2009土佐錦魚(とさきん)の交配親の選定 掛け合わせの事例

掛け合わせの参考に、良い結果を得られた交配を、親子の写真とともに解説します。
(両親は産卵時に近い写真、子は当歳の秋の写真を選定。他所から稚魚を導入したもので両親の写真があるものも合わせて紹介しています)
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土佐錦魚(とさきん)の掛け合わせと系図 2009年
雄親(二歳)×雌親(三歳) 雄親(四歳)×雌親(三歳) 両親(三歳) 両親(二歳) 両親(四歳)
雄親は2008年の支部大会の当歳優勝魚で親骨の柔らかい魚、雌親は親骨は硬く後ろが小さめながら顔と腹型の良い魚で、ともにO氏の系統魚です。雌はやや小型で昨年は産まずこれが初産です。この年最も早い4/16に約550個の産卵でした。 これも両親ともにO氏の系統の魚です。ともに昨年の産卵実績を評価して、非常に期待して掛け合わせました。後ろが大きくかさが見事な両親で、丸手の雄に長手の雌というセオリー通りの交配でしたが、5/20の夕方採卵で、約600個採れました。 雄親はやや長手で親骨の硬い魚、雌親はO氏系とI氏系の掛け合わせにI氏系をかけ戻した尾の大きな魚。やや前の強い者同士の交配となりました。5/3の産卵で300個程度の卵を絞り、精子の状態が非常に悪い中、どうにか受精。 雄親は丸手で尾の大きく皺の無いタイプ。雌親は隣のEの子で顔と体型の良い普通の魚。両親ともに親骨のやや硬い魚でした。5/6に両親ともスムースな採卵が出来て600個。スペースの都合で採卵後すぐに丸鉢で孵化、飼育としました。 雄はO氏系。雌はI氏系。両親とも丸手で5/10の産卵。四歳の雌魚で、産卵数も多い中、700個だけ採ってスタートとしました。雄親は当歳時から素晴らしい姿形をしており、雌親は3歳時から急に延びた魚で、成長のパターンの違う掛合せです。
@♂広島O氏系 A♀広島O氏系 B♂広島O氏系 C♀広島O氏系 D♂東京B氏系 EO氏×I氏 F♂広島O氏系 G♀O氏×I氏 H♂広島O氏系 I♀愛知I 氏系
撮影:2009/5/5 撮影:2009/4/16 撮影:2009/4/16 撮影:2009/5/6 撮影:2009/5/26 撮影:2009/5/3 撮影:2009/5/6 撮影:2009/4/25 撮影:2009/4/16 撮影:2009/5/10
2009年 子(当歳魚) 2009年 子(当歳魚) 2009年 子(当歳魚) 2009年 子(当歳魚) 2009年 子(当歳魚)
J K M N  O P Q
撮影:2009/11/25 撮影:2009/11/25 撮影:2010/3/20 撮影:2009/11/25 撮影:2009/11/29 撮影:2009/11/29 撮影:2009/10/30 撮影:2008/12/6
孵化日数は4日、採卵時に別の雄を用いて受精させた父違いの鉢は成績が悪く孵化後1カ月を待たず流しましたが、このペアの子は初期から後ろが大きい稚魚で、非常に期待の大きかった鉢でした。写真の魚は常に極めている安定した魚で欠点も無く、今後にも期待が持てます。    雌はこのシーズンの2番腹。孵化日数は4日半でした。初期から尾肩がしっかりしていて後ろが大きな稚魚が多くいました。2尾とも体の太みが十分で、ともに若干尾を振っているのが残念ですが、バランスも良く、各部が素晴らしいものを持っているので、種魚としての活躍が期待されます。
  孵化日数は4日。この腹の兄弟では、翌春までに4尾を残しましたが、左が唯一、秋に褪色が始まった魚です。それでも周囲の魚より1回り大きな旺盛な生育を見せています。この魚以外は渡りが若干短か目で、やや迫力に欠けながらも、比較的安定した姿形のものが多く出ています。   丸鉢での孵化でしたが、比較的安定した気候が続き孵化日数は5日で、その後も急な冷え込みも無く運良く育った鉢となりました。この鉢からは5尾を翌春まで残しており、確率の良い腹となっています。体型は丸手と中手が出る他尾型、体型なども比較的様々なものが出てきました。   プラ舟に浮かべた洗面器の中で3日で700尾を孵化、孵化直後からは無加温の丸鉢での飼育と、非常に厳しい環境条件下で、残ったのはこの1尾のみとなりました。尾の後ろの幅が狭いのですが、両親譲りの丸手で涙型の体型、安定した姿から、今後の伸びを期待させる魚です。
            撮影:2009/11/8 撮影:2009/11/29    

丸鉢ライン

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