の方も腹がふっくらとしてきていますが、できれば産卵はもう少し遅らせて5月の連休位に合わせたいものです。



 さて、4月16日の日曜日には「トサキン保存会西日本支部」の記念すべき最初の行事(研究会)となる「二歳親魚分譲会」が開催されます。

 会員の方には、既にご案内を致しておりますが、予想以上に遠方からも多くの参加があるとのお返事を頂き、皆様の熱意に驚き喜んでいます。当日初めてお会いする方が半分以上になりそうですが、楽しみにしております。

 また、当日は分譲魚が不足することも予想されますので、O支部長の魚には及ぶべくもありませんが、うちからも不出来な分譲魚ながら賑やかしに、二歳と三歳を数尾ずつ持って行くつもりです。

 会員の中には、このHPをご覧頂いている方が多くいらっしゃりますが、餌の共同購入申し込みと合わせて、出欠の連絡がまだの方はお知らせ下さい。

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