私が実際に見学させて頂いた飼育家の皆様の飼育環境などを紹介します。
(写真はクリックすると拡大します)
取材させて頂いた皆様へ:見学させて頂いたばかりか、撮影およびHPへの掲載許可を頂き、ありがとうございました。
(ご本人の希望により、プライバシーに関わる部分には、表現や画像加工などで情報を制限しています)
小川様(梅雨時期の稚魚編):H県F市(2007年7月22日) | |||
前回の研究会での見学から1ヵ月後の訪問で、今回は梅雨時期の稚魚の管理と将来性の見方などについてが主な話題となりました。 梅雨時期にも関わらず、また稚魚の餌に鮎餌(2号)を用い、イトミミズを使わない条件でこの顔の良さにまず驚きでした。 小川さんの鮎餌のみによる稚魚の給餌方法は3年目となりますが、毎年この時期の稚魚を見学していると、年を追って明らかに稚魚の顔が良くなっており、氏の系統としての長所に磨きがかかっているのは確かですが、合わせて稚魚の鮎餌給餌技術も上がっているように感じました。 上の写真右2枚はガクトの仔で、ともに目先の鋭さは抜群で、さらに左は「すでに品評会魚」で尾が非常に大きく、右は「今は平凡な魚」と言われていましたがサイズ的にもこれから数週間先の伸びさえ期待させるバランスの良い魚です。 |
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また、氏の稚魚は非常に良く泳いでいて、会話の最中にも丸鉢の中でぐるぐると群れを作って泳ぐ姿が印象的でした。 そのため、稚魚は尾を後ろに流して絞った状態で泳ぎも速く機敏で、止まるとふわっと開く理想の尾型になっていました。 上の写真左二枚はそれぞれ左が比較的静止時に近い状態(止まる事がほとんど無く、常に泳いでいるので・・・)、右が泳いでいる時の姿で、それぞれ同一魚の写真です。 右の2枚もガクトの仔で、どれも非常に魅力的な姿で、欠点があっても処分できないほどの資質を見せています。 |
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上の写真の褪色の2尾は二歳魚で、このところ急にサイズアップしており、尾もさらに大きくなって迫力が増しています。 素赤の3歳魚は、昨年のトサキン保存会(池袋で開催:うちの本部)の二歳優勝魚で、褪色終了直後ですが、これからまだまだ色が濃くなりそうな雰囲気で、尾もさらに大きくなっていて、今年の品評会も期待が出来そうに見えました。 |
泉様(冬眠明け直後):愛知県日進市(2007年3月13日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
泉さんは自宅であるいずみ動物病院の2F屋上で飼育されています。飼育場は、露天の部分と、波板の屋根で半温室になっている部分がありますが、露天部分は当然水温が低く推移するので、こちらの舟の青水の方が濃い色をしています。ただ、真冬もあまり濃い状態ではなく、あくまでも薄い青水で、換水を行なって調整されているそうです。 写真は左から2枚目が、昨年の「トサキン保存会第34回品評会」の親魚第4位の魚です。理想的な太みのある体型と大きな後ろと反しで、際立って魅力的な魚でしたが、その他にも皆、体型と顔の素晴らしさは共通していて、さらに加えてそれぞれ優れた特徴を持つ魚が残されているようです。 右端の魚は、親骨がまだ極まっていませんが、化ける可能性も十分にある魚だそうです。泉さんの魚は晩成タイプで、3歳以降で勝負するタイプだと言われていました。 |
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左端の2尾は欠点があり種用との事でしたが、この体型でありながら非常に大きな後ろを持っています。中の2尾は際立って太い体で、こういう魚がいるからこそ、良魚が継続的に出来るのだと感じました。右端は体長が約20cmの非常に大型の雌魚で、大きくなる系統を保存するために残しているとの事でした。
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