土佐錦魚(とさきん)の交配親の選定 掛け合わせの事例

掛け合わせの参考に、良い結果を得られた交配を、親子の写真とともに解説します。
(両親は産卵時に近い写真、子は当歳の秋の写真を選定。他所から稚魚を導入したもので両親の写真があるものも合わせて紹介しています)
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土佐錦魚(とさきん)の掛け合わせと系図 2010年
雄親(二歳)×雌親(三歳) 両親(二歳 両親(二歳) 雄親(二歳)×雌親(三歳) 雄親(三歳)×雌親(二歳)
雄親は二歳で顔と体型が非常に良く尾が大きいO氏の系統魚(両親)、雌魚は三歳魚で大きく伸びた更紗の美しい魚(両親)で昨年のQで良い子を出している。ともに渡りが広く親骨の硬い魚で、桜尾と弛み尾の掛け合わせ。 両親ともに二歳魚で雄魚は左の三歳雌魚の昨年の子(両親)で、当歳の9月には白勝ち更紗だったが、この春に色が抜けて体も細くなった魚。雄はO氏の系統魚で丸手で尾筒が短いが太みの素晴らしい魚。長手と丸手の掛合わせ。 雄親(両親)の欠点を補うべく、太みのある体に柔らかな親骨で尾付けの押えのよい雌(両親)を掛けた。雌魚の顔が悪く際立った所が無いので資質的に劣る部分もある掛け合わせだが長所が活かせればとの思いで使った。 二歳の雄親(両親)は欠点が無い無難な魚で今後の伸びを期待しての起用。三歳雌魚(両親)の方は実績と濃い更紗模様を評価しての起用で、ともに当歳時に褪色を終えているので、早期に褪色する更紗を狙った掛け合わせ。 雄はO氏系の三歳魚で支部大会の当歳魚の部の優勝魚、親骨が柔らかく返しの大きな魚。雌はサイズの大きな二歳魚で東京T氏系の導入魚、異常なほどの太みのある体に尾付けの押えが良いので試験的に掛合せた。
@♂広島O氏系 AO氏×I B♂O氏×I C♀広島O氏系 D♂広島O氏系 EO氏×B氏 F♂広島O氏系 G♀O氏×I氏 H♂広島O氏系 I♀東京T 氏系
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2010年 子(当歳魚) 2010年 子(当歳魚) 2010年 子(当歳魚) 2010年 子(当歳魚) 2010年 子(当歳魚)
@  A D E  H I  K L M N 
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この年最も早い5/4の朝、水温18℃で約400個の産卵、受精率は50%程度。3日半で孵化、自由遊泳に入った稚魚はさらに少なく100尾だったが、別の2尾の雄で受精させた卵より半日泳ぎ出しが早く元気。稚魚の体は短めで丸手が多く、最初の選別で60尾に減らして丸鉢でスタート。針仔の時から尾が大きく太みがあり際立って良いものも2〜3尾いて当初から終始一番高い評価の鉢。    5/7の産卵。水温18℃で約500個の採卵、卵は小さく白色だったのであまり期待せず、浮かした洗面器内で孵化させた。4日で孵化した魚は360尾。孵化後は40Lプラ舟で単独飼育。針仔は尾のサイズに大小のバラつきがあり孵化10日目に最初の選別で155尾まで減らし丸鉢へ。稚魚は無難な形質で中の上という感じの評価であったが、上の写真左の魚は7月中旬には頭角を現した。   5/20の産卵。水温20℃の好条件で500個程度の採卵だったが精子の状態はマヨネーズ状で何度も休ませながらの受精。しかしながら4日で100%が孵化。孵化後7日で40Lプラ舟2個に分けての飼育としたが、1回目の選別で500尾を70尾まで減らしてプラ丸鉢スタート。見どころのある良い魚もいたが左右違いや直線的な親骨で尾肩を流すものも多くこれらをハネた。   この年最も早い5/4の朝。水温18℃で約700個の産卵、受精率が少し悪く500尾が3日半で孵化した。1回目の選別では尾の大小と左右違いが多く非常にバラつきの大きい状態、良いものが少なかったので良いものをすくい取る選別で120尾が丸鉢スタート。鉢としては2番目に高い評価で途中まで育てていましたが、皺が入るものが多く、残せるものは少なくなった。   5/5に水温20℃で約1000個の産卵。受精率は高く9割が孵化となったが、孵化直前には飴色の卵に目と背骨が見える珍しい状態になって、卵の殻が厚く孵化しないのではないかと不安になるほどだった。孵化直後からは素直な姿で初回選別では500尾を残し、丸鉢と40Lプラ舟に分けてスタート。密飼いのため初期の生育は遅かった。なお、NとOは金座まで側線が続く珍しい魚。
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