土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2007年6月30日(土)
系統の特徴の良く出た稚魚の顔

 今日で6月も最終日、稚魚の管理の時期は本当に毎日が過ぎるのが早く感じます。今朝の水温は23℃、日中は29℃まで上がり、夕方は27℃の暑い一日でした。
 今日もいつもどおり、朝丸鉢の全換水、夕方プラ舟の3/4換水を行なっています。

 写真はBで、尾芯を右に振っている「超丸手」を1尾ハネて、17尾としています。
 この鉢の稚魚は、母親に似て顔が尖り、目先が目幅より長く、他の仔と比べるまでも無く、非常に良い顔をしています。
 現在の体長は2.5cmで、まだ非常に小さいのにすでに土佐錦魚の体型を感じさせる稚魚です。
 右の写真をクリックして表示される画像が、ちょうど実物大になっていますが、拡大した丸の中の稚魚などは、朝の空腹時でこの体型で、尾筒もしっかりとしており、尾の後が小さめですが、反転らしきものも感じさせる個人的に気になっている稚魚です。
 同じ雌で採った父違いの稚魚HJも今後の成長が非常に楽しみになって来ました。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) モルタル丸鉢
A17尾(5/19 @18尾(5/19) B17尾(5/21 D7尾
(5/13
H:80尾
(6/11
I:70尾
(6/11
E18尾(5/24 C12尾(5/6
プラ丸鉢J400尾
(6/27)

 また、HIは、防鳥ネットの外に即席で設置した丸鉢なので、どうやら昨日あたり各10尾位が食害にあっていたようです。
 今朝の選別で各15尾をハネています。
 また、防鳥の対策も行ないましたが、1鉢を配置換えして安全な場所へ移しています。
 

 なお、6/27に産卵から2日半で孵化したJは昨日の夕方から自由遊泳になり、底のコケを突き餌を欲しがっていましたが、ブラインシュリンプは当初から全く使わない方法で実験的に育ててみる事としました。
 餌は、タマミジンコの極小さい産まれたてのものを使う事として、掬い取ったミジンコの塊を、観賞魚用の四角い網で濾して、ごく小さいサイズのものだけを与えています。

2007年6月29日(金)
空梅雨で増え続けるタマミジンコ

 今朝の水温は23℃、夕方は25℃でした。最近の天気予報は、ことごとく外れ、なかなか本格的な雨にならず、空梅雨の様相です。

 雨が無いおかげで、稚魚の餌用に増やして維持しているタマミジンコも流されず、極めて順調のようです。
 この鉢では、写真のように青水化した水を数日前にセットしておきましたが、今では右の写真のように水面付近に爆発的に発生しています。
 これをHI主体に、@BEにはイトミミズと併用して与えています。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) モルタル丸鉢
A17尾(5/19 @18尾(5/19) B18尾(5/21 I:85尾
(6/11
H:95尾
(6/11
D7尾(5/13 E18尾(5/24 C12尾(5/6
プラ丸鉢J400尾
(6/27)
 今日は稚魚の選別はしませんでしたが、丸鉢では毎朝の全換水を行なっています。

 なお、稚魚の形質もかなりはっきり出てきたので、条件の良い丸鉢に、期待の大きい稚魚を入れるよう、配置換えを行ないました。

 写真の稚魚はCです。基本的に写真は給餌前の空腹に時撮っていますが、この稚魚もそろそろ腹部に膨らみが見えてきました。
 このサイズになってくると、餌を非常に良く食べるようになり、うちでは最も大きいこの稚魚の鉢には他の倍近い量の給餌を行なっています。
2007年6月28日(木)
2歳の変化
4月1日撮影 6月24日撮影
4月30日撮影 6月24日撮影

 今日も昨日同様の暖かい朝で、夕方の水温も28℃に上がっていました。

 丸鉢は、イトミミズの給餌が影響して、やはりかなり汚れやすく、おかげで今朝もほとんど全換水としています。
 一方プラ舟も、夕方にほぼ毎日3/4換水を続けています。
 湿度が高い事もあって、水の傷みも激しいのですが、その分換水をきちんと行なうと、魚の成長は早く、調子を崩すものは皆無です。

 今朝は@ABCEの換水を行い、それぞれ選別して2〜3尾ずつ減らしておきました。
 また、夕方にはHIの水が傷んできたので、これを全換水しています。
 こちらも合わせて選別を行い、各15尾をハネています。
 なお、稚魚の形質は明らかにHが優れているので、丸鉢の状態(コケの量と質)を考慮して、HIを逆の鉢に入れ換えておきました。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) モルタル丸鉢
A17尾(5/19 D7尾(5/13 B18尾(5/21 I:85尾
(6/11
H:95尾
(6/11
@18尾(5/19) E18尾(5/24 C12尾(5/6
プラ丸鉢J400尾
(6/27)

 それから、最近2歳が急激に伸びてきています。
 写真の2尾は、どちらも越冬時には「癖は少ないが、際立って光るものが無い平凡な魚」でしたが、「伸びてくるかも…」と思えたのでかろうじて残していた魚です。
 それが、ここまで伸びてきているので、これら先が非常に楽しみになって来ました。ただ、写真では大きく見えますが、この2尾はうちで一番小さい2歳です。

 写真上の白勝ち更紗の雄魚は昨年のAから出た魚で、写真下の更紗は、昨年のL
から出た魚になります。どちらも太みが増して、尾も大きく成長してきているのがわかります。

2007年6月27日(水)
今年の飼育環境

 今朝も水温は昨日と同様に高く、さらに夕方には丸鉢・プラ舟ともに30℃を少し越えていたようです。
 広島近辺では、「今年は梅雨が短く、猛暑となる可能性が高い」との情報も聞いていましたが、本当に夏は目の前で、稚魚の成長も日々驚かされるほどのスピードとなっています。

 写真は今朝の換水時の様子で、モルタル丸鉢6個を全て換水しています。また、夕方には全ての舟の換水を行なっています。
 朝も夕方もともに貴重な時間ですが、早朝と夕方の換水は貯め水との水温差が小さい事から、このようなやり方としています。
 ちなみに浮かんでいる洗面器はホーロー製で、熱伝導性が高いことから、換水時の水合わせに使うと作業時間を短くしてくれています。

