土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2007年4月30日(月)
さらなる追尾と産卵条件

 今朝の舟の水温は12℃ですが、日中は昨日に続いて22℃まで上がっていました。

 昨日確認された追尾は雄魚のみの舟で雄同士の事でしたが、今日の昼過ぎには二歳の雌雄を混泳させている別の舟でも、雄魚が2尾で1尾の雌魚を追尾し始めました。
 今日で4月も終わりますが、追われている雌の腹はこれ以上無理なほど膨らんで動きも緩慢で、今週の水木金土の大潮を目前に控え、あわせて今夜から明日にかけて暖かな雨が降る予報で、産卵の条件はかなり揃って来ています。
 この条件で、朝の水温がもう少し上がってくれば、例年通りに連休の産卵も可能性が高くなってきますので、一応今日のうちに、いつ産卵があっても良いように準備を全て整えておきました。

 写真は3/15にI氏に頂いた三歳雌魚で、鮮明な写真は初公開です。はっきりとしたきれいな更紗模様で、I氏の系統の特徴である腹型の良さと顔の小ささが魅力の魚です。
 尾が小さめですが、掛け合わす雄魚候補はいくつかいるので、今年の活躍に期待が膨らみます。
 三歳以上の魚は、やはり発情が二歳より遅く、雌雄ともまだ追尾が見られませんが、この魚も腹が柔らかくなってきています。

2007年4月29日(日)
金魚伝承に見る土佐錦魚

 昨日と今日の朝は水温が10℃で、最低水温は昨年よりもかなり寒い状態で推移しています。
 うちの屋上は風もかなり当たるので、産卵が無いのも納得の冷え込みですが、今日は今年初めて二歳雄魚の追尾が1尾確認できました。
 日中は22℃まで水温も上がっていましたが、やはり朝の水温が鍵で、最低水温が15℃を越えるようになるまでは産卵は困難ですが、それも5月に入ればかなり上がってくるので、さほど遠くはないとは思っています。
 
 一昨日、金魚伝承12号が発売となり、昨日入手しました。今回は品評会の入賞魚の紹介号で、冊子自体がかなり厚くなっていて、定価も100円増しの3,600円になっています。
 金魚界の人気の高まりを受けて、品評会(愛好会組織)が次第に増えている様子が感じられます。中でも土佐錦魚の品評会結果の掲載は9団体に増えていて、特に近年の関心の高まりを表しています。

 土佐錦魚の品評会に関する20ページしか目を通していませんが、魚は会によってそれぞれ求める理想の形が異なっているのがはっきりとわかり、その会の特徴が出ているのが興味深いところです。
 色々な魚の良い部分を見て、その優れた特徴について、「自分の魚の中でどうすれば実現できるか」などと考えるのも楽しいものです。

2007年4月27日(金)
丸鉢とミジンコ

 今朝も水温は11℃でしたが、日中は17℃まで上がっていました。最近の給餌では、採集物のイトミミズを朝夕2回給餌していますが、これでは足りないらしく人影を察知すると激しく餌を求めて寄ってくる状態です。

 一方、丸鉢で維持しているミジンコは、鉢によって増殖率が大きく違っていて、投入時から数を増して大発生となっている鉢がある一方で、ほとんどいなくなってしまった鉢もでてきました。

 写真の丸鉢はミジンコが最も数多く発生している鉢ですが、ミジンコは丸鉢の縁に沿って円を描くように泳ぎつつ、水面付近に集まっています。
 土佐錦魚の稚魚と同様な動きをするミジンコに、あらためて丸鉢の不思議を感じます。

2007年4月26日(木)
雌魚がもう1尾。

 今朝は再び10℃と冷えて、この水温では産卵はさらに延期の感じですが、日中は20℃まで上がっていて、成熟は着実に進んでいるようです。

 写真の二歳は、近頃急に腹部が太り始めてきた魚です。長手の体型ですが追星が確認できないので、雌の可能性もあるとは思っていましたが、今日腹部を押さえてみると、雌特有の柔らかさで、最近太り始めたのは抱卵の結果だったと納得です。

