土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2014年9月28日(日)
杉舟効果
 三歳雌魚:2014年9月28日撮影  2014年4月12日撮影

 今日の写真は三歳雌魚で、春の姿と比較するとよく分かりますが、この夏に大きく変化した魚です。

 7月13日の日記で紹介した杉板製の飼育容器「杉舟」ですが、非常に良い飼育容器なので、この2か月間は、2舟に3歳魚を各3尾入れて用いています。

 うちの杉舟は、板が徐々に反って継ぎ目から僅かな水漏れがありますが、水位の低下はほぼ見られず、プラ舟の蒸発分の減水とさほど変わらないので、特に足し水をすることなく3日に一度程度の全換水時にコケを少し落とす程度の管理としています。

 
この杉舟での成長は、どの魚も素直に伸びている印象で、体の太みや尾の大きさが増して迫力のある魚になっています。

 また、この杉舟には、プラ舟より濃い茶褐色のコケがしっかりと付くので、上見で魚の姿もはっきりとよく見えます。また、これを食べている影響もあって、体色の赤が濃くなっているのが一目瞭然です。

 ちなみに、この写真の魚を含めた3尾の3歳雌魚は7月導入した新しい杉舟で、他の3尾の3歳雄魚は5月に導入した杉舟で飼育しています。

2014年9月27日(土)
褪色の遅れと、見た目の尾の大きさ
@(5/4孵化)のうちの1尾 C(5/8孵化)のうちの1尾 C(5/8孵化)のうちの1尾

 近所では金木犀の香りも強くなり、日に日に秋の気配も強くなって、当歳魚はより一層顔の尖りを増している感じで、盛夏には見るに堪えなかった魚も、比較的良く見えるものが出ているほどです。

 今日も少し時間があったので、先日に続いて当歳魚を撮影してみました。

 今年の当歳魚は、全体的に褪色が比較的遅れ気味で、黒い魚が半数も残っています。採卵に用いた魚のうち、二歳魚で色変わりをした魚を何尾か用いた影響もありますが、当歳で褪色したペアの魚でも@Cのように1尾も色変わりしていない鉢もあるほどです。

 この@Cの鉢の魚はお気に入りが多く、23日の日記にもこの鉢の4尾を掲載していますが、顔の尖りや体の太みに加えて尾の大きさや安定感など全体的な形質のレベルが揃って高く、来年に向けて、数多く残せるようになりそうです。

 ただし、今年の当歳魚は、皺が入るものが非常に多く、早くから品評会出品魚がほとんどいなくなってきていて、品評会への出品魚という観点からは、過去に例が無く出来の悪い年となりそうです。

 一方、来年以降の交配の観点から今年の当歳魚を見てみると、それほど悲観的な状況ではなく、むしろ色々と面白い掛け合せが出来そうな良い資質を持つ魚が多く、早くも来春が楽しみな心境です。

O(5/22孵化)のうちの1尾 G:2尾(5/8孵化)のうちの1尾
F:3尾(5/8孵化)のうちの1尾 F:3尾(5/8孵化)のうちの1尾 

 さて、右の写真の4尾は、今日撮影した中から、褪色後の魚と未褪色の黒い魚を、尾の大きさが同程度のもので、左右に並べて掲載してみたものです。

 尾の大きさが同程度でも、褪色した魚は尾が小さく見えて、迫力にも欠ける感じがするのが分かるかと思います。

 模様による印象も影響が大きく、下の素赤の魚のように、尾の周囲の白い部分が少なく日の丸の赤い部分が大きければ、黒い魚と印象はほとんど変わらず、、尾も大きく見えて遜色はないのですが・・・。

 当歳魚は現在20鉢に各3尾の60尾を残していますが、うち褪色中が10尾、褪色を終了したものが20尾となっています。 

2014年9月23日(火)
当歳魚の残すべき資質
@(5/4孵化)のうちの1尾 @(5/4孵化)のうちの1尾 @(5/4孵化)のうちの1尾
C(5/8孵化)のうちの1尾 M(5/22孵化)のうちの1尾 M(5/22孵化)のうちの1尾
 R(5/23孵化)のうちの1尾  R(5/23孵化)のうちの1尾  R(5/23孵化)のうちの1尾
R(5/23孵化)のうちの1尾 O(5/22孵化)のうちの1尾 O(5/22孵化)のうちの1尾
 I(5/18孵化)のうちの1尾    I(5/18孵化)のうちの1尾   F(5/8孵化) のうちの1尾
 B(5/5孵化) のうちの1尾  J(5/18孵化)のうちの1尾  A-7(4/29孵化)のうちの1尾

 一昨日の日記では二歳魚を掲載しましたが、今日は久しぶりに当歳魚を多く撮影したので、これらを掲載します。

 
兄弟魚で同じ掛け合わせでも、出現する資質は様々で、尾の大きなものから小さなもの、丸手や長手など、色々と出てきますが、これらの中からどれを残して交配に用いるかを考えると、早くも来年が楽しみです。

 うちの系統は、顔の悪い魚は出なくなってきましたが、尾の大小については、両方の形質が同腹でも極端に見られるようになってきました。来年以降は、尾の大きな魚のみを交配に用いるようにすれば、さらに形質も安定してきそうな感じです。