 最近の管理では、丸鉢・プラ舟ともに水の状態を見ながら、1〜2日で全換水となるように管理するようにしています。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) モルタル丸鉢
A20尾(5/19 D7尾(5/13 B20尾(5/21 H110尾
(6/11
I100尾
(6/11
@20尾(5/19) E20尾(5/24 C12尾(5/6
プラ丸鉢J400尾
(夕方孵化)

 写真には、手前からモルタル丸鉢6個、80Lプラ舟4個、奥にはプラ丸鉢3個が写っていますが、これが今年のうちの飼育規模の限界です。

 ちなみにさらに写真奥に並んでいる3個のプラ丸鉢は、タマミジンコの増殖用に用いており、この他にも2個の丸鉢でタマミジンコを増やしています。

2007年6月26日(火)
選別

 今日も暖かい朝で水温は22℃、日中は30℃近くまで上がっていたようで、非常に湿度の高い日となりました。

 選別は朝夕と行い、Hを170尾から110尾に、Iも160尾から100尾にしています。
 上の写真は稚魚Hで、このサイズでもやや丸手、尾の大きい特徴が顕著に感じられます。写真はありませんが、Iも大きい尾で尾肩の折れの良い感じが見られました。
 この2鉢の稚魚には優先してタマミジンコを朝夕しっかりと与えています。
 
 
今日は、先日届いたまま見る時間が無かった2つの月刊誌をじっくりと見てみました。ともに目当ては土佐錦魚の記事でしたが、予想以上の内容でした。

月刊アクアライフ7月号 月刊金魚道増刊号

 「アクアライフ」は小特集で「土佐錦魚飼育の誘い」と題して、カラー見開き6ページで、「金魚伝承」の「飼育家訪問」のような感じで取材記事が掲載されていています。
 関東土佐錦魚保存会のY会長の飼育状況と、うちの会員でもあるKさんの飼育状況が写真を主体に構成され、非常に見やすく、また初心者や経験者双方にも、それぞれの視点から予想以上の発見がありそうな、土佐錦魚の飼育環境や管理の片鱗を垣間見せる内容でした。

 「金魚道」の方は、初めての特別増刊号で、フルカラー80ページのボリュームで、定価2,500円とありましたが、年間購読料に含まれているらしく無料で届き、非常にお得感のある充実の内容でした。
 記事は品評会報告も多く、土佐錦魚ではこちらも関東土佐錦魚保存会の第一回品評会が見開き4ページで紹介されています。
 その他の記事も勉強になる事が多く、「月刊金魚道」も今後が楽しみな展開となって来ました。

 最近、出版社各社とも土佐錦魚の掲載記事が急に増えてきていますが、これらマスコミに取り上げられる事は、土佐錦魚の普及にとって非常に良い事だと思います。

2007年6月25日(月)
「4番仔の産卵」と「丸尾の稚魚」

 今朝は丸鉢が21℃、プラ舟が22℃で、このところ安定した朝の水温が続いていて、湿度も高い状態と、産卵にはいかにも適した気候でした。

 数日前から二歳の雌2尾が少しずつ卵をこぼしていたのですが、採っても管理に困るので、そのままにしていましたが、今朝はどうにも我慢ができなかったようです。
 混泳させていたうちで一番小さい雄に、舟の角に追い上げられていたので、仕方なく右の写真の褪色中の2歳雌とトップページの4歳雄で採卵しました。

 この遅い時期の採卵は、秋までに品評会サイズに仕上げるのが難しく、丸鉢にも余裕が無い事、それから何よりブラインシュリンプの孵化設備や加温装置をすでに片付けているので、できれば採りたくなかったのですが、前回の産卵で唯一なぜか孵化しなかった「どうしても採りたかったペア」で、無理をして採卵する事にしました。(この雌はなんと4回目の産卵となりました…。)
 なお、卵は最低限の400個程度として、あとは流しておきました。
 

@6/17(1鉢に25尾 @6/25(1鉢に20尾

 一方、稚魚の方でも、今日は新たな驚きがありました。
 写真右は今朝の@で、左は1週間前の同じ@です。
 また、拡大した左側の稚魚は同じ魚で、17日の日記で「特異な尾」と表現した稚魚ですが、今日までに尾が急に成長して、「後の大きい丸尾」と呼べる姿になっています。(拡大右は平凡なタイプ)
 雄親は当歳時から大きな尾を持っていましたが、ここに来てさらに尾が成長していますが、明らかにこの雄の血を濃くひいているようです。
 17日には親骨の先が切れたのかも?と思わせるような尾型で、普通ならハネるところですが、この1週間で一転して、最も期待される稚魚になってきました。
 気になって前回撮影していて良かったと改めて感じています。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) モルタル丸鉢
A20尾(5/19 D7尾(5/13 B20尾(5/21 H170尾
(6/11
I160尾
(6/11
@20尾(5/19) E20尾(5/24 C12尾(5/6
プラ丸鉢J400個(卵)

 他の稚魚も少し選別を行なって、全て20尾以下にしておきました。

2007年6月24日(日)
超丸手の稚魚

 今朝は雨で丸鉢もプラ舟も水温は22℃。日中もほぼ変わらず23℃と梅雨らしい天気でした。

 雨が降り込むのは普段はあまり気にしていませんが、昨日から最後の稚魚HI用に、タマミジンコの増殖用プラ丸鉢を5個に増やしていますが、雨で水かさが増えるとミジンコが流されてしまうので、今日は朝昼夕と3回洗面器で水を減らしています。

 最近の管理は、雨の合間を縫って朝夕に行う感じで、2歳以上のプラ舟は1〜2日間隔での3/4換水、丸鉢は1〜1.5日間隔での全換水としています。


 上の写真は稚魚Bで、体長(口先から尾の先端まで)2cmの小さいサイズですが、全体的に体が短い丸手で、特に拡大した写真の2尾は「超丸手」と呼びたいような姿で、この大きさですでに土佐錦魚らしい形になっています。
 尾筒がしっかりしていればこの稚魚も将来が楽しみですが、さすがにここまで丸手ではおそらく今後は難しいのではないかと感じています。

 下の写真はこの稚魚の雌親で、この1ヶ月半の間で褪色が進むと同時に尾が大きくなってきました。
 褪色中のオレンジ色が、すでに非常に濃い感じなので、今後が一層楽しみです。
 おそらく、濃い素赤か赤がちの更紗になりそうな感じに思えます。