 返しは非常に良いのですが、長手で腹が細い事が気になっていたので、抱卵により太り癖でもつけば良いのですが・・・。

2007年4月25日(水)
少量のイトミミズの分離

 昨日の朝の水温は10℃で今朝は13℃、日中は17℃と18℃でした。どの魚も調子良く次第に太さを増しているようで、雌は準備万端な状況ですが、まだ雄は追う気が無いようなので、産卵はもう少し先になりそうです。

 先週の日曜日に採集したイトミミズも10日目となりますが、さすがに採集物は活きが良く、毎日必要な分だけ分離させて少量ずつ給餌していますが、長く持っています。

 写真は「少量のイトミミズの分離」をしている様子で、2Lのペットボトルの上を切って開け、採集した土を深さ20cm程度に入れ、上に水が残らないようによく水を切って、夕方から翌朝まで放置していたものです。
 表面積が少ないために酸欠となったイトミミズが、お互いに争って上に出て来る性質を利用して考えた分離方法で、昨年から使い続けていますが、十分に満足できる結果なのでご紹介します。

 多くの方はイトミミズが採集し難い地域で飼育されていると思いますし、採集できても量が極僅かであったりして、分離はさらに難しい状態だと思います。
 ここで紹介した方法は、誰でも思いつく方法かもしれませんが、「少量だけ分離したいとき」と「少量しか採集できなかった時」のどちらでも使える分離方法です。
 さらに少量であればもっと表面積の小さなものにすると良く、逆に多くを一度に分離させる場合にはバケツなどを使います。

 昔の金魚の飼育書には、イトミミズの分離方法として今回のように「生活に不適当な条件を作る方法」に加えて、「生活に好適な条件を作って下に落とす方法」も紹介されているものがあります。
 正反対の方法でも同じ結果を得る事ができる例で、物事は色々な側面を持っているものだとあらためて感じさせられます。
 土佐錦魚の飼育も、物事の本質(因果関係)を見極める過程で、飼育者が独自に飼育管理に工夫を重ねる事に、「創る面白さ」があるのだと思います。

2007年4月23日(月)
混泳開始。

 今朝の水温は13℃。日中は20℃まで上がった事と、週間天気予報に昨日まで出ていた雨マークが無くなった事を合わせて考えると、産卵の先延ばしも、そろそろ限界のようです。

 そこで、今日から雌雄を混泳させる事としています。写真は、うちで一番のお気に入りのO氏の系統の二歳雌魚で、はち切れんばかりの腹となっています。
 産卵の組み合わせを考えながら、80Lプラ舟に4〜5尾を入れ、混泳させていますが、この魚だけはなんとしても採らなければ、と感じさせる魅力のある魚です。

2007年4月22日(日)
一日雨で暖かい日

 今日は一日中雨でしたが、朝から水温はずっと17℃で暖かい一日でした。この暖かさで成熟が進んでいる雌魚が卵をこぼすのではないかとハラハラしていましたが、なんとか無事に耐えたようです。
 月曜日以降の朝の気温は10℃前後の予報が出ているので、これで連休まで産卵を伸ばす事ができたと安堵しています。

 写真はミジンコを維持している丸鉢で、この鉢はピンポン玉程度のイトミミズ(写真中央上)も一緒に入れています。
 かなり増えたミジンコを撮影するために、重りを乗せた白いプラ皿を入れてみましたが、これを沈めた折に水を攪拌した事になったため、ミジンコがあまり多く写りませんでしたが、ここに写っている密度の倍以上には増えている感じです。
 ちなみに、ミジンコの培養には思いの他酸素も不要なようで、エアーを入れていた容器のものは極端に数が減っています。

2007年4月21日(土)
暖かい一日

 今朝の水温は15℃あり、曇天で湿度の高い朝だったので産卵があった方もあると思いますが、うちではまだ雌雄を別々に飼育しているので、その気配は全くありません。
 ただ、メスの腹部は非常に柔らかく限界近くまで膨らんでいるので、どうしても産卵を考えざるをえないかもしれません。
 そろそろ週間天気予報と潮の動きを見ながら、ペアリングさせる時期の決定も考える必要がありそうです。

 給餌は今朝から採集物のイトミミズに変えています。活きの良い餌は食いつきも消化も良いので多用しがちですが、二歳がかなり大きくなってきているので、今日は夕方の鮎餌と合わせて2回のみの控えめの給餌としています。
 水温は昼過ぎには20℃まで上がっていて、随時活発にコケを食べているので体調も非常に良さそうです。