 来年の交配に最も期待している当歳魚は、写真の2列目の左端の魚で、2歳魚のような尾の後ろの幅を持つ、極めて尾の大きな魚です。

 また、これに劣らず期待させてくれる魚として、一列目の左の魚と、一列目の中央の魚も、顔や体型には文句の付けどころもなく、尾の大きなバランスの良い魚で気に入っています。

 その他には、3列目の左の魚は尾も大きめで極めが良く、3列目右の更紗の魚は色の濃さで、4列目中央の魚は後ろの幅、5列目左の魚は金座の大きさなど、それぞれ際立った特徴のある魚を評価して、ある程度の欠点は気にせず残すようにしています。 

2014年9月21日(日)
季節の変わり目、二歳魚の変化
 二歳雄魚:昨年のG(5/4孵化)    2014年6月22日撮影
 二歳雄魚:昨年のG(5/4孵化)   2014年5月3日撮影
 二歳雄魚:昨年のN(5/12孵化)    2014年3月15日撮影
 二歳雄魚:昨年のN(5/12孵化)    2014年5月3日撮影
 二歳雄魚:昨年のK(5/11孵化)    2014年3月30日撮影

ツバメが電線に整列

 昨日は彼岸の入りで、近所では彼岸花も咲き暦どおりの季節の変わり目となりました。

 今朝は右の写真のようにツバメが家の前の電線に整列していましたが、昨年の9/16の日記と同様に、渡りの準備のため、今年もツバメが集団生活を始める時期になったようです。

 今朝の丸鉢の水温は15℃と、早朝の冷え込みも一段と増してきています。

 
水温の低下とともに、水の傷みも急に緩慢となって管理も楽になってきていますが、土佐錦魚として最も変化する時期である夏を越した二歳魚は、写真のように、それぞれに大きく変化を見せています。

 写真の二歳魚5尾は全て雄魚で、産卵時期には既にその資質を感じさせてくれる魚だったこともあって、多くを今年の産卵に用いています。

 当歳魚もその資質が色々と見えてくる時期になったので、これらの二歳魚については、子供への遺伝の結果も踏まえて、次年度に向けて手元に残す評価としています。

 一番上と二番目の素赤は兄弟魚で、当歳魚の評価(一番上の昨年:9/23二番目の昨年:9/22)では二番目の方が上でしたが、5月からの伸びで評価が逆転して、今では明らかに一番上の方が良い魚に仕上がってきています。

 三番目の白い魚は、当歳魚の秋までは更紗(昨年:9/8の姿)でしたが、9月以降徐々に色が抜け、晩秋には白となった魚です。尾が大きい訳ではないのですが、角尾で極めの良い魚なので、見ていて安心感があります。

 四番目の素赤は、上の白と兄弟魚で、尾の左側の大きな弛みが無ければの魚ですが、尾が大きいので種用に残しています。

 一番下の白勝ち更紗は小型の魚で、同じサイズの二歳魚がいないことから、同居の他の魚に負けて、さらにサイズアップが遅くなっている感じですが、こちらも今年の産卵で良い子が出ているので種用に残しています。

2014年9月8日(月)
あれこれバタバタ…。いまだに産卵も…。昨日の結果…。
急遽出品を止めた当歳魚C プラ舟の縁に飛び散った卵  6日に洗浄した貯水タンク

 9月に入って、はじめての日記となってしまいましたが、最近、色々と忙しい状況でバタバタしています。
 例年であれば、分譲会の前日までには分譲魚の選出や日記での写真紹介を行っていましたが、今回はできませんでした。

 換水も遅れがちですが、どうにか当歳の丸鉢は2日に1回の換水だけは行っている状況で、昨日はトサキン保存会西日本支部の当歳魚品評会・一般分譲会でしたが、分譲魚どころか出品魚をしっかりと選ぶ時間もとれませんでした。

 写真の当歳魚C(5/8孵化)は、当歳魚品評会の出品用に考えていた魚ですが、当日朝の換水時にすくい上げて確認してみると、尾芯の右側の弛みが酷くなって皺に近い状況となっていたので、急遽出品を止めた魚で、写真は記録のために今朝撮影したものです。

 昨日は、2歳・親魚の舟も換水が遅れがちでもう耐えられない状況となっていたので、この作業を早朝から行っていましたが、換水中に親魚のプラ舟でバシャバシャと音がしていて、もしかすると・・・、と確認すると、やはり産卵していました。

 ちなみに、雌魚は追われていた更紗の3歳魚で腹を押すと少ないながらも卵をこぼす状態で、雄魚の方も気になって、追っていた素赤の4歳素赤の3歳の腹を押して確認してみると、こちらも普通に精子を出す状況でした。

 昨日の朝は、結果的に丸鉢から分譲に出す予定の当歳魚を選び出す余裕もなく、頼まれていた魚だけをあわてて袋詰めしての出発となりました。(会場では、私の分譲魚を期待していた方数名に声をかけられましたが申し訳ありませんでした。)

 タイトルや文章に統一感が無い日記となってしまいましたが、昨日の結果については、「研究会活動報告のページ」に記載していますので、ご覧ください。

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