2007年6月23日(土)
最後の稚魚を丸鉢へ
H:1鉢に140尾(6/11孵化) I1鉢に140尾(6/11孵化

 今朝の水温は22℃、日中は日差しが強く、丸鉢では30℃、プラ舟でも29℃まで上がっていました。

 昨日は夏至で、一日の日長が一番長い日でしたが、この時期が土佐錦魚の飼育でも季節の変わり目にあたるように感じています。
 これまで長くなる一方だった日長が、今後は少しずつ短くなりますが、実際にはこれからが夏の管理に変わってきます。

 今日は、時間もとれたので、春の産卵期にまつわる飼育設備を片付けておきました。
 ブラインシュリンプも今朝の給餌で最後として、ヒーターなど加温関連資材、ブラインシュリンプ孵化資材、稚魚の孵化用プラ舟などを片付けて、飼育設備の環境も夏の様相としています。

 今日は写真のHIの稚魚をじっくり選別し、1鉢170尾と160尾としました。この時点の体型でHの方が丸手気味なのが分かりました。
 雌親の体型が子に遺伝する傾向が強いようで、この雌で採ったBの稚魚もかなりの丸手です。

 1回目の選別以降は丸鉢で育てたいので、プラ舟での飼育は終わりとし、丸鉢を新たに2個増やしています。(当初3個の予定でしたが…)結局合計で8個の丸鉢となってしまいました…。

 右の写真の丸鉢は、ミジンコを増やしていたものを稚魚用に格上げしてセットしたものです。付いていたコケの緑色とブラインシュリンプでオレンジ色にパンパンに膨らんだ腹が鮮やかに見えます。
 ブラインシュリンプは今朝の給餌で終了として、今後HIの稚魚には自家産のタマミジンコで育ててみるつもりです。
 
 左は170尾の稚魚を入れた丸鉢の様子です。洗面器の中では数多く感じた稚魚も、丸鉢に入れると少なく感じます。
 ただ、この後3回のタマミジンコの給餌で、日暮れ前にはかなりの存在感となり、もう鉢が狭く感じるほどに大きくなっていました。
 この調子では、来週中頃には次の選別で数を減らすようになりそうです。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) モルタル丸鉢
A20尾(5/19 D7尾(5/13 B20尾(5/21 H170尾
(6/11
I160尾
(6/11
@23尾(5/19) E22尾(5/24 C12尾(5/6

 一方、減らしすぎなので我慢して、ハネを含めて最低限の12尾を残していたDですが、目付きの悪い魚と尾芯の飛んだもの、下げたものをハネて、7尾に選別して減らしています。
 ただ、残った7尾にも欠点がすでに見えているので、この鉢はいずれ他の稚魚に取って代わられると思います。

2007年6月22日(金)
久しぶりの雨

 今朝から雨。雨の予報が外れ続けていましたが、梅雨に入った日の以降、ようやく本格的な雨となりました。
 水温は暖かめで、朝でも22℃、日中は25℃でした。

 朝の管理は小雨の中でしたが、孵化後10日となるHIの稚魚が流れないか不安だったので、波板で雨の流入を防いで出勤しました。
 しかし、帰ってみると、風で波板がずれて、右の写真の通り稚魚が少し流されて、プラ舟の縁の溝に打ち上げられていました。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) 40Lプラ舟■
A20尾(5/19 D12尾(5/13 B20尾(5/21 H200尾
(6/11
I300尾
(6/11
@23尾(5/19) E24尾(5/24 C12尾(5/6

 この稚魚は思った以上に数がいて、数を減らすために今朝Hを選別しました。非常に厳しい目で120尾をハネて、200尾としています。
 明日はIを選別する予定ですが、今朝まではIの方が少し大きくなっていましたが、夕方見てみると選別して数を減らしたHが急に大きくなったようで、ほとんど同じサイズになっていました。
 十分にミジンコを与えると、爆発的な成長を見せるようです。

 左の写真はCで、丸手から長手のものまで様々なタイプが見られる腹のようです。夕方の空腹時なので、細く見えているものもありますが、給餌後は逆三角形に腹が膨らんで見違えるようになり、日々成長が楽しみな時期となっています。

2007年6月21日(木)
イトミミズで急成長

 今日も曇天で、昨日と同様の水温変化でした。

 写真はAで、雌親の影響で少し長めのものも見られますが、尾が大きく柔らかい雄の特徴も感じさせる稚魚です。
 餌については、@ABCDEには、タマミジンコを主体にしていましたが、一昨日からはイトミミズに変えています。
 丸鉢4個で増やしているタマミジンコは、6個の丸鉢の稚魚全てに行き渡るほどの量は採れず、1〜2鉢が限界で、ブラインシュリンプを終えてからの10日間は、どの鉢の稚魚も少し餌不足であまり成長していませんでしたが、イトミミズに変えてから急に大きくなり始めたようです。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) 40Lプラ舟■
A20尾(5/19 D12尾(5/13 B20尾(5/21 H320尾
(6/11
I300尾
(6/11
@23尾(5/19) E24尾(5/24 C12尾(5/6

 稚魚の選別は、しばらく休止で、ここからはどうしても気になる欠点を持ったものだけをハネるようにするつもりです。
 今朝は@E
を少しハネて順に23尾と,24尾にしています。

  一方の2歳以上ですが、今日の夕方帰宅すると、隣家の生垣から強烈な農薬のにおいがしていました。
少し心配になって屋上に上がってみると、プラ舟の2歳以上が微妙に動きが緩慢なようで、あまり餌を求めて寄って来る気配がありませんでした。
 真っ白な2歳にいたっては体表が全体的に充血していました。魚毒性の高い農薬の可能性もあり、少なからず影響はあったようです。
 とりあえず、いつもどおりの3/4換水で食欲が戻ったので、少し控えめに給餌して夜を迎えました。明日は雨の予報ですが、できるだけ早く降って、少しでも農薬を流して欲しい気持ちです。

2007年6月20日(水)
稚魚とタマミジンコ

 今朝も暖かく、丸鉢とプラ舟はともに20℃でした。天気は一日中曇りでしたが、日中も26℃まで上がっています。

 広島の最低気温の平年値が、ちょうど今日から20℃を越えてくる事と、明日以降の週間天気予報を見ても、最低気温は20℃を超しているので、40Lプラ舟で孵化させた後、そのままヒーターを入れて育てていましたが、今日から外す事にしておきました。

 この稚魚Hの舟は、昨日の夕方見てみると、急に青水化が進んでいたので、丸鉢4個で順調に増えているタマミジンコを入れてみると、1時間ほどで明らかに水の色が透明に近くなるほどに濾し取られていました。
 ただ、青水の浄化能力は、ミジンコ(ダフニア)の方が優れているようで、結局完全な透明にはなりませんでした。