 写真の二歳は昨日の魚よりやはり評価は落ちますが、これからの伸びに期待している魚です。
 8日と9日に紹介した4歳になった素赤と白勝ち更紗の子で、今まで紹介した兄弟達(4/19、4/12:素赤、4/6、4/5、4/2、10/1)に比べて親骨の張りと尾の張りが弱く、尾に皺は無いのですが写真のようには中々広げてくれない魚で、返しが進んでくればあるいは・・・と僅かな期待を残す魚で、どちらにしても一番の晩生ではないかと感じている魚です。

2007年4月20日(金)
ミジンコとイトミミズ

 今朝は10℃、夕方には17℃で暖かな日に戻りました。今日は全ての舟で1/2量の換水を行なっておきました。

 日曜日に採集したミジンコは順調で、各丸鉢で生き延びていて、うち2鉢では十分に増えているようです。
 ミジンコの維持ですが、丸鉢には写真のようにゴルフボール大のイトミミズ(採集物)を投げ入れています。
 このイトミミズはあえてあまり綺麗に泥を分離せずに丸鉢に入れ、適度に水を汚してミジンコの餌を増やす効果を期待しています。
 丸鉢には波板を掛けて雨での流亡を防ぎ、12cmの板を2枚かけて影を作っています。エアーは入れず、今後も換水も行なわないつもりです。
 この状態で6個の丸鉢で少しずつ条件を変えて、どこかの鉢でミジンコが維持できる状態を狙っています。

 下の写真は、昨年の品評会の当歳魚の部で優勝した魚です。もう少し腹が出ればなお評価は高くなるのですが、雄魚なのでそんなには出てこないと思います。
 また、これだけ尾が大きく前が決まっているので、太りすぎれば泳げない魚になると考えられるので、この状態を保つ方が良いように思います。
 それにしても、胸びれの大きさや後ろの幅が魅力的な魚です。

2007年4月19日(木)
寒い朝と暑い昼

 今朝の水温は5℃と非常に寒く、冬に戻ったような厳しい寒さです。当然朝の給餌は無しとしておきました。
 昼過ぎには15℃まで上がっていたのでイトミミズを与え、夕方4時過ぎには17℃となり、ここで鮎餌を少なめに与えています。
 ちなみに、昨日は朝が9℃で一日中水温も上がらず、餌は与えていません。

 このような状態なので全く産卵の気配もありませんが、5月中旬ぐらいの産卵のつもりで当初から管理しているので、これからもゆっくり調整する予定です。

 写真の二歳雄魚は、4/8と4/9のペアで採った魚で、丸手で尾が大きいのですが、顔が少し悪く尾芯を右に振っているので完全な種用の魚です。
 今年は丸鉢3個の限定された採卵となるので、実際に産卵に用いる魚は限られてくるのですが、この太みと尾は継承させたい形質ですので、今年の産卵で機会があれば使う可能性も十分にありそうです。

2007年4月17日(火)
イトミミズの効果
2005年10月10日(二歳の秋) 2006年8月15日(三歳の夏)
2006年10月29日(三歳の秋) 2007年4月7日(四歳の春)

 昨夜の強風もあって、今朝は8℃と少し冷えましたが、日中は16℃まで上がっていました。
 昨日降雨があったので、二日ぶりの換水を半量の交換として行なっています。

 昨日で、イトミミズの給餌をはじめて10日を過ぎましたが、それぞれ腹の太みも回復してきて、特に二歳はサイズアップしています。

 イトミミズについては、明日か明後日には研究会で頂いた採集物に切り替えるつもりですが、前回の購入ものよりさらに長持ちさせるため、採集時の泥から少しずつを徐々に分離しています。

 4枚の写真は何れも同一魚で、トップページの四歳雄魚です。
 今回も気に入った写真が撮れたと思ったら、やはりいつものアングルでした・・・。

 4/8の日記の写真の通り、いつもは形質が分かり易いように、真上からの写真を心がけていますが、反転が大きい土佐錦魚には、尾をひるがえすこの瞬間も特に魅力があります。

 4/7の写真では、冷えによる褪色の戻りで腹部など黒くなっていますが、非常に元気が良く、撮影時に気になっていた顔もようやく尖りを感じさせるほどとなって来ました。
 現在はさらに腹部がふくらみ、すっきりとした顔の尖りとなっています。

