土佐錦魚訪問記 2006

私が実際に見学させて頂いた飼育家の皆様の飼育環境などを紹介します。
(写真はクリックすると拡大します)

取材させて頂いた皆様へ:見学させて頂いたばかりか、撮影およびHPへの掲載許可を頂き、ありがとうございました。

(ご本人の希望により、プライバシーに関わる部分には、表現や画像加工などで情報を制限しています)

丸鉢ライン

小川様(品評会に向けた魚の仕上がり):H県F市(2006年10月15日)
 今回は、品評会を約1ヶ月後に控えて、最後の仕上げの管理と現在の魚の状態を見学させて頂きました。
 上の写真は、4歳となるガクト(雄)です。秋本番を迎えて、食欲が激しく、コケもよく食べているのか褪色後の発色もさらに良く色が濃くなって、腹も1周り太くなってきました。
 前回の品評会(三歳時)では、褪色前の黒い魚でしたが、今年はこれだけ派手な魚に変わっての品評会出陣となり、結果が楽しみです。
 上の左2枚は三歳魚でともに雄魚。左の素赤魚が池袋へ行く予定だそうです。頭に三日月模様のある右の魚は昨年の池袋の二歳9位の魚ですが、個人的にはこの魚に惹かれます。
 右の2枚の写真は二歳魚で、これだけの腹をしていながらこちらも全て雄です。ともに綺麗な体のラインを持つ丸手で尾の大きな魚です。こちらも池袋へ行く予定との事でした。
 上の写真は右端以外は二歳魚で、こちらは品評会に出品予定の無い「氏の基準で言う種魚」です。一般的に言う「品評会魚」とは品評会に出せるレベルの魚ですが、「氏の品評会魚」は「品評会で上位入賞できる魚」ですので、その品評会予定魚に事故ある場合の補欠候補と言えども、ご覧のとおりのレベルで、こちらも十分に上位が狙える魚たちです。なお、ここまで紹介した魚は全て雄で、氏の品評会魚はやはり雄が強いようです。
 右端の当歳はガクトの孫にあたる魚です。そのガクトの交配相手(この魚の祖母)は昨年の池袋親魚準優勝魚で、当歳時の姿がこれと非常に良く似ているとの事でした。
 上の写真は全て先程の当歳魚と同腹の兄弟魚です。こちらは少しタイプが異なり、丸手の当歳魚の理想形をしていて、氏の作り出したタイプの最も古いものです。
 特に左端は私が個人的に理想とする姿の魚です。これだけ顔が良く尾も大きい丸手は、作ろうと思っても出来るものではなく、また偶然には絶対に出てこないタイプです。
 この同様のタイプが、同腹から、しかも明け二歳の産卵で、卵数はわずか150個という数からスタートして、これだけのものが残せているのは驚異的な交配技術と飼育技術のなせる業で、ただただ感嘆の一言です。
 右の2尾は僅かに皺があるため品評会魚ではありませんが、一目見て良い魚だと感じさせる雰囲気というか迫力を持っています。誰が見ても良い魚は、理屈ではないようにも感じさせる魚たちです。
 上の素赤は桜尾が欠点ですが、この春無選別の稚魚分譲会で会員に配った魚から出たものです。系統は違っても同様に目先と腹を出す飼育技術の謎を知りたいところですが、当歳魚は今年も全て鮎餌で育てられており、水管理と給餌の量とタイミングが全てであり、それ以上は本当に何もないようです。
 当歳も様々なタイプがありましたが、共通して目先が良く腹が出ており、鱗の細かい上品な魚でした。他にもいくつかすくい上げて頂きましたが、これは次年度以降伸びてくるタイプ、こちらはこの秋にもさらに延びてくるタイプと説明があり、今後の魚を選ぶ上で非常に参考になりました。
 今年は秋が暖かく、いまだに半そでで過ごせるほどです。水温も日中は25℃以上にもなり、なかなか冷えが来ない事から、氏も目先の尖りに不満があるとの事です。
 2歳以上の舟は、写真の通りのコケの付き方で、尾数も少なくゆったりと飼われていました。丸鉢はまだ毎日の換水が続いていて、(当日は、前日の来客があった事から換水されていない鉢もいくつかありましたが)、コケも十分に擦られているようです。
 先週から当歳魚は一気に減らして、鉢には平均して3尾ずつ入っています。

丸鉢ライン

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