 このタマミジンコは、昨日夕方入れた時にはもっと小さい仔虫も多量にいたのですが、今朝は写真のように、親虫を残して皆が食べられていました。
 稚魚は、この1日で明らかに大きくなっていて、舟の角や水面に集まっているタマミジンコに対して、すぐそばに集まって、下から時折突いています。
 今はまだブラインシュリンプを併用していますが、この親虫を食べれるようになり、餌が切り替わるのは時間の問題のようです。

2007年6月19日(火)
3番仔の産卵

 今朝は生暖かく今にも降りそうな天気で、水温は丸鉢で20℃、プラ舟で22℃もありました。なお、日中は27℃まで上がっていました。

 早朝、2歳雄魚の舟では、舟の角に互いに押し付けあって産卵の真似事をバシャバシャとしていて、もしかすると・・・と思い雌の舟を見てみると、6/7・6/8に産卵した2尾の2歳魚が
、非常に産みたそうに側面を突いていて、試しに絞っていみると案の定卵をこぼす状態でした。

 飼育スペースと管理の都合上、今回も卵を絞るだけで、すぐに流していますが、5/16・5/17の初産で、先日も産卵したばかりなので、3番仔が採れるとは思っていませんでした。
 ちなみに雄魚はどれも十分に精子を出せる状態だったので、少し残念ではありましたが・・・。
 
 写真は2歳雄魚の舟ですが、給餌前の空腹時には、手前の褪色前の2尾のように、すきあらば互いに腹部を突きあっている状態です。

2007年6月18日(月)
進む4歳の褪色

 今朝は薄曇で生暖かい感じで、丸鉢で18℃、プラ舟で20℃でした。
 一日曇りがちの天気でしたが、雲が切れる合い間の陽射しは強く、日中は水温が26℃まで上がっていました。

 写真はトップページの4歳雄魚ですが、冬眠の戻りで冬季に体のあちこちが黒くなっていましたが、最近ではすっかり黒い所は無くなり、それに伴って一時的に止まっていた褪色が再び進み始めたようです。
 背びれの付け根の白色はどんどん面積を増し、尾先や腹部からもまだ白い部分は増えそうな勢いです。

 今日の飼育管理は、昨日一日世話が出来なかったため、全ての飼育槽の換水を行なっておきました。合わせて選別もしようと思えば出来たのですが、今回は1尾もハネずにそのまま残しておき、ペースメーカーとしています。
 昨日の研究会で頂いたミジンコは、基本的に稚魚用ですが、朝の給餌で稚魚に2/3を使い、残りは2歳の舟にも入れておき、1日で完食でした。

 それから、昨日の研究会の活動報告のページを更新しておきました。写真を主体に簡単に解説を入れただけですが、興味のある方はご覧下さい。

2007年6月17日(日)
充実の研究会

 今日は今年3回目となる「トサキン保存会西日本支部」の研究会でした。参加者は15名で、今日も関東や、鹿児島など、遠方からも参加があり、賑やかな会となりました。
 希望者への選別済みの稚魚の分譲では、ここまでそれぞれに育っている様々なサイズの稚魚が分譲に並んで出されており、各段階での残すべき姿を比較して見られた事は、参加者全員にとって大きな収穫だったと思います。

 また、研究会では、会員4名が順に選別を実習しました。選別後には、支部長の解説が行なわれ、残すべき稚魚の選択漏れや、見誤りなどによる不良魚の誤選択などが指摘され、会員の選別の見る目を揃えて、それぞれを向上させる非常に良い取組みになったように思います。

 その後はミジンコの採集を行い、参加者はいつもどおり無料で大量のミジンコを、酸素詰めまでした状態で持ち帰る事ができると、今回も大好評でした。
 持ち帰ったミジンコは、支部長宅で与え方の実演も行い、参加した会員からは適量のミジンコの量が把握できたと、納得の様子でした。
 (研究会についての詳細は、また後日「研究会活動報告」でご紹介するつもりです。)

@1鉢に25尾(5/19孵化) A1鉢に20尾(5/19孵化

 さて、今朝のうちの飼育管理ですが、早朝は水温も低く、丸鉢では15℃、舟で18℃の中、2鉢だけ選別+換水をしておきしました。
 右の写真が、今日選別した@Aです。腹が同じで父親違いのためか、際立って当初良かったAに比較してやや劣っていた@も、今では尾型も体型も非常に似てきています。

 ただ、@の方が、尾肩が無く、親骨が弓なりになっているものが多く、中には写真の中の拡大した稚魚(左)のように、親骨は弓なりで尾の後部分が短く特異な尾の形のものが見られます。
 ちなみに@の写真の拡大右の稚魚とAの写真の拡大稚魚は、この鉢の代表的なものをピックアップしたものです。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) 40Lプラ舟■
A20尾(5/19 D12尾(5/13 B20尾(5/21 H320尾
(6/11
I300尾
(6/11
@25尾(5/19) E25尾(5/24 C12尾(5/6

 どちらの鉢も、今日の選別で20尾と25尾にしているので、このサイズでは明らかに減らしすぎですが、先程の特異な尾型などは、とりあえず様子見に残しています。

2007年6月16日(土)
真夏日、タマミジンコで急成長
E1鉢に25尾(5/24孵化) B1鉢に20尾(5/21孵化

 今朝はよく冷えて丸鉢の水温は15℃、プラ舟は18℃でした。
 日中は逆に、真夏日となるほどの非常に暑い陽射しで、水温はともに28℃まで上がっていました。

 明日は「トサキン保存会西日本支部」の研究会なので、1日家を空けても大丈夫なように、選別と換水をできるだけ進めておきました。

 右の写真の2鉢は、ここまでの成長で特に良いものが出そうな感じをみせている稚魚で、 Eは中手タイプの稚魚で、尾が大きく、金座もしっかりとして、親骨の付け根は水平に付きながら、尾肩から先は流して上手に泳ぐ魚が多い鉢です。
 Bは体長が短く、丸手であることは一目瞭然で、腹出しが良くなりそうな感じを見せています。