2007年4月16日(月)
ミジンコの給餌

 今日は一日中、小雨が降り続いて、水温は朝からずっと12℃で一定の、肌寒い一日でした。

 昨日持ち帰った貴重なミジンコは、ビタミンやカルシウムを十分に含んだバランスの良い飼料として、産卵前の発情と充実にとっても非常に有効ですが、うちではもう少し産卵は遅い方が良さそうなので、今の時期それほど多量に与えるつもりはありません。
 昨日の分譲魚を出したため空になっている丸鉢に入れ、6月まで少量を継続させておきたいと思いますので、この種として各丸鉢に分散させています。

 そうは言っても種用には極少量で十分で、多量に残ったミジンコはそれ程長くストックは出来ないため、今日からこのミジンコを与える事としています。
 今日のミジンコは、昼前後に2回の給餌としています。80Lのプラ舟には2歳が各5尾、親魚の舟は3尾としていますが、1回分のミジンコの量は、写真の通りで丹波の黒大豆くらいの大きさの塊としています。


 それから、昨日の研究会のページを追加更新しておきました。興味のある方はご覧下さい。

 ただひとつ心配なのは、この研究会の間に会員の方の自宅で魚の盗難があったそうで、貴重な魚が失われたとの事でした。
 掲示板に書き込みがありましたが、研究会で留守をする事を知っていたかのような犯人の行動のようで、HP等での行事予定の公表も犯行を助けているとすれば、とても気がかりです。

2007年4月15日(日)
トサキン保存会西日本支部 二歳親魚分譲会(とりあえず速報)

 今日は一日中良い天気で、絶好の研究会びよりでした。うちでは、朝6時半に1回のみの給餌として出発しました。
 昨日の全換水で更水としたため、今朝は少し泳ぎが悪かった事もあり、朝のみの給餌となったのは、結果的に良かったと思っています。

 分譲会は、会員のうち17名(出席者は18名)が参加されて、今年初の行事(二歳親魚分譲・研究会)となりました。
 分譲会、鑑識眼の研鑽実習、ミジンコ採集、イトミミズの採集と忙しいスケジュールでしたが、支部長他役員と会員の自発的な行動で、和やかな雰囲気の中、無事盛会のうちに終える事ができました。

 ちなみに分譲魚は、二歳:33尾、三歳:4尾、四歳:3尾の合計40尾が並び、うち
25尾が希望する各会員に分譲されました。
 支部長からの分譲魚には、「これを出すんですか!」と皆が口を揃える、品評会での活躍実績を持つ貴重な魚も出されていました。

 私の帰宅は7時半になり、イトミミズの分離作業準備や、とりあえずミジンコを丸鉢に分け入れたりして、夕食は8時を過ぎる事となりましたが、特に関東地方から参加された会員さんには、さらに遅くの帰宅となられた事と思います。
 移動や金額的な負担も相当なもので本当に大変だったと思いますが、十分に満足していただけた様子で一安心です。
 今後もより良い活動内容にするため、早くも来月の研究会が頭に浮かびます。

 なお、研究会の詳細については、研究会活動記録に明日掲載する予定です。
2007年4月14日(土)
二歳分譲魚 その4 その5
分譲予定二歳魚 その4 分譲予定二歳魚 その5

 今日は暖かい一日で、朝の水温は13℃、夕方には20℃まで上がっていました。
 全ての飼育容器で換水も行い、どの容器も更水で全換水としておきました。
 明日はいよいよ研究会なので、分譲魚の最終選考を行なって、持って行く魚には朝1回の給餌のみとして、他の魚には朝夕の2回の給餌としておきました。

 左(その4)は雄魚で、4/7の魚が父(二歳時)で、母親は4/8の四歳雄魚(二歳時)×「土佐錦魚写真館2006年」一番上のgallery-S001(2006/6/3):四歳更紗(三歳時):で採った二歳魚でした。
 少々目幅が広く、太さが無い事、尾芯を下げていますが、これから良くなりそうな雰囲気があり、この兄弟は他に残していない事からも、できれば手元でどう変わっていくか見ておきたい魚でした。
 右の(その5)は4/6にも紹介した雄魚で、ここまでの顔と腹を見せる雄はなかなか出ないため、こちらも置いておきたい魚でしたが、あまり変な魚は分譲に出したくないので、二歳はこの5尾に決定としました。