 どちらもイトミミズが食べられる大きさなのですが、ストックが無くなってきたので、ここ数日はタマミジンコを主体に給餌しています。
 丸鉢4個でタマミジンコを増殖させていますが、そのうち1鉢だけ、右下の写真のように体色が緑色のものが見られるようになりました。
 写真に撮って拡大してみると、摂取した食物の色ではなく、体表の色のようです。
 また、生育途中(脱皮を頻繁に行なう小さい個体)では、色が付いていないか薄い状態です。
 左の拡大写真は以前顕微鏡で撮影したものですが、体の表面に毛が密生しているので、これに植物プランクトンがくっついているように思います。
 どちらにしても、普通のタマミジンコよりもさらに栄養面では優れているはずですので、これを上の2鉢に優先的に与えていますが、今日は昼間の給餌もできたので、朝夕で驚くほどの成長が見られました。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) 40Lプラ舟■
A25尾(5/19 D12尾(5/13 B20尾(5/21 H320尾
(6/11
I300尾
(6/11
@27尾(5/19) E25尾(5/24 C12尾(5/6

 その他の鉢は、@Aを除き、全ての丸鉢で選別と全換水を行ない、右の表の通りの状態となりました。

2007年6月15日(金)
雨あがり、選別
モルタル丸鉢(日付は孵化日) 40Lプラ舟■
A25尾(5/19 D18尾(5/13 B27尾(5/21 H320尾
(6/11
I300尾
(6/11
@27尾(5/19) E30尾(5/24 C15尾(5/6

 今朝は雨上がりの曇り空で暖かく、丸鉢の水温は20℃、舟は21℃で、夕方も昨日と同じ23℃でした。

 雨上がりだったので、朝は無理をして、D
を除く5鉢を換水、選別をしておきました。
 最近の選別は、泳ぐとき少しでも体がぶれるような泳ぎの下手なものは必ず左右が非対称なので、これをまずはじめに除き、あとは尾芯の下がりと上がり、目付きの不正、尾筒の伸びすぎ・・・と、続くポイントを見てハネています。

 40Lプラ舟では、朝夕ブラインシュリンプを与えていますが、少しコケも生えてきたので、今日からミジンコを少し入れておきました。
 コケが生えるのは、水中の富栄養化が進んできた証拠ですので、このタイミングでミジンコを少し入れますが、特にミジンコの餌などは用意せずとも、あとは自身での増殖に任せていれば、適当に増えて水の浄化を行なってくれるので、非常に重宝しています。

2007年6月14日(木)
梅雨入り
2007年4月1日 2007年6月13日

 広島は今日から梅雨入りとなりました。平年より8日遅れの梅雨入りとの事です。
 今朝は霧雨の中、丸鉢の水温は19℃、舟は21℃でしたが、日中もやはりそれほど水温は上がらず、23℃まででした。

 今日の写真は、昨年の品評会で当歳7位だった雄魚です。
 この魚もこの2ヶ月で体の太みが非常に良くなってきました。

 うちでは、2歳以上は80Lプラ舟飼育で、4月は5尾/舟でしたが、5月からは4尾/舟としています。
 管理は、朝2回、夕方1回の給餌で、朝はイトミミズを主体に、夕方は鮎餌で、ともに15分程度で食べ終える量を与えています。
 換水は、4月以降毎日1/2から徐々に換水量を増やし、今では3/4換水を続けています。今日は雨天で水温も上がらず水の傷みも無いのですが、一応1/2程度の換水を行なっておきました。
 ちなみに舟に生えるコケは、出来るだけそのままにし、茶色くなるまで放置して、約2週間毎に表面をほとんど削って青いコケに更新させています。
ちなみに、この時は全換水となります。

 稚魚の方は、6/11に孵化したHIが夕方にはそのほとんどがともに自由遊泳を始めたので、夕方ブラインシュリンプを初めて給餌しましたが、その直後には腹部をオレンジに染めて、活発に食べている様子が見られました。
 その他の鉢は、今日は選別も無しですが、イトミミズの給餌で水の傷みの激しいCだけは換水しておきました。

2007年6月13日(水)
変化する二歳魚
2007年4月14日 2007年6月13日

 今日は曇りがちの暖かい朝で、水温は丸鉢・プラ舟とも20℃もありました。日中は25℃まで上がっています。

 最近では、二歳のサイズアップと伸びが非常に楽しい日々が続いていて、大きくなり欠点も目立つようになるのですが、一方で全体的に思いがけず良い方向へ変わっているものも出てきています。

 写真は、ガクトの孫にあたる二歳で、どうにか両親のレベルは超えてくれたようです。
 親骨の張りが少し強く、尾芯のそばに若干の皺を寄せていますが、2ヶ月前には非常に気になっていた顔の悪さが改善した事と、尾も少し大きくなってきた事で、全く別の魚のように見えます。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) 40Lプラ舟■
A30尾(5/19 D18尾(5/13 B35尾(5/21 H320尾
(6/11
I300尾
(6/11
@35尾(5/19) E35尾(5/24 C18尾(5/6

 今日も少し稚魚の選別を行なって、@Aを10尾ずつ減らし、Eを5尾、CDを3尾と2尾減らしています。
 何れの稚魚もイトミミズを食べれるようになったのですが、ブラインシュリンプ・ミジンコも併用して与え、サイズのばらつきが出るのを防いでいます。

2007年6月12日(火)
卵詰まり

 今朝は丸鉢が15℃、舟で18℃ありました。日中はかなり上がったようで、夕方でも26℃ありました。

 原因の確証が無かったので、これまで日記で触れませんでしたが、今朝、写真の4歳雌魚が卵詰まりで死んでいました。産卵時から浮かんだままで不調だったので、ほぼあきらめてはいたのですが、原因がはっきりとしたので、この日記をご覧の皆様にも参考になる事があれば、と思いあえて掲載しています。
 右端の写真は、腹部を切開して取り出した卵で、上下に大きく2房に分かれています。この卵が、腹腔一杯に隅々まで非常に硬く詰まった状態で入っていました。
 症状から、おそらく卵詰まりだと思っていたので、この3日間は機会があるごとに搾り出しを試みていたのですが、残念ながら卵は既に硬化していて、出るのは白濁した血の混じった体液と数える位の卵のみでした。
 一方、内部の消化器官を見ると腸が白濁しており、あたかも卵に圧迫されたかのようで、腸も機能を果たせなくなり腐敗が進んだように見えました。
 腸の入り口付近の一部にはコケを食べたような内容物が見られましたが,そのほとんどが白濁しており,この腐敗が直接の死因のようです。

 今回の件を振り返ると,主な原因は次の通りだった様に思います。@非常に理想的な丸手の体型であるが、この体型の雌は特に卵詰まりが発生しやすい形状である事。A今年の天候は、水温が上がりかけて産卵に向かったところで一気に低温が来て産む機会を延長させてしまうように推移した事。B4月から十分なイトミミズを与え続けて、結果的に太らせすぎた事。C産卵を避けるため雌雄を別に飼っていた事で、産みたいタイミングを逃した事。D産卵時には、少量の必要数の卵のみを採った時点で脱腸(写真中央)が見られたため、卵をそれ以上絞らず放置した事。

 この3日間は,水が非常に傷んで,すぐに水面の泡が消えない状態になる事から、朝夕2回の全換水を行って,当然餌を切っていたのですが、改善の兆しは見られませんでした。
 さらに残念な事に、同時に産卵した後、同じ症状だった3歳の更紗の雌も、夕方には死んでいました。こちらも同様に腹部には卵がぎっしりと詰まっていて、全く同じ状態でした。
 4月か5月に一度産ませる事ができていれば、このような事にはならなかったはずですし、どちらの魚も写真のように最近伸びてきていたので、残念な結果となりました。
 ただ、唯一の救いは、どちらも仔を引いて血統を次代に繋げる事が出来たのが、唯一の救いです。

 稚魚の選別の方は、今朝BEの2鉢を行なっています。右の写真は、Bで、このサイズではっきりと丸手であることが分かります。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) 40Lプラ舟■
A40尾(5/19 D20尾(5/13 B35尾(5/21 H320尾
(6/11
I300尾
(6/11
@45尾(5/19) E40尾(5/24 C21尾(5/6
2007年6月11日(月)
今日も少し寒い朝
モルタル丸鉢(日付は孵化日) 40Lプラ舟■
A40尾(5/19 D20尾(5/13 B50尾(5/21 H320尾
(孵化直後
I300尾
(孵化直後
@45尾(5/19) E60尾(5/24 C22尾(5/6

 今朝も少し寒い朝で、丸鉢で13℃、舟で16℃でした。
 日中は日差しが強く、夕方でも25℃ありました。今日は波板を掛けて出かけましたが、日よけがあると魚の調子も良い様子がはっきりと分かります。
 あまり影を作ると泳がないので難しい選択ですが、朝夕の給餌で日中が空腹状態である事、ミジンコを追わせているので、それなりには泳いでくれているはずだと、良いように解釈して今はあまり気にしていません。

 今朝の選別は給餌の@
Aで、早朝の全換水となったので17℃の置き水での換水でした。おかげで少し水合わせに時間がかかっていますが、朝の給餌にはちょうど良い温度に上げれたので、結果的には良かったと思っています。
 他の丸鉢にも少し水温を上げてから給餌したかったので、洗面器2杯の水でオーバーフローさせて14〜15℃に上げておきました。

 8日に産まれた卵は、HIがともに夕方にはほとんど孵化していました。やはり二歳の産んだ卵は少し発育が遅いようで、両者を比較するとHが少し孵化も遅れているようです。
 孵化率は少し落ちているようで、おそらく表の様な数になりそうです。

2007年6月10日(日)
肌寒い日

 今朝は水温が下がり、丸鉢では12℃、舟でも15℃と肌寒い朝でした。日中は少し上がって丸鉢は26℃、舟で23℃でした。

 今日の選別は、D
Cで、ともに水に傷みが見られたので、換水のついでに・・・といったところです。

 写真は上がDです。この鉢は、同じ雌に2尾の雄を用いた稚魚のMIXということもあってか、当初から大小のばらつきがかなりあり、その差はいまだに残っています。

 鉢に余裕があれば分けて飼えば良いのですが、残すべき魚が少なそうなので、分ける事もためらわれ、今日まで一緒に飼ってきました。

 しかし、大きいものが餌を独占して成長差が開く一方なので、どうにも我慢できずに、今日は一気に20尾まで減らしてしまいました。
 特に大きいものと小さいものの中から優先的にハネて、できるだけ中間サイズを残した形としています。

 拡大写真は、この中の小さいサイズのもので、尾肩の押さえが非常に強い尾の大きな稚魚で、この先の伸びを感じさせます。
 残念ながら、このような形のものは2〜3尾しかいないので、他は全てペースメーカーとして残しています。

 下の写真はCで、こちらもまだ少し減らせるのですが、上の鉢と違って大きさも揃っているので、どれもが良いペースメーカーとして使えるのでそのまま残して、とりあえず3尾だけハネています。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) 40Lプラ舟■
A55尾(5/19 D20尾(5/13 B50尾(5/21 H350個
(卵
I330個
(卵
@60尾(5/19) E60尾(5/24 C22尾(5/6

 一昨日の卵は、明日にも孵化を始めそうになってきたので、同じ容器に入れていたため、これを分けて40Lプラ舟に移しています。
 
 おかげで、この40Lプラ舟で増やしていたタマミジンコが行き場を失ったため、新たに丸鉢を2個追加しミジンコ用には合計で4個の丸鉢を用意して、これに移して引き続き増やして行きます。

2007年6月9日(土)
褪色途中

 今朝は少し肌寒い朝に戻って、丸鉢は15℃、舟は17℃の水温でした。ただ、日中は27℃まで上がっていました。

 写真は種雌として今年一番期待している二歳魚で、昨日採卵したHの雌です。写真の通り、最近褪色が進み現在は虎はげ状態となっています。

 この魚は抱卵により、体型がまん丸になっていましたが、産卵が終わって体型も元通りにすっきりとなっています。

 さて、稚魚の選別ですが、詰め込みすぎで気になっていた@Aを55〜60尾まで絞り込んでおきました。これで当面はしのげそうです。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) ●プラ丸鉢●
A55尾(5/19 D30尾(5/13 B50尾(5/21 I330個
(卵
@60尾(5/19) E60尾(5/24 C25尾(5/6 H350個
(卵

 また、この@Aには、今朝からイトミミズを与え始めました。
 少し噛みちぎるのが難しいようで、大きいサイズのイトミミズが残りがちですが、給餌後30分くらいの時に残っているイトミミズは、取り出しています。