分譲予定三歳雌魚(4/11と同じ魚) うちに残す三歳雄魚(ガクトの子)

 明日分譲魚としてうちから出す魚は、どの二歳魚も品評会魚ではありませんが、ぜひ種親に用いたい際立った長所を持っているので、掛け合わせ次第では良い子が得られると思っています。

 この写真の三歳魚は、左の素赤の雌魚が4/11に出した魚と同じで、こちらも分譲に出す事に決めました。
 一方、右は雄親魚で3尾のみ残す事にした中の1尾で、尾先に大きな欠点があり、品評会魚ではありませんが、それをはるかに上回る際立った特徴を持つ魚で、どうしても手放せない魚です。
 やはり今回の分譲魚も((あくまでも自分なりにですが)、将来の種親として残す形質を持つ事を優先して、現在手元にいる魚との掛け合わせを考慮した上で選定したつもりです。

2007年4月13日(金)
二歳魚分譲魚 その3
分譲予定二歳魚 その3

 今朝は曇っていて少し暖かく12℃、夕方は雨が降っていました。今日は帰りが遅くなったため、朝の給餌2回のみとなっています。

 今日の写真は昨日撮影していたもので、昨日の「その1」と兄弟魚です。目の付きが悪いだけの魚で、目の付きの不良は遺伝しないとの事ですので、本来であれば残すべき魚です。
 この魚が雌であれば、無理をしても残そうかとも思っていますが、今のところどちらとも分かりませんので、おそらく出すと思いますが分譲会当日の朝まで少し悩んでみます。

2007年4月12日(木)
二歳分譲魚 その1・その2
分譲予定二歳魚 その1 分譲予定二歳魚 その2

 今朝は10℃、夕方は17℃の水温です。ここ数日は天気も良く、水が傷みやすい上にイトミミズの給餌で水がすぐに青くなりたがるので、夕方の給餌前に舟の約半量の換水を続けています。

 その管理の度に
、日曜日の分譲に出す魚の選定を、非常に悩みつつ行なっています。

 写真は分譲魚として出品予定の魚で、左の褪色前の長手(その1)は恐らく雌で、ものすごい顔の細さが印象的で親骨が柔らかいのも特徴です。
 右の素赤(その2)は雄で、8日と9日に紹介した4歳になった素赤と白勝ち更紗の子です。丸手で写真では良く分かりませんが尾の後ろの大きさが際立つ魚です。
 右の魚は胸ビレが大きく、子を採れば、その子には渡りの長く尾の大きいものが期待できると思います。その1とその2を掛け合わせて互いの長所を受け継いだ魚を狙って、このペアで産卵させてみても面白いかもしれません。

2007年4月11日(水)
研究会の分譲魚選び
分譲予定三歳魚

 昨日の朝は9℃、今朝は10℃、夕方にはともに17℃で、動きが良く、餌も良く食べるので、体型も日一日と太みを増してよくなってきています。
 餌は、早朝にイトミミズ、朝出勤前に鮎餌、夕方半分の換水を行なった後に再びイトミミズを与えています。
 この効果か、顔が少し改善してきています。

 さて、4日後にはトサキン保存会西日本支部の今年初めの研究会(二歳親魚分譲会)が迫ってきました。
 4つの80L舟に入りきらなくなる魚は全て分譲に出した方が良いと思いますので、二歳を5尾程度と写真の三歳雌魚を出すつもりです。

 夕方の撮影だった事もあって、今日の写真は鮮明さに欠けますが、顔もそれなりに良く尖り、(昨年はもっと丸く太っていたので、)これからまだ腹が出てくると思います。
 尾芯の先に癖があって尾筒が短いのですが、十分な素質を持っている魚なので手放したくはないため、まだかなり迷っていますが、おそらく手放す事になると思います。

2007年4月9日(月)
四歳魚の伸び

 今朝の水温は9.5℃と少し冷えましたが、夕方には17℃あり引き続き春の気候でした。

 昨日と一昨日の給餌は結果的に少し多かったようで、顔が悪くなったように感じたため、今日の給餌は朝夕の2回として少し量を控えておきました。
 おかげで、少しは顔も回復しているようです。