2007年6月8日(金)
産卵ラッシュ・・・、だけど・・・。

 今朝は蒸し暑いほどの暖かさで、丸鉢の水温は20℃、舟は21℃もありました。日中も25℃まで上がっていました。

 この暖かさのおかげで、潮も関係なく、昨日に続いて3尾の雌魚が産卵し、昨日と今日で、うちにいる全ての雌が一度に産卵となってしまいました。

 昨日の昼は非常に蒸し暑く25℃を越えていた事と、今朝の湿度の高い暖かな朝の水温では、どうしても産んでしまうという状態だったようですが、昨日産んだ雌魚と今日産んだ3尾の雌は同じ舟に雌だけで入れていたので、昨日産卵した雌魚にも誘発された影響も大きいようです。

 写真は今日の組み合わせで、これまで同様、左が雄、右が雌です。一番上から順に採卵しましたが、何れも約300〜400個で止めておきました。
 一番上のGの白い4歳の雌と一番下のIの更紗の3歳の雌は、腹を押せばいくらでも採れそうでしたが、もう完全に飼育できる鉢が無いので、最低限の数にしておきました。

 真ん中のHは、昨日と同じ雄ですが、Bの稚魚が極端な丸手の稚魚が非常に多く見られるので、今回は中手の雄と合わせてみました。

 これで今年採りたかった組み合わせは全て採れましたが、鉢は既にいっぱいで孵化させる場所さえ危うい状態なので、せっかく採った卵ですが、昨日のFと今日のGは、十分に考えた結果、今朝処分して流しました。

 それでも、この卵をどうやって孵化させるか、悩みがつきません。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) ●プラ丸鉢●
A80尾(5/19 D30尾(5/13 B50尾(5/21 I330個
(卵
@90尾(5/19) E60尾(5/24 C25尾(5/6 H350個
(卵

 一方で稚魚の方は、BCの水がかなり傷んできたので、今朝選別をして全換水し、数を減らしています。
 また、稚魚の餌のブラインシュリンプは今日で終わりとし、明日からはミジンコとイトミミズにするつもりです。

2007年6月7日(木)
2番仔の産卵・・・。

 今朝は丸鉢で16℃、舟は18℃でした。昨日の日中の暖かさが響いているのか、雌雄を別々に飼育して、産卵をさせないようにさせているのですが、雄魚の舟では雄同士で追い合っています。

 そんな中、昨日掲示板に書き込みがあった様に、今朝、写真右の二歳雌魚が、舟の角で側面を突き、時々ボーっとする状態となっていました。
 明らかに産みたそうなので、飼育する丸鉢もないのですが、とりあえず左の昨年当歳魚4位の雄と人工授精で800程度採卵しておきました。
 今回は水温も高かった事もあって、雄の精子も非常に良い状態で受精できました。

 この二歳雌魚は今年2回目の産卵になりますが、小さな細い体に似合わず、本当によく産みます。絞ればまだいくらでも出しそうでしたが、飼育槽はすでに限界を超えているので、最低限の必要数のつもりで4回腹を押さえて産ませたところ、この数になったので、すぐに終わりとしました。
 土佐錦魚は細い体の雌の方が一度に産卵する卵の数も多いのですが、まさにこの魚もセオリーどおりの魚です。

 卵はプラ丸鉢で20℃にセットしておきましたが、孵化後はさすがに置き場所も無いので困った状態です。とりあえずF
としておきます。

2007年6月6日(水)
厳しい選別
モルタル丸鉢(日付は孵化日)
A80尾(5/19 D30尾(5/13 B85尾(5/21
@90尾(5/19) E60尾(5/24 C30尾(5/6

 昨日の朝は暖かく、丸鉢でも18℃、舟は20℃でしたが、日中はあまり上がらず23℃まででした。
 一転して今日は逆に、朝は少し冷えて丸鉢は15℃、舟で18℃だったものが、日中は非常に暑いほどで丸鉢は28℃、舟も27℃まで上がって夏の気配でした。

 選別の方は、詰め込みすぎで限界までになっていた鉢をまとめて減らしておきました。ただ、@Aはまだ多すぎる状態ですし、DEは逆に本来なら不要なハネもペースメーカーとして入れておくべき所で、Dは特に少なすぎるほどに減らしてしまい、E
ももう少し残すべきところではあったのですが・・・。

 写真はAの稚魚です。両親とも親骨の押さえがしっかりした反転の非常に良い魚ですので、稚魚もこのサイズですでに尾肩のある角度の良い尾が特徴のようです。
 この兄弟達は、どの稚魚も非常に高いレベルで揃っていて、ハネるのが非常に難しく、設備に余裕があれば、鉢を3つに分けたいところでしたが、少しでも泳ぎで体を振るものはバランスがどこか狂っているものと判断して、非常に厳しい選別でこの数に減らしています。

2007年6月4日(月)
低温ショックの影響
モルタル丸鉢(日付は孵化日)
A160尾(5/19 D50尾(5/13 B90尾(5/21
@150尾(5/19) E100尾(5/24 C30尾(5/6

 今朝の水温は丸鉢で15℃、舟は18℃、日中は25℃まで上がっていました。

 少しずつでも選別をしていかなければ、なかなか成長できないので、朝Bを1鉢選別しておきました。

 この鉢は6月1日に10℃まで冷えて、全滅寸前だった稚魚たちですが、今回よく見てみると、前回の選別時には全く正常だったものが、かなりの数で体が稲妻形に曲がっており、一気に半分以下に減ってしまいました。
 数としては、ちょうど良い数になったのですが、低温の影響が他に無い事を祈るばかりです。


 稚魚Cにはイトミミズを朝夕与えていますが、その他の稚魚にはブラインシュリンプを主体に、こちらも朝夕2回給餌しています。2回目は極少なく、極力残さないように与えていますが、一部残ったものは翌朝に食べている感じです。
 これらの鉢には、ミジンコを常に一定数入れているので、ミジンコの仔虫も生まれた端から食べているはずで、ミジンコを追いかけて力強い尾筒が出来る事を期待しています。

2007年6月3日(日)
結局は丸鉢を増設・・・。

 今日は暖かい朝で、丸鉢では波板は無くても16℃、二歳親のプラ舟では18℃ありました。日中はどちらも23℃まででした。

 今日の選別で、どの稚魚も全て一度は目を通した事になりますが、今年も期待が持てそうな予感です。

 これからの1週間は、比較的暖かい朝が続く予報も出ているので、40Lのプラ舟はタマミジンコの増殖用とする事として、稚魚は全てモルタルの丸鉢に移しました。

 今日の選別は、40Lプラ舟に昨日の残りあったAを行い、200尾から60尾を抜き取り丸鉢の100尾と合流させています。
 また、最後に残った@を選別しましたが、これはAと同様非常に揃いが良く、フナ尾は1尾も居ない状態で、50尾を無理やりハネるのが精一杯でした。

モルタル丸鉢(日付は孵化日)
A160尾(5/19 D50尾(5/13 B200尾(5/21
@150尾(5/19) E100尾(5/24 C30尾(5/6

 良い稚魚が少なければ、「舟で予備的に飼う程度」に考えていた@Aでしたが、非常に出来が良いために、これらのために昨日と今日とで各1鉢のモルタル丸鉢を増設して、合計6個の丸鉢での飼育としています。

 この@ABは、そろそろ100尾程度にすべき大きさなのですが、何れもハネが非常に少なく、本来なら鉢を分けて増やすべきなのですが、スペースの都合上、これが限界で、しかたなく詰め込んでいますので、随時厳しい選別を進めて、できるだけ早く減らして行くつもりです。


 また、先日よりイトミミズを与えているCの鉢の水が、少し傷んできたようなので、これも換水と合わせて再び選抜して、40→30尾にしています。
 写真がCの稚魚ですが、
どの稚魚も後の大きな優れた魚たちです。今日から孵化後4週目に入る時期でもあり、1鉢の適正尾数を30尾程度とする事を優先して、写真の3尾のような尾の角度の範囲で残しています。(上:尾の角度が80°、下左:55°、右:90°)

2007年6月2日(土)
タマミジンコ(Moina:モイナ)増殖中!

 今日の丸鉢の水温は波板のおかげもあってか15℃、舟は17℃でした。天気は一日すっきりとせず、日中も22℃までしか上がりませんでした。

 4月の研究会で持ち帰ったイトミミズの残りは、泥ごと45cm径のプラ睡蓮鉢に入れて、観賞用の小型の蓮を栽培していますが、左の写真のように最近この鉢でタマミジンコ(Moina:モイナ)が大発生してきました。

 この鉢には、以前何回か別の鉢のミジンコ(Daphnia:ダフニア)を入れてみたのですが、すぐにいなくなり、最近は半ばあきらめていたのですが、1週間前に急に湧いてきたようです。

 ミジンコ(ダフニア)は、非常に薬剤に弱い事から、どぶの土の過酷な成分に耐えれるタマミジンコが生き残っって占有しているのだと思いますが、どこから入ったのでしょうか、もしかすると昨年の耐久卵が土中にあったのかも知れません。

 この鉢は、水深5cmで水量も少なく、多量のイトミミズの存在によって酸素濃度が極端に低い事、どぶの土にはミジンコの生存にはかなり過酷な成分もありながら、栄養は豊富で、ミジンコの餌となる微生物は十分に存在した、という条件のようです。
 この鉢から、時々稚魚へタマミジンコを供給する予定ですが、別の丸鉢にも移して、さらに個体数の増加も狙っています。

 せっかくの機会なので、今日はミジンコの撮影をしてみました。なお、今回の写真には大きさが分かるように、右下にスケールを入れておきました。
 それにしても、うちのデジカメは1眼レフではなく普通のコンパクトデジタルカメラですが、顕微鏡なども用いずカメラだけでここまで拡大できるとは驚きでした。
 このデジカメはもうかなり古くなっていて、バッテリーも2個がだめになっている事もあり、そろそろ買い替えも考えてはいるのですが、このような写真も撮れるので性能的には十分で、まだまだこのカメラには頑張ってもらう事になりそうです。

 右の上の写真が稚魚の餌として最適なミジンコとされるタマミジンコです。体長は大きいもので1.5mm、丸い体は成熟して卵(仔虫)を持った雌の特徴で、雄や子供は細い体をしています。(この写真は雌だけを選んで撮ったものです。)
 また、このタマミジンコは、赤い色をしていますが、低酸素条件のため、自ら血液中のヘモグロビンを増やし、酸素の少ない水でも酸素を得られる体質に変わっているためです。

 右の下の写真は比較のために撮影したミジンコ(ダフニア)です。こちらは体長2.0mmになり、上から見ると細長く素早い動きが特徴で、見るからに少し硬そうな感じで、あまりおいしそうではないのですが、水を濾し取る能力はミジンコの中でも最も優れているので、水質の維持を狙って混泳させると非常に重宝するミジンコです。
 ちなみに、写真には薄い黄緑の仔虫を体内に抱えたものや黒い耐久卵を作っているものの両方がいます。

 稚魚の選別ですが、40Lプラ舟のAの半分の200尾を選別して100尾とし、丸鉢を1個増やして設置しました。プラ舟に残ったAはまだ選別が出来ていません。
 また、うちで一番大きなCの稚魚が今日の昼に丸鉢を回っている様子が確認できました。この稚魚には昨日からイトミミズを与えています。

モルタル丸鉢(日付は孵化日) 40Lプラ舟■
A100尾
(5/19
D50尾
(5/13
E100尾
(5/24
B200尾
(5/21
C40尾
(5/6
A200尾
(5/19
@200尾
(5/19
2007年6月1日(金)
6月なのに・・・、寒い朝。

 今日から6月ですが、今朝の水温は丸鉢でなんと10℃。昨夜の予報では15℃までしか下がらないとの事でしたので特に対策もせず今朝を迎えましたが、大きく予報が外れて水温計を見て、波板をかけていなかった事を非常に後悔しましたが、時すでに遅しです。

 中でも、昨日ヒーターで加温していた舟から移したばかりの、今年一番期待していた稚魚Bは、初めての自然任せの夜がここまで冷えて、底の方で仮死状態でした。

 数尾はすでに白くなっていて、他の稚魚も水面に垂直に浮かびがちでキリモミ状態に泳いだり、底で全く動かず横になりかけたりと、死の間際だったので、やかんに1杯のお湯を注いで、とにかく水温を上げて出勤しました。

 帰ってみると、何事も無かったように回復しており、ほっと一安心でしたが、今朝は本当に冷や汗ものでした。明日は17℃の予報ですが、今日はこれにこりて、波板をかけておきました。

 写真は二歳の雄魚で、昨年の品評会の当歳優勝魚です。この魚は、いつも洗面器に上げると、良く静止して極めるので、非常に撮影しやすい魚です。
 最近は、どの二歳も体の太みを増してきており、目先や顔の良さはしっかりと維持しているので、とても調子が良いようで、これからの成長期がさらに楽しみです。

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