 
どの魚も全体的にも太みが増して、腹も大きくなってきていますが、特に三歳以上は冬ごもり中の消耗を急速に回復しているようで、日一日と、良くなっているようです。

 写真は四歳雌魚で、最近尾が大きくなってきたようで、この角度から撮るとI氏の系統の特徴である丸い体型と顔の尖りが一層良く見えます。

 昨日の雄魚とこの雌魚とで、昨年それぞれが三歳の時に採った子が、昨年最も良い成果を上げていて、7尾を冬越させています。
 昨日の写真と並べて見てみると、この両親なら良い子が得られるのも納得で、産卵時の両親の選定の大切さを改めて感じます。

2007年4月8日(日)
安定した春の気候

 昨日に続いて穏やかな1日で、朝は12℃、昼は17℃の水温が春の訪れを印象付けます。
 週間天気予報によると、広島ではこれから1週間はこのような気候が続く見通しとなっています。
 あと1週間後に控えた「トサキン保存会西日本支部」の二歳親魚分譲会には、うちからも数匹の分譲魚を出すつもりですが、このまま良い気候が続くと、給餌量も増える一方で、かえって顔を悪くしそうな感じです。

 今日の写真は、トップページ中央の写真の四歳雄魚です。O氏の系統の特徴である返しの良さが際立つ魚で、各ひれが大きく迫力があり、非常に気に入っています。
 褪色は三歳時に、昨年1年かかってゆっくりと進みましたが、冬に入るまでに完全には終わっていない事もあって、この冬の寒さで腹部や各ひれが再び少し黒くなっています。
 この黒化は、褪色の戻りとも言われていて、春の暖かさが来れば自然と色が戻ってきます。

2007年4月7日(土)
春の陽気再び

 今朝は10℃と再び春らしくなってきました。日中もかなり上がって17℃で、丸鉢は20℃まで上がっていました。
 今日は休日だったので、ゆっくりと少量ずつのイトミミズの給餌を行なっています。
 回数は4回で、9時、12時、3時、5時に与えておきました。

 この時期のイトミミズについては、二歳はあまり好きではない様子で、一旦口に入れては吐き出して、また食べるという感じで、少しずつ食べています。
 一方で三歳以上の親魚は、好んでどんどん食べて、さらに欲しがってきます。

 
写真は三歳雄魚で、この冬はずっとひっくり返っていて、処分対象の魚と思っていましたが、予想を裏切って今日の陽気で回復した魚です。
 返しが弱く、昨年の雄親としての成績も目立つほどのものではないので、今年の産卵には用いない予定です。

2007年4月6日(金)
顔と体型の良い二歳

 今朝の水温は9℃で、できればあまり餌を与えたくなかったのですが、帰宅が遅くなる予定だったので、給餌は朝一回のイトミミズのみとしておきました。

 今日の写真は、昨日の魚と兄弟魚で、尾筒から前は理想的でバランス良く非常に安定した姿勢の雄魚です。
 ただ、尾芯のわきに皺が寄り、親骨の張りも少し弱く、尾全体が小さく感じるため、迫力には欠ける印象です。

 飼育設備に余裕があれば、親まで残して飼い続け、変化を見ておきたい魚で、少なくとも種雄としてどのような仔が得られるか経験しておきたいとは思いますが、恐らくスペースの都合で使わない事となると思います。

2007年4月5日(木)
霜と氷

 今朝は真冬並みの非常に厳しい寒さで、丸鉢は0℃、プラ舟でも4℃まで下がっていました。

 土佐錦魚の飼育場としている屋上には、写真:左の太陽熱温水器があるのですが、このガラス表面が、今朝の寒さで霜が降りたのか、表面が凍っていました。
 写真:右のように非常に綺麗な氷の結晶が出来ていて、不規則な樹枝状の網目模様に、羽毛のような飾りをつけた感じで、自然が作る不思議な現象でした。

 朝は寒かったので、給餌は控えましたが、昼過ぎには水温は15℃まで上がったため、今日は今年初めてイトミミズを与えておきました。
 回数は2回ですが、久しぶりのイトミミズなので、量も少な目としています。

 今日の写真は、4月2日に紹介した魚と兄弟魚ですが、うちで一番小さい明け二歳です。
 尾が小さく物足りない感じもありますが、素直な丸手の魚で、胸鰭が大きいので、あるいは二歳以降で急に良くなる事もあるかと、手放さずに置いておいた魚です。
 褪色直後で色が薄いのですが、綺麗な鹿の子更紗になりそうです。

2007年4月4日(水)
雪も・・・。

 今日はさらに寒い一日で、昼過ぎには遠くの山に雪がかかっているほどでした。朝の水温も7℃で、夕方でも9℃と、冬に戻ったような気候です。

 餌は一応3回与えましたが、何れも極少量としています。

 最近の日記の写真は、明け二歳が続いていますが、この魚も同様で、昨年の「会の無選別分譲稚魚」の中から唯一残しているものです。
 
 まだ追星が出てきませんが、恐らく雄魚だと思います。長手のようにも見えますが、腹が出ればかなり良くなるのでは?と期待している魚です。

2007年4月3日(火)
Yahoo!きっず

 予報通りに今朝は少し冷えて、プラ舟は朝9℃で夕方も13℃まででした。丸鉢では、朝5℃、夕方10℃でしたが、この寒さは、丸鉢の明け二歳にとっては、とりわけ顔を良くする効果もあるように感じます。

 さて、今日のタイトルのYahoo!きっずですが、ヤフー株式会社 「Yahoo!きっず」チームから、昨夜メールが届いて、「子供向けのYahoo!検索サイトで、このHP:「土佐錦魚を創る」を登録させてもらったのでお知らせします。」との事でした。http://dir.kids.yahoo.co.jp/Science_and_Oddities/Animals/Fish/Goldfish/

 子供向けのYahoo!の検索サイトですので、紹介されているサイト数もかなり少なめですが、まずはその中で金魚のカテゴリを設置されている事が、これからの世代に金魚を広める上でも非常に嬉しいものです。

 また、トップ > 科学 > 動物 > 魚類 > 金魚のカテゴリには、金魚関連のサイトは5つ掲載されているのみですが、産地である大和郡山、熊本長洲と、カタログ形式の品種紹介が2サイト、という構成の中で、特に1品種のみを深く扱ったうちのHPは、かなり場違いな感があります。
 ランチュウなどの他の金魚ではなく、土佐錦魚(トサキン)のサイトのみが選ばれている事にも、選考した人は一般の方だろうと想像されますが、ここは良い様に解釈して、「少なくとも子供に対しても素直に見られるウソの無いHPとして、写真の多さや、まじめさを買われた」というところでしょうか?(それにしてもよくうちのサイトにたどりついたものです)

 さて、写真は今年最も期待している明け二歳で、嬉しい事に雌のようです。それに加えて、私が考える理想的な雌の姿そのものの資質を持っています。ちなみに昨年9月にO氏に分譲して頂いた魚です。
 うちで残している魚は、ほとんど全て雄魚で、雌はわずか5尾程度です。良い雌がいなければ今年の産卵が不安でしたが、だんだんと掛け合わせの計画も見えてきた感じです。

 この魚をはじめ、雌は腹部が柔らかく膨らんで、「いかにも丸手」といった感じになってきました。また、腹がもとに戻ってきた分、顔も良くなった様に見えます。

2007年4月2日(月)
明け二歳達

 昨日と今日は水温は13〜15℃程度、朝はそれなりに冷えるので、明け二歳達も、雄の追星はそれほどはっきり出ていませんが、雌はかなり太ってきており、それぞれサイズも大きくなってきたものが見られます。
 餌も、仕事の都合で早朝6時過ぎに1回、7時半に1回、夕方6時過ぎに1回の計3回が限度ですが、1回の量を増やすと顔が崩れてくるので、この3回で量を調整しつつ、このペースでなんとかやってみます。
 
 天気予報を見てみると、こちらでは明日の夜から再び冷えるとの事です。例年の気候や餌の入手を考えても、やはり4月末から5月の連休辺りに産卵させるのがベストだと思っているので、まだ少し青水がかった状態で保つ管理をしています。
 そのために、餌の量(回数)も少し増やしたので青水化が早く、水も汚れやすいため、換水は毎日1/2位としています。


 写真は昨日撮影した明け二歳の雄魚で、昨年の品評会で7位になった魚です。まだ少し痩せたままですが、バランスが良く泳ぎが安定しているので、今後に期待している魚です。

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